エロ坊主? 1道鏡の逆さ井戸 伝説の地 | 江戸手描き友禅「染工房 まいむらさき」のそめいろ日記

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栃木県小山市でそめもの教室の講師をやっています。
染め物のコトや、じんくん(秋田犬)のコト、歴史、芸術、美術、日々の色々を綴っていきます。

染師・まいまい です


地元・栃木県のこと、歴史をもっと知ろうと足を踏み入れた私・・・

初っぱなから、踏み入れた相手が悪かった・・・
っと、今になって思う

だってお相手は、女帝を補佐し、色仕掛けで意のままにしたと、
ずーっと伝えられてきた悪役、怪僧、妖僧の
高僧・弓削道鏡(ゆげのどうきょう)さま蛇

小学校の授業以来、「道鏡はエロ坊主」と
先入観をすり込まれましたよね


道鏡様の毒牙にかかり、中毒になった私は
もう、道鏡さまのとりこ

すっかり道鏡・孝謙天皇(女帝)バカになりました




栃木県の道鏡ゆかり(所縁)の地

今回は道鏡の「逆さ井戸」の伝説の地にやってまいりました



道鏡の逆さ井戸

何で「逆さ」なのか・・・



ここで道鏡の逆さ井戸の伝説です・・・



太陽がジリジリと照りつける真夏、恐ろしげな形相の大きいお坊さんが
いらだった様子で歩いていました。

お坊さんは、道で出会った人に
「やい、ここは何というところだっ。」と、かなりの上から目線で聞いたところ、
あまりのけんまくに、怖がって逃げられてしまいます。

「この辺のやつは言葉がわからんのか!」と、お坊さんは、またいらつきましたが、
野良仕事をしているお百姓さんを見つけたので再度たずねました。

「この辺に、地名なんて無いんですよ~。」と、お百姓さん。

「なんだ、地名が無いなんて、あきれたもんだ。」とお坊さんは言い、
のどが渇いていたので、「飲み水はないか。」とたずねます。

するとそのお百姓さんは地域でたったひとつの井戸に連れて行きました。

井戸をのぞき込んだお坊さんはビックリ!

井戸の中には、お坊さんをにらみつける人相の悪いお坊さんが
いるではありませんか!

しかも、井戸に映るお坊さんの顔は逆さになっています!

気味が悪くなったお坊さんは
「やいっ、そこにいるのは何者だっ。」と、井戸の中に怒鳴りつけると、
「やいっ、そこにいるのは何者だっ。」と、怒鳴り返してきました。

お坊さんは逆さに映った自分の顔が恐ろしくなり、
「こんな水が飲めるか。」と、プンプン怒りました。

そして
「これからは、この辺りを逆面・さかづらと言え。」と言って
立ち去って行きました。

そのお坊さんは道鏡でした。


おしまい


(参考文献)
しもつけの伝説7 栃木県連合教育会




・・・・・・・なに?このひと感じ悪い
カルシウム足りてないんじゃない?って、
後味が悪いお話ですよね

(カルシウムが足りてないと怒りっぽくなるらしい)




道鏡様って、やっぱり身体の大きい人だったのですね
アーリア人(白人種)が始祖の渡来系のDNAの人だそうですから、
そうなるでしょうね・・・・


この昔話に出てくる道鏡は、すごく嫌な人ですね

下品

身体が大きいくせに、人間が小さい

僧侶とは思えないほど、修行がたりてない

本当にすごい人はこのような横柄な態度はとらないですよ


こんな人に「さかづらと言え!」なんて命令されたくないし、
命名されたくもない

たとえ字が読めない庶民相手だとしても
「さかづらを文字で書くとこうなんだけれど・・・」と
その素晴らしく達筆な字で書いて見せてあげるぐらいの
ことをしたっていいじゃない


昔々から悪役を担ってきた道鏡ですから、脚色もされてこの話の中でも
悪役ぶりを発揮したキャラクターなのでしょう


この井戸にやってきたのは事実だとしても、いろんな伝わり方ってありますよね

実際の道鏡は、身体が大きいことで余計に驚かれないようにと、
穏やかに人にたずねたり、ちゃんと徳の高い雰囲気もあり、
ありがたく井戸の水を飲んだかもしれない

または道鏡は、かつて女帝を補佐したわけですから、
庶民には本当に偉そうにしていたのかもしれませんけどね





ご覧の通り、井戸として機能はしていませんね

だけど、井戸が残っていることがすごい






道鏡は、孝謙女帝崩御により下野薬師寺(ここ栃木県)に、
別当(長官)として配流されます

石碑によると、道鏡様、下野薬師寺に配流の翌年の寺巡りの際の、
出来事だったのですね

寺巡りって観光、遊びじゃないですよ
道鏡は栃木県に来てからも、精力的に働いていたみたいですからね





これ、わかりやすかったですよ
ありがとうございます




井戸全貌



見るべきポイントに目印をつくるとは、地域の方々の熱意が感じられます

この道すごく狭いです
車一台分しかない

きっと、道鏡の時代から幅変わってないんだろうな・・・




井戸の背面の山は神社になってました







井戸の前には、伝承と全く同じ風景が広がります

想像通りの雰囲気

770年頃から変わらぬ風景


道鏡が話しかけた畑仕事中のお百姓さんは、おそらくこの辺にいたのでしょう


当時、地元の人は道鏡の風貌に驚き、話しかけられると逃げてしまうので、
「この辺のやつは言葉がわからんのか!」と、嫌みを道鏡は言いますが、
この発言、嫌みだけでなく、本当に言葉が通じないと言っていると思われます


だって、ここは都から遠く離れているし、
この地にはアイヌ民族になっていく人たちが
たくさん住んでいたので、なまりと言うより、言葉自体が違うわけで
庶民ともなれば都の言葉が解る、話せる人なんてまれだったことでしょう

たとえば・・・・
塩原温泉の塩原の語源、シ ホッパ オロは
アイヌ語で大温泉地だそうです

チクラッポなんて全く日本語じゃなさそうな言葉も使われています
嘘つき = チクラッポ


だもの、道鏡の話す言葉を理解できるインテリお百姓さんがいてよかったです

あげく、道鏡様、熱中症で倒れるところでした

やけっぱちの道鏡様、最後はジェスチャーで頑張ったことでしょう


あらゆる外国語を話すのが当たり前の高僧の道鏡様

こうなったら下野(栃木県)の言葉をマスターするしかないですね




詳しくはこちら
↓クリックすると記事が読めます

道鏡、左遷先で言葉が通じない! シ ホッパ オロ 







白山神社  栃木県宇都宮市逆面町678

道鏡の井戸へはまず、この白山神社を目指すとわかりやすいです





神社をちょっと見にいきます





探してみると・・・

やっぱりありました

金精(こんせい)さま
(男根信仰)

道鏡 = 金精様

ここは道鏡ゆかりの地ですからね

古来より猥談で盛り上がり過ぎた結果ですかね・・・
現代でも冷やかされてますけどね

道鏡 = エロ坊主
道鏡 = 巨根・・・とかね


道鏡様はどう思ってるのかな・・・
まさか自分が死んだ後、金精様にまつりあげられるなんて
思ってないですよね

私が道鏡だとしたら、ちょっと恥ずかしいけど、
一生懸命信仰してくれる人がいるのだもの、
ここは腹を決めて精一杯、金精様やりますよ







ところでホント
大河ドラマで道鏡と孝謙(称徳)天皇やってほしい


なんで戦国と幕末ばっかりなの
いろいろめんどくさいから
やっても鎌倉あたりまでよね・・・・

つまらない・・・・
















逆面の交差点

道鏡のエピソードがもとになった知名「逆面(さかづら)」


そもそもなんで逆さに顔がうつったかは、謎




神社の見学と、道鏡の逆さ井戸までのアクセスは次回

井戸は白山神社の付近です

白山神社所在地  
栃木県宇都宮市逆面町678


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おまけ




許されざる間柄に禁断の花が生まれたという・・・


奈良の大仏を造っていたころのずっと
昔のお話

「道鏡事件」の渦中の女帝と高僧は
男女の関係だったと噂が現代でも
面白おかしく囁かれますよね

男女の関係どころか、子どもがいます 
栃木県に伝わる伝承です

女帝が栃木に来てから産んだわけではありません
皇子が栃木県にやってきたお話



歴史の闇に葬られた、日時までもが事細かでリアルな
禁断の少年皇子の伝説です 


衝撃 
1 孝謙天皇は道鏡の子を産んでいた! その名は英親王!
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秘話!高僧と女帝の間に生まれた子
もどうぞ 
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おまけ


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14.青い瞳の僧 如宝、鑑真のお寺 唐招提寺① 栃木県から車で大阪・九州・奈良♪


15.青い瞳の僧 如宝、鑑真のお寺 唐招提寺② 栃木県から車で大阪・九州・奈良♪


鑑真・下野の弟子たちとの絆



下野国庁跡・菅原道真も勤めていた!




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