このお話は、私の5歳上の兄が
当時小学校1年生だった頃のエピソードです。
私と兄は両親が働いていた東京で生まれ
しばらく親子４人で暮らしていました。
しかし兄が7歳の頃祖父が倒れてしまい
長男だった父親が西の方にある実家に帰る形で
父の地元に暮らすことになりました。
当時私は２歳。母は福島生まれで
友達は０人。そんな中
兄がいじめられていることが発覚しました。
パンダ兄 7歳 小学1年生
健吾くん 7歳 パンダ兄と同級生
健吾くんの兄 10歳 小学3年生
健吾兄弟の母 高校教師
伊藤先生 パンダ兄の担任の先生
佐伯さん：噂好きの40代ご近所さん
成人しているお子さんもいる。
本田さん：パンダ兄と同じクラスに、みゆきちゃん
というお嬢さんがいる。
山本さん：見た目は少しぶっきらぼうそうな印象だが
話すと優しい。5歳・7歳・9歳の男の子の母
その日1日、パンダ母は
お兄ちゃんの様子が心配で心配で
思わず学校に向かって歩いていた。
その途中で出会い
駆け寄ってきたパンダ兄の身体を
パンダ母はまた思わず、抱きしめていた。
パンダ兄
「お母さん、
パンダとお散歩してたの？？」
パンダ母
「うん、そうなの。」
抱きしめたら、
パンダ兄と小さな私の目が合って
猫じゃらしを見せてくれたので
私が嬉しそうにはしゃぐ。
パンダ兄
「パンダー、これパンダに見せたくて
持って帰ったんだ。
猫じゃらしって言うんだよ。
にぎにぎしたら、逃げるんだよ。」
パンダ
「にぎにぎ！！にぎにぎ！」
パンダ母
「そっか、パンダに見せたかったんだ。
にーには優しいね。
さぁ、一緒に帰ろう。」
パンダ母は、
兄の手をしっかり握り締めた。
この子達は、絶対に私が守るから。
◆
その日の夕方もパンダ兄は
いつも通り祖父の隣に行き
一緒にテレビを見ている。
学校のことは何も言わない。
（今日、学校どうだった？）
今すぐ聞きたいが、
きっと今日も同じことを答えるか
答えたくないという顔をされるだろう。
そう思って、
何も聞けないままだったが
パンダ兄が部屋にいない間に
学校のカバンや制服をチェックする。
汚れていないか、破れていないか
無くなっているものはないか。
パンダ母は
こんなことをしている自分が嫌だった。
◆
次の日、パンダ母は山本さんと
小学校の正門で待ち合わせをしていた。
健吾兄の母より30分早くきて
最初に校長先生と話すことになっていたが
1人では不安だと伝えたら、
山本さんと
同席でもいいということになったので
ついてきてもらったのだ。
パンダ母
「山本さん、、わざわざこんな、、
ありがとうございます。
一緒に来てくださって。」
山本さん
「お礼なんて言わないでください。
今回はたまたまパンダ兄くんが
こんな目に遭ってしまいましたけど
いじめをする子は、
ターゲットさえ見つかったら
実際誰が相手でもやりますから。」
山本さんははっきりと
「いじめ」と表現した。
そんな話をしながら2人は
会議室に向かう。
中に入ると、校長先生・教頭先生・
パンダ兄の担任 伊藤先生（女性）と
健吾兄の担任 拓郎先生が座っており
※ 拓郎先生は、男性とわかりやすいように
あえて名前にします。
まずは校長先生が、パンダ母の顔を見て
すぐに立ち上がり、頭を下げた。
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