登場人物 (前職の会社の同期たち)

 

このお話の始まりはこちら。

前の職場の同僚が、調停中だった①

 

パンダ…私。

藤木くん…20代で独立して、すぐにその事業で成功する。現在も仕事はとても順調。現在奥さんと離婚調停中。2人の子供がいる。

奥さん …ボルボに乗った彼氏と不倫していた。とにかくお金に執着があり、夫のお金を散財する。母親には高額なシッター代を支払っていたがお父さんは知らなかった。

ZくんとYくん…同期の男子

Aちゃん…同期の女子

 

 

 

藤木くん

「弁護士さん、、あなたは

 今の話を聞いて、妻のこと、、

 どう思われますか。」

 

 

 

奥さん弁護士

「……そのお話が本当なら、、」

 

 

 

藤木くん

「証拠もあります。

 

 不倫の証拠や、ベビーシッターを

 どれだけ利用してたかとか色々と。

 

 弁護士さんも仕事だから

 仕方ないとは思いますけど

 本当に弁護に値するべきなのか

 ちゃんと見極めてくださいよ。」

 

 

 

奥さん

「もう、いいでしょ。どれだけ私のこと

 貶めたいの?」

 

 

 

藤木くん

「貶めてるんじゃなくて、

 本当のことを言ってるだけだ。」

 

 

 

奥さん

「はーっ。。もう

 サインする気なくなった。」

 

 

 

椅子の背もたれに背中をつけて

またいつもの、ふてぶてしい顔。

 

何故いつもそんなに

強気で上からの態度が出来るのか。

 

 

 

藤木くん

「別にいいよ、それなら調停で

 しっかり証拠を出すまでだ。

 別に裁判になってもいい。

 

 今だって十分譲歩してきたのに

 今回サインしないならもう

 整形費用なんて絶対に払わないからな。」

 

 

 

 

奥さん

「ふんっ、でも私たち

 まだ離婚してないから。

 

 婚姻費用はちゃんと払ってよね。

 

 

 

 

藤木くん

「はい?婚姻費用?

 なんで俺がそんなの

 払わないといけないんだ。」

 

 

 

奥さん

「義務よ、義務。だってまだ

 夫婦なんだから。」

 

 

 

藤木くん友人弁護士

「あのですねぇ。婚姻費用については、

 奥様が不倫をしている証拠もあって

 ご主人に非がない場合には

 支払う義務はないですよ。

 

 ねぇ、弁護士さん。」

 

 

 

 

奥さん弁護士

「…というケースもある

 ということです。」

 

 

 

威勢の良かった弁護士さんは

声が小さくなっている。

 

 

 

藤木くん友人弁護士

「いえ、もし妻側が不倫しても

 夫側が婚姻費用を

 支払うケースがあるとしたら

 それは奥様に子供の親権があり

 養育しているケースですが

 違いますよね。

 

 奥様は今実家暮らしで

 生活に困窮しているわけでもないですし。」

 

 

 

 

奥さん

「だって子供はこの人に

 勝手に奪われてるから!」

 

 

 

 

奥さん弁護士

「不倫については

 慰謝料という形になるので

 それと婚姻費用については

 また別の話ですよ。」

 

 

 

なんかまだ一応

弁護しようとしているな。

 

 

 

友人弁護士

「じゃあ、慰謝料の話を

 先にしてくださいよ。

 

 いくら支払ってくれるんですか。」

 

 

 

奥さん

「えっ、そんなの払えないから。」

 

 

 

 

セミナー費用も、払ってるだろ。

 

 

と言いたいが、ここではまだ我慢。

 

 

 

 

藤木くん

「貯金、ないのか?

 これまで散々金使ってきたのに。」

 

 

 

奥さん

「あるわけないでしょ。」

 

 

 

なんでそこも強気なんだろう。

 

 

 

 

藤木くん

「とにかくサイン、

 しないってことだよな。」

 

 

 

奥さん

「しないしない。するわけない。」

 

 

 

奥さん弁護士

「ちょ、、」

 

 

 

藤木くん

「はい、わかりました。

 じゃあ、整形頑張ってね。」

 

 

 

 

藤木くんは、自らそう言って

立ち上がった。