登場人物 (前職の会社の同期たち)
このお話の始まりはこちら。
パンダ…私。
藤木くん…20代で独立して、すぐにその事業で成功する。現在も仕事はとても順調。現在奥さんと離婚調停中。2人の子供がいる。
奥さん …ボルボに乗った彼氏と不倫していた。とにかくお金に執着があり、夫のお金を散財する。母親には高額なシッター代を支払っていたがお父さんは知らなかった。
ZくんとYくん…同期の男子
Aちゃん…同期の女子
探偵Aさんから聞いた
BMW男の話というのは
マッチングアプリで
相手の女性を見つけて、
待ち合わせしたはずなのに
話が始まると恋愛関係に発展しそうな
そんなそぶりは一切見せずに
それはそれは潔くちゃんと
投資の話を始めているらしかった。
下手に自分に気を持たせるよりも
それで興味がある無しの
見切りをつけた方が
いいと言えばいいけれど。
その日、探偵はBMW男の
マンションも突き止めたが
それ以上の収穫はなかった。
どちらにしても奥さんとBMW男が
男女の関係であるということは
あまりなさそうだし
過去にあったとしても
今回の鼻事件で、
今以上の関係にはならないだろう。
◆
それから数日、
藤木くんはまた一旦
探偵をつけるのをやめたが
数日ぶりにお義父さんから
連絡があった。
奥さんの父電話
「この間また、家内と今後の話をしに
家に帰ったんだよ。
その時に娘がいて、どうやら
モニターで鼻のオペを
やってもらったところとは
全く違うクリニックを自分で探して
カウンセリングというか
話を聞きに行ったらしい。」
藤木くん電話
「あぁ、そうなんですね。
それで、どうなりそうですか?」
BMW男の方は、どうなった?
奥さんの父電話
「そこのクリニックでは
鼻の整形は修正だとしても
そんなに短期間で
何度もやるものじゃない
ってことと
あとは、術後半年くらいかけて
鼻の形は変わっていくものだから
再手術するとしても
もう少し様子を見た方がいいって
言われたらしい。
確かに私が見た限りでも
前とちょっと形が
変わってる気がするんだよ。」
藤木くん電話
「なるほど、なんかその説明
しっくりくる気がしますけど
前と変わってるって
良くなってるんですか?」
奥さんの父電話
「・・・いやぁ、、そりゃあ
何もしてない時の方が
良かったに決まってるんだが・・
ただ、ピークの時に比べたら
ちょっと落ち着いた・・
っていう感じなんだろうか。
わたしも娘がどうなりたいのか
よくわからんから
どれが正解なのか
わからんのだけどな。」
藤木くん電話
「やっぱり、そうですよね。
…それにしても、そんな話
あいつがちゃんと
お父さんに相談するなんて・・・」
ちょっと、嫌な予感がする。
奥さんの父電話
「あぁ、もちろんそんなこと
雑談で話してきたわけじゃない。
つまりわたしに
再手術の際は
金を出して欲しいと
そういう話が
したかったみたいだよ。」
藤木くん電話
「・・そうですよね。
思った通り・・・
僕が出さないから、
お義父さんに頼んだんですね。」
奥さんの父電話
「まぁ、心配しなくていいよ。
わたしも払わないから。」
藤木くん電話
「はい、そうしてください。
とにかくこっちは
離婚に向けての財産分与について
近々弁護士から連絡を入れますので
そしたらそのお金で
再手術の足しにでもしたらいいと
思ってますから。」
奥さんの父電話
「そうか・・・それで娘と
決着つきそうか?」
藤木くん電話
「それは・・・」
つくわけがなかった。
1億欲しいと言った奥さんが
その10分の1になった額を聞いて
簡単に納得するはずないのは
想定内だった。
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