シーズン３ー107　本当は怖い。

シーズン３　登場人物

● 主人公　紀子（ノリコ）さん

…40歳のワーママで一人息子は高校生。美容オタクでスタイルの良い美人。料理はプロ級。ある日夫と親友の秘密を知る。

●紀子の夫　マサル

…紀子さんの大学時代の先輩。都内で祖父の代から引き継いだ不動産会社を経営している。スマートで男女問わずモテる。

●紀子の親友　真子

…紀子とは高校時代からの親友。紀子たちの結婚式で健二に一目惚れされて結婚。娘が二人いる。

●真子の夫　健二さん

…マサルと大学時代のサークル仲間。普段はマサルとよくサーフィンに行っている。明るく子煩悩。

●田中君

…マサルの後輩で、マサルの会社の部下でもある。今回は紀子さんに頼まれて、尾行・追跡を行ってくれた。

※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。

シーズン1 ミキの芝生『不穏な着信』

シーズン２　武田さんの芝生

『隣の芝生②-1未婚の母を選択する女性。』

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紀子さんはこれまで一途にずっと
家族を、マサルを愛してきた。

息子も無事にここまで成長して
そんな今になって
まさかこんな仕打ちが
待ち受けているとは思わなかった。

まだ１ヶ月しか経っていないけれど

それでも月日が経てば

最初よりはもっと楽になると思ってた。

だけど全然軽くはならなくて。

紀子さん

「マサルはこれまでも、

　その場に女の子がいるような

　飲み会とかは頻繁で

　好き勝手にしてきたよね。

　それを嫌がる奥さんも

　世の中には沢山いると思うけど

　私にはそんなことくらい

　別によかった。

　マサルの世界ではそういう飲み会も

　当たり前だったりもするし

　そんなマサルだとわかって

　結婚したのは私。

　何よりマサルが家族を、私を

　どれだけ愛してくれていたか

　日々の生活で十分わかってたし

　どんなに遊んでもマサルは

　そこまで馬鹿じゃないって

　信じてた。」

マサル

「紀子……」

紀子さん

「でもさ、今回のは違うでしょ…

　絶対に…絶対に

　やってはいけないことだったでしょ…

　なんでよ…なんで…？

　私ならバレないと思った？

　バレても、

　許してくれると思ってた？」

マサル

「……それは…思ってない…」

紀子さん

「じゃあ尚更聞きたいよ。

　どうして？どうしてなの・・

　何でも持ってるあなたに

　驕りはなかったと言える？」

マサル

「…すまない…

　それしか言えない…

　紀子の言うように、俺には

　……驕りがあったかもしれないって

　そう思う…

　…いや、あったんだよな…

　当たり前に仕事があって、

　家族がいて・・」

項垂れたマサルをリビングに残し

紀子さんは寝室に向かった。

最近この寝室では、

紀子さんは一人で寝ている。

この日の夜、私宛に

紀子さんからLINEが来た。

紀子さん
「パンダさん、私今日、かなり
　取り乱しちゃいました。」

私
「え。心配です！
　電話で話しますか？」

紀子さん
「いえ、パンダさんの声を聞いたら
　また泣いてしまいそうですし
　今の時間はパンダさんの方も
　話し声で娘ちゃんが
　起きたら可愛そうですから。」

いや、真子は時間構わず
自分の気分で電話してきたけど！

だから紀子さんなら

ウェルカムだけど！

（娘は１度寝ると、話し声くらいでは

　起きない爆睡娘だし。）

こんな時まで
人に気を遣える紀子さんが
やっぱり心配だった。

紀子さん
「それに、文章だとなんか

　書いていて読み返せるので・・

　あとね、パンダさん

　今日マサルの前で泣きわめいたら
　なんか少しですけど、
　スッキリしました。

　楽になったわけじゃないですが
　吐き出すことは必要ですね。」

私

「確かに・・紀子さんは少し、

　我慢し過ぎでしたからね。」

それから紀子さんは

さっきまでマサルと話していたことを

私に詳しく書いて送ってくれた。

紀子さん