シーズン3 登場人物

● 主人公 紀子(ノリコ)さん

…40歳のワーママで一人息子は高校生。美容オタクでスタイルの良い美人。料理はプロ級。ある日夫と親友の秘密を知る。

●紀子の夫 マサル

…紀子さんの大学時代の先輩。都内で祖父の代から引き継いだ不動産会社を経営している。スマートで男女問わずモテる。

●紀子の親友 真子

…紀子とは高校時代からの親友。紀子たちの結婚式で健二に一目惚れされて結婚。娘が二人いる。

●真子の夫 健二

…マサルと大学時代のサークル仲間。普段はマサルとよくサーフィンに行っている。明るく子煩悩。

 

※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。

シーズン1 ミキの芝生 『不穏な着信』

シーズン2 武田さんの芝生 

『隣の芝生②-1未婚の母を選択する女性。』

 

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紀子さんの電話が

あまりにもしつこく鳴るので

 

電話に出た私。

 

 

 

「はい、なんでしょうか。」

 

 

マサル

「え…」

 

 

「なんでしょうか。」

 

 

 

マサル

「パンダさん…ですよね。」

 

 

「はい。そうですね。」

 

 

マサル

「紀子は…」

 

 

 

「何の御用でしょうか。」

  


 

こうして電話に出てみたものの

咄嗟のことだったので

 

私の頭の中は

ノープランではある。

 

 

話しながら

スピーカーフォンに切り替えて

紀子さんにもハッキリと

聞こえるようにした。

 

 

 

マサル

「いや…紀子ともう少し

 話をしたくて…

 

 今、どちらにいらっしゃいますか。」

 

 

 

「話って…

 

 さっきのあの感じを見ていると

 まともに話し合いが進むとは

 どうしても思わないんですが…」

 

 


マサル

「いえ、今度はもっとしっかり

 紀子の話を聞きたくて…」

 

 

「マサルさん。

 紀子さんの話なら

 さっきご本人が

 お伝えした通りですよ。

 

 そもそも真子さんが

 どうしてそこに

 いるんでしょうか。」

 

 

 

マサル

「……なんでそれを…」

 

 

 

「真子さんは

 帰らないんですか?

 

 引き留めてるんですか?

 

 ブッフェ食べてるんですか?」

 

 

 

実際食べてたら

相当ヤバイ二人だな。

 

 

 

マサル

「いや…もしかしたら

 紀子がここに

 戻ってきてくれるかもしれないって

 そう思ってたので

 

 そしたら二人の前で

 ちゃんと自分の気持ちを

 話そうかなって思いました…」

 

 


「戻ってきてくれるかもしれない?

 

 

 …どういうことですか?

 二人で紀子さんに

 あれだけのことをしておいて

 

 なんで紀子さんの方が

 そこに戻らなければ

 いけないんでしょうか。」

 

 

 

田中君よ。

 

 

今そこにワープして

マサルを2回

殴っておくれよ。

 

 

 

「それに

 なんで紀子さんが

 不倫した人の気持ちを

 聞かなければいけないのでしょうか。

 

 理由がどうあれ

 もう過去は変えられないですよ。」

 

 

 

私が話している横で

紀子さんがまた

ポロポロ涙を流していた。

 



マサル

「今、僕の方からは真子さんに

 (やっと呼び名変わった)

 もう2度と会わないと話しました。


 それを紀子に聞いてもらいたくて

 電話してました。」




「それで真子さんは、

 簡単に納得してますか?」




マサル

「…いや、だから二人の前で

 ちゃんと話したくて…」




納得してないのかよ!!



 

「マサルさん


 そんなことして、

 誰が一番傷ついているか

 わかってますか?


 とにかく…

 一旦電話切ります。」

 

 


マサル

「いや、ちょっとま・・」

 

 

 

切った。

 

 

電話には出てみたものの


真子がいた理由もわからないし

ブッフェ食べてるかもしれないし


特に身になる話がなかったので、

(期待していた方すみません。)

 

 

勝手に出たけど、

勝手に切った。

 

 

 

それより私は

今の紀子さんの気持ちを

聞きたいと思った。

 

 

 

「紀子さん…

 

 今私は咄嗟に

 勝手に話してしまいましたが

 紀子さんは実際

 どう思いますか?

 

 本当はもう少し

 会って話したいですか?

 

 それとももういきなり

 弁護士とか挟んだりしたいですか?」

 

 


紀子さんは

しばらく考えていたが

ポツリポツリと話し始めた。


 



 



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