メールの送り方には、TO, CC, BCCの3つのパターンがあります。


基本はそのメールを読んでもらいたい当事者をTOにしますが、用途に応じて、CC、BCCを使い分けることでメールの幅が広がります。


●CC: Carbon Copy(複写)の略

TOで指定した宛先アドレス以外に、同じ内容のメールをCCで指定した複数の人へ同時に送ることができます。メールを受け取ったTOおよびCCで指定された人は、お互いに誰に対してそのメールが送られたのかが分かるようになります。社内関係者への情報共有など、お互いの人間関係が明らかな時に使用します。


●BCC: Blind Carbon Copy(複写)の略
BCCに記入したアドレスに同じ内容のメールが送信されます。ただし、TOおよびCCで指定されたメール受信者には誰にBCCがされているかについては分かりません。TOあるいはCCの人には、BCCの人にメールが送られていることを知られたくない場合(TO・CCの人とBCCの人の面識がない場合など)に活用します。



また、昨今は個人情報の取り扱いが厳しくなってきたこともあって、不特定多数の人に同時にメールを発信する場合は、宛先を自分にして、送信者全員をBCCにするのも一つのマナーです。


その場合は、メールの書き出しを、“XXXの皆さま(BCCにて失礼します)”などとしておくと良いでしょう。


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引用のもう1つの活用方法は、キーワードだけを抜き出して、記号(“”や『』など)を使って強調するというやり方です。


これは『引用を活用する① 』でご紹介したような応答というよりは、何か相手が大切にしている想いや、メッセージに共感を示すのに有効です。


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(例文1)
先日はお時間をいただき、ありがとうございました。
モノづくりの原点である“顧客視点”に対する御社の
強い想いを伺い、私もあらためて気が引き締まりました。


(例文2)
『ゆとりを持つ』、大事ですよね。
私も忙しくなるとついつい目の前のことに没頭して
余裕がなくなってしまうことが多々あります。
――――――――――――――――――――――――


このように、相手が大切にしていると思われるキーワードを汲み取って表現することで、相手に「この人は自分のことを分かってくれている」という安心感を与え、信頼を積み重ねることができます。


引用するキーワードは相手のメールの文中にある言葉でも構いませんし、例えば、営業訪問後の御礼メールに商談中の言葉を盛り込むなど、直近の相手との会話中のセリフを活用することもできます。



返信の際に活用すると便利なのが引用です。


通常、メーラーのオプション設定によって返信時に元のメッセージの行頭にインデント記号(>)を自動で挿入することができます。


相手のメッセージを必要に応じて引用し、それに応える形で、文章を構成していくと良いでしょう。


――――――――――――――――――――――――――――
(例文)

お問い合わせをいただきました、次週の管理職研修の
実施についてお答えいたします。


> 1.最終の受講者数は何名でしょうか?
今のところ、最終予定者は21名を予定しています。
担当者予備分も含めて、25名分の教材を用意して
いただけると助かります。


> 2.教材の発送先は、山田様宛でよろしいでしょうか?
はい、構いません。私宛にお送りいただければ、
研修当日の朝までに会場にセットしておきます。


> 3.研修当日の入場方法について、何かルールがあれば
>  ご教示ください。
セキュリティーの関係上、弊社受付に到着されたら、
内線1228番までお電話ください。お迎えに参ります。
――――――――――――――――――――――――――――


このように、相手の確認事項を引用によって切り出し、それに答える形で返答をすると、キャッチボールのようにズレのないコミュニケーションを取ることができます。


ここでの注意点としては、相手の原文そのものは変えずに、そのまま引用することです。


また、このインデントを使った引用はごく一般的に行われるものなので、自分がメールを送る立場の時も、相手が引用をしやすいようにできるだけ短文にしたり、改行するタイミングを意識したりすると良いでしょう。


返信の際、タイトル同様に相手の原文を「消さないと失礼に当たるのでは?」と思っている人も多いと思いますが、過去のやり取り(履歴)を残すという意味で、原文はむしろ残した方が良いでしょう。


特に、メールについては、「いつでも誰にでも転送できる」という特徴があるため、関係者にそれまでの経緯・背景を共有するためにも、原文を残しておくことのメリットの方が大きいと言えます。


返信の数が多くなるに連れて、膨大な情報量になっていってしまいますが、(携帯電話などのパケット代は別として)メールは文字数が増えてもコストがかかるわけではありませんし、新しい情報は常にメールの文頭に表示されるので、何ら問題はありません。


新規作成時と違って、返信時は元のメールのタイトルを活かす必要があります。


通常、相手から来たメールに返信をすると自動的にタイトルに「Re:」のマークが付きます。これは” Reply”の意味で、基本的にはそのまま(つまり、相手が付けた原題の頭にRe:が付く)で構いません。


相手にとっても自分が付けたタイトルなので、そのまま返した方が何の用件かパッと見て分かりやすいからです。


「タイトルを変えないと失礼に当たるのでは?」と考える人も多いようですが、メールの主旨・目的が変わらない限りは、むしろタイトルは変更しない方が無難と言えるでしょう。


逆に、タイトルを変更した方が良いケースとしては以下のような場合が考えられます。


① メールの主旨、用件がやり取りの中で変わった場合。
② 用件が複数盛り込まれていたものが、ある1点に集約された場合。
③ タイトルに「●●様」「御礼」など、自分に対して敬意が込められている場合。


③は、例えば、『祝賀会参加の御礼』と言ったタイトルで、祝賀会の参加に対する御礼メールをもらったら、『こちらこそありがとうございました』と言ったタイトルで返信をすることで、相手とフラットな関係でありたいという気持ちを伝えることができます。



まず、返信のタイミングとしては、やはり「できるだけ早く」が望ましいと言えます。前述の「Yahoo!リサーチ」 によると、こんな調査結果が出ています。


Q)ビジネスメールの返事はいつまでに来ないとイライラしますか?
 10分以内 ・・・3%
 30分以内 ・・・5%
 1時間以内 ・・・13%
 3時間以内 ・・・12%
 6時間以内 ・・・3%
 9時間以内 ・・・1%
 1日以内 ・・・30%
 2日以内 ・・・10%
 それ以上 ・・・3%
 イライラしない・・・20%


ということで、何と約3割の人が3時間以内に返事がないとイラ立ち始めるという結果が出ています。送り手が返信を期待するタイミングの時間感覚はビジネスのスピード化に伴って年々早まっていると言えるでしょう。


また、メールには、「相手が読んだかどうか分からない」という難点があります。送り手としては相手が読んでくれたかどうかという不安が付きまとうものなので、仮に「上司に決済を仰ぐ必要があるが上司が出張で1週間不在のため返事ができない」といった状況の場合も、まずは一報メールを受け取ったという返事だけでもするべきでしょう。


それによって相手に与える安心感と、得られる信頼感のレベルは大きく変わってきます。


―――――――――――――――――――――――――
(例文)
システム導入の仕様に関する変更のご相談、承りました。
あいにく上司が出張で不在のため、社内で検討の上、
来週初めにあらためてご返答させていただきます。

取り急ぎ、メール拝受のご返信まで。
よろしくお願いいたします。
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現実的には、メールは1回のやり取りで終わることが少なく、頻度としては、「新規作成」よりも「返信」の方が多いと言えます。


ここでは、メールの効果的な返信の仕方、返信のポイントをお伝えしていきたいと思います。


一般的に、受信トレイには受け取ったメールの①件名、②差出人(誰から来たか)、③受信日時が最低限表示されています。①の件名については気を遣っている人が多いですが、②の差出人には意外と注意が払われていません。


言われてみれば気づくと思いますが、通常、私たちは、誰から(上記②)どんな内容(上記①)で来たメールなのかによって重要性・緊急性を判断しています。


このため、誰から来たメールであるかが瞬時に分かるようにすることが必要です。


差出人名は、メーラーによっても異なりますが、Microsoft Outlookの場合は、「ツール」-「オプション」-「メールセットアップ」-「電子メールアカウント」から編集が可能です。設定時は以下の観点に気をつけるとよいでしょう。



【差出人名のポイント】 

●名前+会社名(または部署名)が基本
社内の人とのやり取りが多いのか、あるいは社外の人とのやり取りが多いのか、企業の社員か、個人事業主であるかなどによって異なりますが、自分の名前と会社名を入れるのが基本です。

●名前はできるだけ漢字を使用する
名前はローマ字でも構いませんが、パッと見て個人名の判断がつくのは、やはり漢字です。

●機種依存文字に注意
後述しますが、半角カタカナ、㈱などの特殊記号は文字化けの危険性があり、注意が必要です。


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(指出人名の例)
○ 海野 幸男(マリン・フーズ)
× 海野(MF)
× Sachio Umino

× 海野 幸男 ㈱ マリン・フーズ
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尚、試しに自分宛にメールを発信してみると、相手にメールが届いた時にどのように受信トレイに表示されるかが確認できるで、一度、試してみることをオススメします。


2つ目のテクニックは、「罫線の活用」です。


「けいせん」と入力して変換すると、┌・├・┼・│などに変換が可能です。少々、面倒ですが、これらを組み合わせることで「表」を表現することができます。


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(例文)

各製品の特徴を簡単にまとめると、以下のようになります。
┌───┬───┬───┬───┐
○○○│製品Ⅰ│製品Ⅱ│製品Ⅲ│
├───┼───┼───┼───┤
│価
格│
├───┼───┼───┼───┤
│品質│
├───┼───┼───┼───┤
│在庫│
└───┴───┴───┴───┘
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