さて、楽しみにしていた暢音閣(ちょうおんかく)に到着しました。ここは乾隆帝の建てた、京劇の劇場です。さすがに舞台には上らせてもらえません(当然か…)。
西太后も、大のお芝居好きで有名だったそうです。自分専用の劇場があるなんて、お芝居好きの私には羨ましい限り。観客は向かいにあるこちらの建物から観劇したそうです。
かつての観客席の中には、京劇の資料などが展示されていました。そういえば私、京劇は観たことがないなぁ。上海にいる間に一度ぐらい観に行けばよかった…
その後、珍妃の井戸のある、冷宮へ。確かにその名の通り、日も当たらず、なんだか陰気な気配の漂う場所です。
井戸の周りは、すごい人だかりでした。私も近くに寄って少し見てみましたが、本当にここに人が沈んだのかしら?と思うような、小さな井戸です。しばし珍妃さまの身の上に思いを馳せました。
ようやく、北の端に辿り着きました。故宮の周りには高い壁がぐるりと巡っています。この壁一つで、外の世界と故宮の中はずいぶん隔てられていたのだろうとおもいました。
ようやく、出口である神武門が見えてきました。まだまだ見たいところでしたが、さすがに足が棒のようになってきたので、今回の故宮見学はこれにて終了です。
故宮の北には、景山の姿が見えます。風水に基づいて作られた人工の山です。明の最後の皇帝である崇禎帝は、李自成に追い詰められ、最後は宦官一人を連れて景山に登り、首をくくったそうです。京都と同じで、歴史ある街には血なまぐさい歴史もつきものですね…
「故宮博物院」という字は、郭沫若のもの。郭沫若氏は1892年生まれだそうなので、意外と最近のものなのですね!彼は昭和初期、10年ほど日本にも住んでいたそうです。
次から次へとたくさんの人が出てきます。みんな出た瞬間にタバコを吸い始めるので、煙たいったらありません。早々に退散して、マッサージを受けに行くことにしました。