初稿:2021年11月
最近、息遣いにこだわった調声が増えてきたような気がする。
特にCeVIO AI 可不のような、デフォルトでもかなり息遣いを強調したボイスの台頭によってその機運が高まっているのかもしれない。
UTAU界隈だと、以前から「語尾息音源」と言われる、フレーズ終わりで息を吐くことを強調する音素が浸透している。
(個人的に「語尾音源」と「語尾"息"音源」は違うものだと思っている)
しかし息遣いとは「吸う」「吐く」「止める」の3つの要素でできている、と思う。
ピッチや子音長だけでなく、こういった部分も意識して調声できればさらにエモエモになること間違いなし!
というわけで、この3つについて考えたい。
○吸う
吸う、といえばもちろんブレス音。
しかし大事なのは実際にブレスが聞こえるかどうかではなく、
「ブレスが鳴っているはずの間」を用意することだと思う。
ブレスは小さいので、オケに紛れて聞こえないことが多い。
聞こえなくても、これぐらいの長さで吸ってるだろうなという適切な「間」を用意するだけで、リアリティは上がる。
また、息継ぎする間を作らずにずっと続けて歌っていたら、聞いている方も疲れてしまう。
そういう意味でも間のとり方は意識したいところ。
逆に「初音ミクの消失」シリーズなどでは、あえて息継ぎの間を作らず歌い続けることで歌声合成らしさを出す、というのを演出の一環としてやっていると思う。
あの曲のコンセプトは初音ミクの物語なので・・・
○吐く
みんな大好き語尾息!
ここでのポイントは「吐き続けていないか」。
吐いた分だけ吸わせましょう。
・息を吐いたあとは吸うための間を作る
・語尾息は要所要所で使うようにする
語尾息を使いまくると、くどくなるだけでなく、そのぶんたくさん吸わせないといけないので釣り合いがとれなくなりがち。
まあ、めっちゃ吐きまくってめっちゃ吸いまくる、というのも曲によってはアリなので効果的に使えるならなんでもok。
○止める
意外と見落としがちなのが「止める」技法。
UTAUだとCVVCに入ってるVC(a k, a t, a p)を使ったり、連続音からVCを作ったり(エイリアス切り出し)することで簡単に「止める」音を再現できる。
たのしい。
実際の運用としては、平たくいうと
小さい「っ」(促音)の歌わせ方をマスターして、それを要所要所に入れましょうという話になる。