初稿:2016年7月
prefix.mapというのは、多音階音源を自動で切り替えて使う機能
の、音域を記録しておくファイル。
音声合成ではピッチを加工して原音から離れた音程にする(低いドで録ったのに高いドで鳴らすとか)と劣化が大きくなるため、原音を複数音階収録する。
で、いちいち[あC4]とか打ってたらustがごちゃごちゃになるため、音階名の部分は再生時に勝手に付け加えてくれる。
なお、昔の単独音時代は本当に"pre"fixだったらしい。
[C4/あ]と打つと「voice/音源名/C4/あ.wav」が使われるといった感じで、エイリアスを設定しない場合はフォルダ名がprefixになっていた。
サフィックス・プレフィックス選択プラグインとかに名残がある。
現在では連続音エイリアスの都合とか見やすさとかで、prefixは1番最後に付くことがほとんど。
☆MapEditor
prefix.map作成専用ソフトを作りました!
適当に何音階か録ってこのソフトに音源ぶちこめば
勝手に音程とか解析してイイ感じのmapを作ってくれるよ!!
編集モードもあって、一括編集などもできます。
☆UTAUでのprefix.mapの作り方
UTAU本体の設定タブから作れる。
選択したい一番上の行をクリック→Shift押しながら一番下の行をクリックで範囲選択する。
(Shiftで範囲選択するソフトはWindowsでもMacでもよくある)
後(Suffix)のところに音階名を入力。
上の「前(Prefix)」段に入力して間違った~~!とかあるある。
このとき、音階名の前に「あ_C4」みたいにアンダーバーを入れると
後で編集したくなったときに扱いやすい。
☆メモ帳などで編集する
メモ帳などのテキストエディタ系ソフトやExcelなどでも編集できる。
たとえば通常音源があって、やっぱりあとから録った強音源をメインで使いたくなって、通常音源のエイリアスを[あ_C4]から[あ通_C4]に変えたいとする。
そしたらメモ帳の置換機能で「"_"を"通_"に変換」と指示すれば手で書き換えなくて良いからとっても楽!
(音源の[あ]を[あC4]とか[あ通_C4]とかに変えるのはsetParamで一発。)
☆prefix.map設定の定石
音声合成は基本的に音程を下げる加工が苦手(程度はエンジンによる)なので、収録音階より上の音程で使うように設定する。
たとえばC4とF4を収録しても、使う範囲はど真ん中のD4/D#4で切り替えるのではなく、F4はE4もしくはF4以上、と設定することが多い。
☆multi-prefix.map(表情音源用のprefix)
UTAUには標準装備されていない機能で、presampや最強プラグインで使う。
こんなことができる。
上述のMapEditorやUTAU音源を統合するツールなどを使えば
音源をmulti-prefix仕様に改造できる。
また、multi-prefix仕様の音源の使い方は
「multi-prefix音源(統合音源)の使い方」に書いた。
仕様としては、
音源フォルダ内に「prefix」というフォルダを作って、
表情音源用のprefix.map(強.mapとか)を作ってそこに入れる。
強.map内に書くのは音階名(_C4)だけで、「強_C4」のようには書かないので注意。
prefix.mapは本来presamp用の仕様だが、おま☆かせ2020や最強プラグインでも同じmapを読み込んで使ってくれる。
また、「強」みたいなよくある表情名ならデフォルトで表情音と認識してくれるけど、特殊なエイリアスだとそれが表情だということが伝わらないので、
音源フォルダ内にpresamp.iniを作り、[APPEND]欄に使いたい表情エイリアスを書いておく。
詳細はpresamp簡単講座の一番下に。