少し前に観に行ってまいりました、東京宝塚劇場花組公演「うたかたの恋/ENCHANTEMENT-華麗なる香水-」



この公演のお芝居の演目

「うたかたの恋」という作品は、私にとって、特別思い入れのある作品です。


宝塚に入るため毎日必死にお稽古していた小学生の頃‥当時はビデオの時代。麻路さきさん、白城あやかさん、稔幸さん、という憧れのお三方がご出演のこのうたかたの恋のビデオを、何度巻き戻して観たか分かりません。


中学生になっても宝塚に入ることしか見えていなかった私には、青春と呼べるような甘酸っぱい思い出は何もありませんが、唯一宝塚のビデオを観ているときには一丁前に "きゅんきゅん" していました 


「うたかたの恋」も例に漏れず、10代の私の心を満たしてくれていました。



だからこそかな、うたかたの恋を実際に劇場で観るということには勝手にハードルが上がってしまっている状態でした。


しかし、このポスターの美しさ、


観たくなっちゃうやないの不安



※以下、ネタバレが含まれます。



第一幕

うたかたの恋



幕開き、大階段の上に立つルドルフとマリー。

有名な主題歌「うたかたの恋」から始まる。


この立ち位置の感じが、なんだか往年の宝塚という感じがしてエモーショナル。


そして、作品を観たことが無くても主題歌は知っている、という人も多いのではないだろうか。



前奏がまた良いの。


トゥルルトゥルルトゥルルトゥルル‥

(※電話の呼び出し音では無い)


この急かされるような、心をざわめかせるような前奏を耳にしただけで、うたかたの恋の世界に没入してしまうから凄い。


『マリー、来週の月曜日旅に出よう』


『あなたとご一緒ならどこへでも』

 


名台詞を聴けて、もうすでに半泣きだった。




そういえば以前とあるイベントで「うたかたの恋」を元男役さん(94期 飛河蘭さん)と歌ったことがある。


ブログの冒頭でこの作品について熱く語っておいて信じられないのだが、


練習中


『マリー、来週の月曜日旅に出よう』


と言われ、


「あれ?月曜日でしたっけ?金曜日じゃなかったですか?」


と、すっとぼけた返事をした偽マリー、ここにいます。


ちなみにこちらがその時のイベント

ダイジェスト



脱線してしまったので戻しましょう🐥

 



この「うたかたの恋」が再演されるにあたり、演出がところどころ変更されていた。


一番の衝撃は、

「狼男ごっこ」が無かったことだ。



「狼男だぞ〜」

「きゃあ〜♡♡♡」


が無かったのだ!!!

あのラブラブ赤面シーンが!!!



必要か?と言われたら、

まぁたしかにカットされたのも理解できる。


令和のお遊びとしては違和感がある。

いやでも、平成でも十分違和感というか、見ていて恥ずかしさはあった。

それゆえに、記憶に強く残る名シーンとなっていたのも間違いない。


カットで言えば、最期の血のように赤い薔薇の花びら、もね。

やっぱり観ながらすこし切なかった。


しかし、代わりに低レベルなかくれんぼが最高に破壊力抜群だった。(褒めている)


 

どんなに上手に隠れても〜

可愛いしっぽが見えてるよ〜

まさに童話のような、笑っちゃうぐらい隠れられていないまどかちゃん。かわいすぎる。



多分無意識で

かっわいいなぁ

と声に出してしまっていたと思う。



終始甘々な言葉と視線をマリーに注ぐ、柚様ルドルフ。

金髪がよく似合う。

王子様の格好がよく似合う。

彼(彼女)はなんでも着こなしてしまうのだが。


芝居の決められたところ以外にも、こまかい仕草にマリーへの愛おしさが見えて、それを受けるまどかちゃんマリーも、非常に・・・よかった(突然失う語彙力)


兎にも角にも、まどかちゃんが可愛すぎる。


以前から素敵な娘役さんだと思っていたけれど、こんなにも柔軟な人だとは!


凛とした未亡人の役から、あどけない少女まで、ここまで演じ分けられる役者さんは、正直宝塚の人の中にそう多くいないと思う。


自分の世界観だけでそれを披露するのでは無くて、お相手役さんのお芝居の波長にあわているのもすばらしい。



男役さんを輝かせるのは娘役さんであり、娘役さんを可愛く見せるのもまた男役さんである。

花組のトップコンビは、そのお互いの矢印が絶妙なバランスで、どちらがと優劣をつけるものではなく、お互いの良さを最大限引き出しあって見えるところに、私は花組トップコンビに一番の魅力を感じる。




我らが95期、水美舞斗演じるは、ルドルフの友人役。


「巡礼の年」の時にも、みなみにはどれだけ泣かされたか分からないが、今回も情熱的な素敵な役どころだった。彼女自身熱い人だから、こういうお役がよく似合うのだと思う。

お相手役の方も、声が綺麗でとってもチャーミングだったなぁ。



永久輝せあ様、彼はもう本当に一体全体、なんでこんなにキラキラしているんだ!努力も無論あるだろうけれどもうそれでは説明できない内から溢れ出すなにか、に惹かれる‥!!




同期も年々、学年が上がり、その分知らない下級生がどんどん入って来ている。

自分のいた組(星組)でさえ把握しきれていないなかで、他組ともなるとお手上げ状態ではあるのだけれど、なかには見知った下級生もいる。


その下級生は、

「真衣さん、真衣さん!」とよく話しかけてくれ、他組に配属されたにも関わらず、劇団で私を見かけると走って追いかけてくれるような、可愛い子だった。


そう、可愛い子。


可愛い子はわりと早い段階から髭をつけて、イケおじを演じていた。そんな姿をこれまでも客席から見守ってきたのだけど。


皇帝の役まで任されるようになったのね(涙)


峰果とわ氏。

愛称くりりん。(私しか呼んでない)


柚様に怒号を飛ばす様子を、親のような気持ちで穏やかに見守ってしまった。





第二幕

‥の感想に続きたいところだが、


この幕間休憩で事件(?)は起こった。


東京宝塚劇場の客席ロビーへ続くエスカレーターは、2台が横並びになっている。私は右側のエスカレーターに乗っていた。


ふと、ななめ後ろを振り返ると、なんと隣のエスカレーターに、稔幸さんのお姿を見つけてしまったのだ・・・


ほかでもない、このうたかたの恋という作品を、先程までノルさんと同じ空間で観劇させて頂いていたなど、考えただけで興奮せずにはいられまい?


ノルさんとは下級生の頃に外部公演で共演させて頂いたことがあり、その時に胸の内を告白させて頂いた経緯がある。


それ以降、ノルさんが星組ご観劇で楽屋へいらっしゃる際には、必ず着当板の前で入り待ちをさせて頂き、お帰りの際には出待ちをさせて頂いていた。(完全にファンのそれ) 

公演中はというと、プロローグからパレードまで、明らかにテンションがおかしな娘役だった。


ちなみに、ノルさんがいらっしゃる情報をいつも私に流して下さっていたのは柚美さん(涙)慈悲深い!



ノルさんは、こんな熱苦しい私にいつも差し入れを持ってきてくださり、お誕生日の時にはお誕生日プレゼントをくださったこともあった。



しかし、あれから7年、

覚えて頂けていなくても不思議ではない。

それでも、私は勇気を出してお声をかけてみることにした。



「ノ、ノノノノルサン!!!」


声が裏返った。


そうしたら、そうしたらね、


(´;ω;`)ブワッ


「あら、あなたもうすぐ誕生日じゃない!」


「ノ!?ノノノノノルサン!!??」


・・・言葉にならなかった。



そのあといくつか言葉を交わし、奇跡の時間は終わった。神様ありがとうございました。



第二幕

ENCHANTEMENT-華麗なる香水-



一言で言うと最高だった。
最高のエンターテイメントだった。


一番に思ったことは、なんというか、人数の分布がちょうど良いと思った。


少人数口の場面ばかりでもインパクトに欠けるし、大人数口の場面があまり多くても勢いのまま終わってしまって記憶に残らないことがある。
個人的にはその塩梅がちょうどよくて、ひとつひとつが記憶に残り、見応えがあった。


マリリンモンローのスカートが風に吹かれるシーン、を再現したような場面もすごく好きだった。「おお〜」とそれを見た柚様が反応するお茶目な演出も含めて。

中国っぽい場面や、エメラルドカラーのお衣装で夜景をバックに歌うまどかちゃんの場面も綺麗だった。

まどかちゃんと柚様のデュエットも、2人とも魅せ方が上手だなぁ、やっぱり良いコンビだなぁとしみじみ感じた。



このショー、様々な場面がある中でも、タイトルの''香水"をモチーフにした小道具や、歌詞を多く用いて、テーマが一貫しているのも好みだった。


それから、今回の公演でご卒業される一期上の華雅りりかさんのお姿もとても印象的だった。


華雅さんとは星組でご一緒だった頃、姉妹の役で絡ませて頂いたり、新人公演の本役さんだったこともありお世話になったので‥現役時代ご一緒させて頂いていた方のご卒業というのは、やっぱり、胸を熱くさせる感情があるなと思った。



そして、95期随一のパワーファイター水美舞斗の魅力も、ショーではさらに大爆発していた。



誰よりも高く低く力強く!跳んで回して回って足上げて!可動域がえげつない。

見ていて清々しいまである。


単独でも素晴らしいけれど、娘役さんと組んで踊っている時に、ウィンクだったり小芝居だったり、遊びを入れる余裕がまた魅力的に映る。

リフトも安心して身を預けられそうだなぁと娘役視点でも見てしまった。




娘役視点ついでに‥これは、好みもあるだろうし体質もあるだろうけど、男役さん全員、どうか、みんな過度に痩せないで‥出来ることなら私が大量の唐揚げを差し入れたい。



 

みなみは専科へ異動になる。


本音を言うと、花組で観られなくなるのは寂しいなと思っていたけれど、今回の公演で、みなみの持つ底知れないエネルギーと存在感を実感して‥そうか、花組だけの水美舞斗さんから、みんなの水美舞斗さんになるんだ!こっちゃんと並んだらどんな化学変化になるんだろう!

などと、期待が膨らんだ。




研究科14年生。


初舞台の頃の14年目の方といえば、スーパー上級生だった。


14年生になって今も現役で頑張り続けている同期の姿には、やっぱり勇気をもらえるし、同期がいるからこそ、観劇意欲も湧くというもの。


退団した同期の人数が現役の人数をいつのまにか上回っている今になり、そのありがたみを改めて感じている。



ありがとう、宝塚。


ありがとう、同期のみんな。


さ、明日もがんばって生きよか。




cherish now... 今を大切に

ひなの🌸




真衣ひなの


元宝塚歌劇団 星組 95期娘役

現在は女優とイラストレーターの二本を主軸に活動中。舞台・映像・ライブ出演のほか、司会の依頼なども受託。

イラストレーターとしては、ホームページ用素材、ロゴマーク制作、商業用パッケージのアートディレクションなどを担当。

<こころの発達アテンダント認定講師>


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【舞台出演】

5月10日(水)~5月14日(日) 

📍築地ブティストホール

劇団ユニット関西金髪 旗揚げ公演

『笑窪家の幸福(仮題)』



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