つづきです。
浜名湖の朝。雲は多めでしたがいいお天気です。
昨夜、生徒さんのYさんから電話があり、
Kさんの告別式でオカリナを吹いてくれないかという内容でした。
私達は旅行のためお通夜は失礼して、
幸い浜松と家から近かったため、朝食を済ませてチェックアウトして葬儀に向かう予定で喪服も整えて旅行に来ていました。
旅行に行くときは、たとえば眠気覚ましも兼ねて車内でオカリナを練習することもあるし(人前で吹くとかはしないです、w)
とにかく持っていると安心なので持っていくのですが、
私の中でKさんが、葬儀でオカリナ吹いてほしいわ、とおっしゃっていました。
とはいえそれはあくまで見えない世界のことだし、
葬儀でオカリナ吹かせてくださいなんて、よう言いませんので、
本当にKさんが望むならそういう流れになるんだろうと思っていました。
だから電話いただいて、やっぱりそうなったなあ、と
日本酒でベロベロになりながら、お引き受けした後、
何を吹こう。。。。と酔った頭をひねりました。
しばらくしてKさんから再度連絡があり、
葬儀屋さんの話だと、みんなが花を手向けるときにバックミュージック的に吹くのだと思う、と言うことだったので(酔っぱらっていたので記憶が定かではない)
そうすると数曲考えておいた方がいいな。。。。と、
楽譜もなく吹ける曲の中で雰囲気に合った曲をいくつか考え、
温泉に浸かりながら鼻歌で、何のキーで吹くかチェック。
だってたとえば吹き始めたら、オカリナは低いラまでしかないのに、低いソを出さなくちゃいけなかった!とか、音が足りなくて吹けないとかあるので、笑
朝7時半からの朝食を急いで食べて、
ここの宿は12時までにチェックアウトすればいいのですが、
8時20分チェックアウト。
外出先での葬儀あるある。
「夫、黒い靴忘れる」
と言うことで、車内で確認のためオカリナを吹いている間に、夫の運転で、猛スピードで一旦自宅に戻り、
10時すぎに阿久比の葬儀場到着(考えたらどんだけ早いんだ??)
看板に大きく書かれたKさんの名前に、
いよいよ現実なんだな。。。。と葬儀場に入りました。
葬儀前に式場の方から、ざっくりした流れを葬儀場から説明を受けて、
花を手向けるためにみんなが囲んだころから吹き始めてください。
あとは音が鳴っても鳴らなくても進めて行きますから、と言われ・・・
葬儀など、祖母の葬儀以来なのでもう10年ぶりで、記憶になく、
お別れどころか
いつなんだろうと様子をひたすら見ながら、
いよいよか!と思ったら初七日法要開始。
それが終わり、
親族を中心に棺を囲んだ時、ここかなあ、とタイミングを見計らって
部屋のはじっこで吹きはじめたのは、まず
千の風になって。
これは多分Kさん聞きたいはず、と生徒さんのリクエスト。
みなさんが私のオカリナに合わせて口ずさみ始めたのですが、途中で、式場の方が花を手向ける旨の説明しはじめたので、
フェードアウトすると音が下がってしまうため出来ないオカリナで
頑張ってフェードアウト。
親族が花を手向けはじめるタイミングからまた様子を見て、アメイジンググレイスを吹き、
この辺りからもう皆さんが次々と泣きはじめたので、自分がもらい泣きしないように曲にひたすら集中。
からの、
G線上のアリア。これを一昨年発表会で吹いた方が、Kさんから好きな曲なのよ、楽しみだわ、と言われたと教えてくださったため。
まだまだ花を手向ける列が続きそうだったので、
愛の讃歌。これは昨年Kさんが吹いた曲。
途中、終わりに差し掛かるので、様子を見ながら、
最後の人が手向けたタイミングで上手い具合にちょうど曲が終わり、
私も花を手向ける。
ここで喪主挨拶があり、いよいよ出棺。
住職がチン~チン~と鈴を鳴らしながら退場して行くのを見送り外に出て行く頃から、
見上げてごらん夜の星をを、後ろで吹き初め、
車が出発。
いいタイミングで道路に車が出て行く頃に、曲終了。
カンペキ!
って
そういうことで仕事じゃないけど、
演奏家スイッチが入って、仕事モードの中の、お別れでした。
終わってから、お孫さん(20代の女性)が、
いつも私の事を聞いていた、と声をかけてくださり、
おばあちゃんのオカリナの音色を思い出しました、と涙ながらにお話ししてくださいました。
次男さんは「母とコンサートに伺ったことがあるんですよ」とお声かけしてくださいました。
別のオカリナサークル仲間の方からは、
目に涙を浮かべながら、
「私の時も・・・・吹いてほしいです。。。。」
元同僚でフルートの生徒さんからも、
「すっごくいいお葬式だった。こんなお葬式初めてだわ。
先生、私の時はフルートで吹いてほしい」
と言っていらっしゃいました。
自分自身は
オカリナは音量調節が出来ず、結構よく響いていたので、
逆にご葬儀の進行の邪魔にならないようにとか結構張り巡らせていましたし、
事情を知っているご親族や生徒さんなど一部の人を除き、
いきなりオカリナ吹き出した謎の人みたいでしたし、
だから、ご親族の方に良かったと言って頂けて安心しました。
その後は、オカリナグループアルファードの生徒さんたちとランチ。
ここでKさんの思い出話に花を咲かせました。
葬儀では目を赤くしていたみなさんですが、
ここではしんみりすることもなく、爆笑に次ぐ爆笑の思い出話。
Kさんもたぶんそこに一緒に笑っていたと思います。
この世ではオカリナも個人レッスン、グループレッスンの他に、
オカリナサークル活動、そして趣味の山登りに、俳句だったか俳画の習い事に忙しく、
盆正月は2人の息子さんが家族そろって帰省、孫6人、みんなに囲まれ「大変よ~~」と笑って幸せそうでした。
76歳とは思えない。
他のオカリナサークル仲間の方達も
先生がKさんに教えてくれたことを私たちは本当に細かく、Kさんから教わってきました。
いつも先生の事を話してくださいました。
とおっしゃっていました。
亡くなって、
「魂での瞬間移動」が出来るようになった今は、ますます忙しく「飛び回っている」のじゃないでしょうか?
「わかる?」ウフフ、と笑っている笑顔が浮かびます。
Kさんの生きてきた今までと、
このブログを通じて、
また、発表会を通じて多くの人たちにいい影響を残したKさん。
私も周りにいい影響を与えられるような生き方がしたいです。
ありがとうございました。
そして魂だけになっちゃったけど、これからもよろしくお願いします。