佐保田鶴治先生を知る人も少なくなったが、先生は、
ヨーガを健康法として日本に紹介された。
まず、身体が健康でないとヨーガは理解出来ないし、瞑想も気づきも
不可能だからである。
しかし、「ヨーガの体操(佐保田鶴治先生の名言)」は、
ヨーガそのものではない。
(書名が見えにくいものは、『古代印度の研究』、『印度古代史』)
これらは、佐保田鶴治先生の初期の文献の一部である。
これらから分かることは、最初にされたことはサンスクリット語
のマスターである。
「10年を要した」
それで、
「ようやく印度古典にアプローチ出来る自信を得た。」
とも書かれている。
さらに、「古ウパニシャッドより出発するのが妥当である」
と言っておられる。
これが世界の常識である。
上記の「ヨーガのすすめ」にも、カタウパニシャッドからの引用がある。
先生がされたように、ヨーガに縁をいただいた者は、次の世代の人
に伝えなければならない。
それは、ちょうど、能楽師や歌舞伎役者が、その家に生まれたのと
同じである。
拙著の既刊6冊は、佐保田鶴治先生が紹介されなかった経典を
意識的に取り上げ、役立ちたいと願った。
●『ハタヨーガからラージャヨーガへ』
「ラージャヨーガ」のための「ハタヨーガ」の意味を。
●『サーンキャとヨーガ』
ここでは、「サーンキャカーリカー」(前半)を。
●『ギーターとブラフマン』
ここでは「バガヴァッド・ギーター」と、「サーンキャカーリカー」
(後半)を。
●『サンスクリット原文から学ぶ般若心経入門』
「サンスクリット原文での」意味を。
●『ブッダの言葉とタントラの呼吸法』
「ダンマパダ」と「タントラの諸文献」を。
つまり、「シヴァスートラ」、「スパンダカーリカー」、
「タントラローカ」、「タントラサーラ」、「ゴーラクシャシャタカ」、
「シヴァスワローダヤ」など。
●『ラマナマハルシの言葉』
ラマナマハルシの3部作。
「私とは誰か」、「ウパデーシャ・サーラ」、「サットダルシャナ」
先日の研究会で、とんでもないことを次々しゃべるので、
「新しい発見ですね」
と言われたが、
そうではなく、世界の常識から日本だけがズレているのである。