「ヴァーシシュタ・グハー・アーシュラマ」の写真が、「ヨーガ・ヴァーシ
シュタ」の本の中に挟んであって出てきた。
1998年にシヴァナンダ・アーシュラムに行った際、ここから北東へ
バスで1時間位の所にある「ヴァーシシュタ・グハー・アーシュラマ」を
訪れたことがある。
「グハー」とは「洞窟」の意味。
今まで訪ねた洞窟の中でも1、2を争うもの。
この辺りになると、ガンガーの水も非常に冷たく、素晴らしく透明度も高
かった。
「ヨーガ・ヴァーシシュタ」は、ラーマーヤナの作者でもあるヴァールミー
キによるヨーガの経典。32,000もの詩句、5~7巻からなる大著であ
る。
「バガヴァッド・ギーター」のクリシュナとアルジュナのように、聖者ヴァールミーキがラーマに教えを説く対話の形で書かれている。
別名:「ヨーガ・ヴァーシシュタ・マハー・ラーマーヤナ・オヴ・ヴァールミ
ーキ」。
後に6,000詩句に要約したものも出た。
しかし、日本で紹介されることは殆どない。
私の訪れた洞窟は、この他に、
空海が修行をしたと伝えられる室戸岬にある「御厨人窟」、同じく大峰
山の岩石の中を垂直に30mほど昇ったところの洞窟、それとラマナ・
マハルシのヴィルパクシャ・ケーヴの4カ所だが、これは行ったことの
ない人にとっては、あまり意味をなさない。
それよりも、「ヨーガ・ヴァーシシュタ」は、ヴェーダーンタのすべて、4つ
のヨーガの道のうち、主にディヤーナ・ヨーガとニャーナ・ヨーガを説い
ているのだ、ということを次世代の人に伝えなければ肝心のことを伝承
したことにはならない。
驚いたことに、20年も経つと、ここもパワースポットや観光地に様変わり
しているような記述が目立つ。
せっかく、シヴァナンダ・アーシュラムへ行かれても、マハルシのアー
シュラムへ行かれても、雰囲気に酔って帰国され、写真をブログにあげて、それでお終い。
経典を買って読まれる人も少ない。
非常に、もったいないことだ。
インドへ何回行こうと、変わらない人は変わらない。
一方、ビートルズやスチーヴ・ジョッブスは、どうだったろうか?
「ヨーガ・ヴァーシシュタのダルシャナ」は、またの機会に紹介したい。