第4話の最後に、「大魔術師伝説」とタイトルづけられた新章に向けてのプロローグが描かれています。
そこに登場するのが「ニガヨモギの使者」。
ヨモギといえば、ヨモギ餅しか頭に浮かばない私は、「ニガヨモギの使者」という言葉を見て頭の中が「???」状態。
調べてみると、暗示めいたストーリーが浮かんできました。
あくまで私の憶測ですが。
そもそもニガヨモギとは何でしょうか?
“高さは40 - 100cmほどで、全体を細かな白毛が覆っていて、独特の臭いがある。”
“原産地はヨーロッパ。北アメリカ、中央アジアから東アジア、北アフリカにも分布している。” (引用:WIKIPEDIA-ニガヨモギ)
この物語の舞台はヨーロッパや中東、北アフリカあたりと思われるのですが、そこいらで自生しているようです。
とても苦い味がするそうで、除虫などに効果のあるハーブです。
ニガヨモギを使ったリキュールとしてアブサンというお酒が有名です。
さてこのニガヨモギ。なんと新約聖書に登場します。
ヨハネ黙示録第8章第10節及び11節に次の文があります。
“8:10
第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。 すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。
そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。
8:11
この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。
水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。”
(引用:口語訳聖書http://bible.salterrae.net/kougo/html/)
新約聖書のヨハネ黙示録は、預言書として知られています。
「世界はXX年に滅亡する」的な話は、ヨハネ黙示録が元ネタのことが多いようです。
その黙示録の中で、上記8章10節11節は、1980年代に起きたウクライナの某原発事故の預言として知られています。
上記の某原発の所在地の名前は、「苦(にが)よもぎ」を意味するのだというのです。
これは今では否定されているのですが、当時は話題になったみたいです。
念のため繰り返しますが、真実としては原発事故とヨハネ黙示録は全く関係がないとされています。
ここで確認したいのは、図書館の大魔術師において「ニガヨモギ」が登場したのはなぜか、ということです。
詳しくは第1巻を読んでほしいのですが、前述の「大魔術師伝説」では、
- ニガヨモギの使者という災いが大陸に訪れたこと
- 死者は大陸を破壊しつくし民を恐怖に陥れたこと
- この厄災は長い年月をかけて石棺に封印されたこと
- 厄災が残した「灰白色の死」という霧が大陸の多くの土地を奪ったこと
が記述されています。
これらは、直感的には原発事故の被害や事後処理を想起します。
そしてプロローグは、この厄災から年月が経ったのち、世界に再び危機が訪れ、そこで少年が大きな役割を果たす、としています。
つまり、想像ですが、1990年代に入ってから今に続く民族紛争の多発化を視野に入れて、この物語は進むのかもしれません。
とすれば、少年が幼少期にうけた民族間の憎悪感情が原体験をもととなって、少年は大きな活躍をしていくのかもしれませんね。
今後の物語のふくらみ、重層化が楽しみです。
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