地方創生大全 | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

本書は高校時代から地域活性化に

 

携わってきた木下斉先生が、地方が抱える

 

問題を「ネタ」「モノ」「ヒト」「カネ」「組織」の

 

五つに体系化し、28もの「問題の構造」と

 

具体的な「再生の方法」を提言する

 

名著です。

 

 

 

 

 

2015年から2年間。僕は地元の大学で

 

地域研究を行っているゼミの指導を

 

行っていたことがあり、その時のことを

 

1冊にまとめて出版したのですが、その時に

 

本書を読んでいたら、相当内容が変わって

 

いたのかもしれません。

本書は高校時代に全国商店街合同

 

出資会社の社長に就任し、現在は全国の

 

まち会社による事業連携・政策立案組織

 

である一般社団法人

 

エリア・イノベーション・アライアンスを設立し、

 

代表理事就任された木下斉先生による

 

地方創生の『失敗の本質』であり、実践者として

 

まちづくりに汗を流してきた木下氏だからこそ

 

書くことができた「処方箋」であります。

木下氏のことは本書の基になっている

 

東洋経済オンラインでの連載

 

『地方創生のリアル』

 

で知るに至ったのですが、曰く、


『「若者に活躍してほしい」は、ほとんど口だけ 

 

地方は結局「若者」を排除して自ら衰退する』



『「ゴマすりコンサルタント」採用も致命傷に 

 

地方は「好き嫌い」で物事を決めすぎる』


などの記事に記されていることはほぼ全て、

 

いま現在目の前で起こっていることであり、

 

僕自身も積極的にSNSで拡散しているわけで

 

ありまして、それをさらに発展させた内容に

 

なっております。

ここ最近はゆるキャラ、地域ブランド、「道の駅」…。

 

「地方創生」「地域活性化」の名の下に全国各地の

 

自治体ではさまざまな取り組みが行われている

 

ものの、木下氏は本書で多額の税金が使われて

 

いるにもかかわらず、そうした地域活性化事業の

 

多くは成果をあげていないと一刀のもとに

 

切り捨てております。

そうした現状を本書列挙する中で木下氏は

 

(1)ネタの選び方、(2)モノの使い方、

 

(3)ヒトのとらえ方、(4)カネの流れの見方、

 

(5)組織の活かし方。といった「五つの観点」から

 

問題点と解決策を提示していくのです。

個人的に最も知りたかったこと


「なぜ僕よりも頭がよくて、地位もあって、

 

社会的な立場もある人間たちが地元を

 

よくしようと思ってアレコレとアイディアを

 

出し合って、実行していると思われるのに、

 

なぜここまで衰退の一途を歩んで

 

しまったのか…?」


についてが事細かに記されており、それをこうして

 

書籍にまとめてくれた木下氏の労力には、

 

本当に頭が下がる思いです。

ここ最近では、(心ならずも)自分の住んでいる

 

地方自治体でも、まちづくりを積極的に行おう

 

という若手の団体がいくつか立ち上がっており、

 

僕自身は今後彼、彼女らに積極的にかかわって

 

いくことはありませんが、少なくともまちづくりの

 

主要な「プレイヤー」になっていく、もしくは

 

これからなろうと持っている人々には本書は

 

もちろんこと、そのほかにも刊行されている

 

木下氏の著作を読んでいただければなと。

 

老婆心ながらそのようなことを願ってやみません。

 

 

 

 

 

 

 

 

地方創生大全 地方創生大全
 
Amazon

 

 

 

人気ブログランキング←1クリックお願いします。