日本の聖域 ザ・タブー (新潮文庫) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

会員制情報誌『選択』の名物連載を書籍化した

 

第3弾の文庫版です。

 

政界、官界、財界、学界…。25の組織や制度の持つ

 

「聖域」に容赦なく切り込んでいく様子はいつもの事

 

ながらすごいなぁと感じ入ってしまいました。

 

 

 

 

僕が会員制情報誌『選択』の存在を知ったのは

 

大学時代のことでありまして、


「よし、いつかはこれを定期購読できるような

 

身分になってやる。」


と「青雲の志」を抱いたものの、それから幾星霜。

 

「中年の門」をくぐった僕はそのような路線からはかなり

 

遠く離れてしまっていることを痛感し、軌道修正を図って

 

いるところでございます…。

 

話を戻して本書はその『選択』の名物連載である

 

「日本の聖域」を書籍化した第3弾でありまして、

 

単行本では『日本の聖域 この国を蝕むタブー』だった

 

そうですが、文庫化にあたり改題したものです。

 

本書の中でも政界、官界、財界、学界…。25の組織や

 

制度の持つ「聖域」に容赦なく切り込んでいく様子が

 

詳細に描かれ、


「三万人のための総合情報誌」


を標榜するだけのことはあるなぁ、とうなってしまった半面、


「ここまで闇は深いのか…。」


と何度も唖然とさせられました。

 

理化学研究所、東宮、学習院、国立がんセンター、

 

日本体育協会、電通、原発城下町、自民党東京都連、

 

中国大使館…。

 

そのそれぞれの中にある「負」あるいは「悪」の部分を容赦なく

 

ここでも抉り出していくわけでありまして、人間や組織の持つ

 

「ダークサイド」がそれぞれに浮き彫りになっており、

 

ページをめくりながら暗澹たる思いがいたしました。

 

本書の前に刊行された2冊同様、読んでいると本当に

 

気分が重くなるわけですが、その一方でここに書かれて

 

いることから目を背けてはいけないなと、改めて思いを

 

引き締められる思いがした一冊でございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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