フリー [ペーパーバック版]―<無料>からお金を生みだす新戦略 | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

本書は2009年にハードカバーで刊行され、

 

「フリーミアム」という新しいビジネスモデルを提唱し、

 

世界中に賛否両論の大反響を巻き起こした

 

クリス・アンダーソン氏による著作のペーパーバック版

 

です。

 

 

 

 

 

 

本書の日本語版が2009年に日本放送出版協会より

 

発行され、その中で「フリーミアム」という新しい

 

ビジネスモデルを提唱し、世界中に賛否両論の大反響を

 

巻き起こしたクリス・アンダーソン氏による経済の

 

大変革を喝破した世界的ベストセラーが16年になって

 

ペーパバック版として刊行されたバージョンです。

僕もハードカバー版を(あまり記憶が定かでは

 

ありませんが)09年か10年に読んでおり、内容は

 

おぼろげながら把握していたかと思っていたのですが、

 

今回本書を読み直してみて、8割がた忘れていたことを

 

痛感し、愕然としてしまったことを覚えております。

著者であるクリス・アンダーソン氏は本書のほかにも、

 

「ロングテール」や「メイカームーブメント」など、

 

21世紀となってデジタル化の進む中、現在はネットに

 

少し詳しい人なら誰でも知っているような「キーワード」で

 

社会の事象を説明し、ワイアード誌の編集長職を

 

辞した後は12年にドローン開発のスタートアップ、

 

3D Roboticsを創業し、CEOを努めているとこのことです。

本書の提示する「無料のルール」は以下のとおりでありまして、

1.デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる
2.アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
3.フリーは止まらない
4.フリーからもお金儲けはできる
5.市場を再評価する
6.ゼロにする
7.遅かれ早かれフリーと競いあうことになる
8.ムダを受け入れよう
9.フリーは別のものの価値を高める
10.稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう

とのことですが、あらゆる業界を問わず、「無料」との

 

戦いは本書が刊行されて以降、熾烈を極めているのは

 

ご承知かもしれませんが、


「デジタルテクノロジーがあらゆるモノやビジネスを

 

「限界費用ゼロ」にする」


のは構造的な大転換であることを改めてよく理解

 

できた気がしてなりませんでした。

しかし、偶然見たのですがカドカワ株式会社代表

 

取締役社長、株式会社ドワンゴ代表取締役会長 、

 

株式会社KADOKAWA取締役である川上量生氏は

 

本書および「フリーミアム」の考え方に大変否定的で


「「ネットに"しつけ"をする空間を作る」〜池上彰氏と川上量生氏が対談 」

http://blogos.com/article/96602/

によると

「川上:コンテンツにお金を払わない理由は、"しつけ"

 

だと思うんです。クリス・アンダーソンという人が書いた

 

「FREE」という、とんでもない悪書があるんですが(笑)、

 

寝言みたいなことを書いてるんです。フリーになっていくのが

 

これからの時代の流れだ、と言いたいらしいんですが、

 

全く根拠が無いですよ。

なんで人がお金を払うのかって言ったら、欲しいから

 

ですよね。お金を払わないと手に入らないから、お金を

 

払うわけですよね。単純な原理で。

ネットの時代にみんな払わなくなったのは、払わなくても

 

手に入ると思ったからです。それが現状としてあって、

 

なおかつ、それが倫理的に正しいんだというわけの

 

わからないことを言う人がいると、それが正しいんだと

 

みんな思い込む。しつけですよ。しつけが悪い。

 

コンテンツにお金を払うのは当然だ、というしつけを

 

するのが本来の話です。それから、システム的にも

 

コピーをできにくいコンテンツにするシステム的に

 

大事だと思います。 」

とあり、本書を再読した後だったので、とてもショック

 

だったことを覚えております。

 

とはいえ、最初のほうに書いたとおり、本書が賛否両論を

 

含めて世界的な反響を巻き起こした象徴的なエピソードの

 

一つであると思っており、変化の激しい世界を生きるための

 

「羅針盤」となる一冊であることは替わることはないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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