ネガティブじゃないかな?
史上最年少で芥川賞を受賞し、当時の話題をかっさらった綿矢りささんの第3作『夢を与える』を読みました。同じ京都出身で彼女の母校と私の母校が近所であること(最も年代が遥かに離れているし、私の母校はすでに小学校に変わっているのですが)もあり親近感を(勝手に)感じているので『BOOK OFF』に並ぶ前に買っています。今回(ほぼ)失敗に終わった東京遠征の唯一の成果といってもいいでしょう。(それほど沖縄では情報が遅れてやってくるということですが)軽く内容に触れると・・・
(フランス人と日本人の)ハーフの父と年上の母の間に生まれた(クォーターの)夕子が主人公の物語です。、その容姿でCMなどのモデルなどをこなしてきた彼女は周囲の心配をヨソにのびのびと育っていたのだが、芸能界の荒波にもまれるうちにそのピュアな気持ちを失い自我に目覚めて突っ走った時、破滅が訪れるというもの。
一部の人々に酷評されるようにストーリー展開がチープ(確かに先は見えるが)だとは思わないし、細かい表現の部分は成長していると思えるのですが・・・
『どうしてそんなにネガティブなの?』
と言いたくなるほど、前作の『蹴りたい背中』も今回の『夢を与える』も終わり方はハッピーエンドと反対向きな幕引きで(『インストール』はまあまあ納得できる終わり方ですが)ありスッキリしない感があります。もちろんすべての物語がハッピーエンドに終わるわけでは無いと理解できる程度の年齢ではあるのですが・・・
綿矢さん自身が芥川賞の後ストーカー被害にあったり、マスコミに(不必要に)持ち上げられたりで業界に対しての不信感が作品に表れたのかもしれません。
一点だけ良かったと思うことはこのストーリー展開では実写化された時に覚悟のないチープな女優が、ある意味汚れ役ともいえる主演をやることはないだろうな?と思えることです。
デビュー作の『インストール』が映画化されたときは、拾ったパソコンを使いこなし『ネカマ』に成りすます小学生かずよし役に天才子役神木隆之介くんがキャスティングされたのに対して主役はあの幼児体型の出っ歯(上○彩)で本当にがっかりしました。だって
女子高生が学校に行かず、他人の家の押入れの中で制服のまま風俗嬢になりすましてチャットをするという淫靡な設定をどうしてあんな色気のカケラもない女優にさせるのか全く理解できません。
もし実写化するときは原作イメージを壊さない(なんて陳腐な表現だ!)キャストでお願いしますよ。
最後に気になる言葉を本文から引用させていただきます。
夢を与えるとは他人の夢であり続けることなのだ。だから夢を与える側は夢を見てはいけない。
彼女が突然スポットライトを浴びたこと、そしていろいろ恩恵を受ける一方で失ったもの。そういう経験から得た教訓とするならば
あまりにも寂しい言葉だと感じました。。(´д`lll)
