母親の手術費を工面しようと奮闘するなか、ヤクザ組織の抗争に巻き込まれていく孝行息子の物語。
プサンの港町の雰囲気や、母親への孝行心、親友との絆が、どこか日本の昭和の任侠映画や青春ドラマを思わせる仕上がりになってる。
プサンの埠頭で荷受の仕事をしているカン・チョル(ユ・アイン)。
認知症を抱える母キム・スニ(キム・ヘスク)の世話に手を焼きながらも、外の世界へ出て行く夢を持っている。
そんなチョルの前にソウルから旅行に来た、自由人チョ・スジ(チョン・ユミ)が現れたことで、その夢はますます膨らむ。
そんなある日、親友ジョンス(イ・シオン)はスニの手術代を工面しようと詐欺にあい、チョルはお金とジョンスを助ける羽目に陥る。
プサンを取り仕切る組織のボス、キム・サンゴン(キム・ジョンテ)から出された条件は、サンゴンのボス、やがみ(シン・ジョングン)を始末すること。
チョルはサンゴンの提案を受け入れ危険な選択を実行する。
チョルとジョンスの関係が昭和感漂う雰囲気で、どこかやんちゃな臭いがする。
そして切羽詰まった孝行息子のチョルを、ユ・アインがよく演じてる。
徘徊し、バスで見つかったスニと対峙するチョルに対して、乗客が「警察を呼べ」と叫ぶが、チョルの「オモニ」と、スニの「天然」の一言で雰囲気が一変する。
鉄砲玉としてやがみを暗殺するシーンや、カーチェイスも作り込まれてる。
ラストはちょっと出来過ぎ感はあるけど、爽やかな閉じ方なのでこれは”あり”やと思う。
ちなみにタイトルの「カンチョリ」は主人公カン・チョルのことで、チョルが「チョリ」になるのは、日本語でいえば「賢治」を「賢ちゃん」「賢坊」と呼ぶのに似てる。
母スニにとって、チョルはいつまでも可愛い「チョリ」ということ。
今じゃユ・アインを見ることができないが、彼の別な一面が見られる『ベテラン』も良い。
