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三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

ゴールデンウィークは天気が悪いので、どうしようかと思ってたらabemaTVで懐かしい時代劇がやってたので観た。

慶州の名家、崔家に生まれたチェ・グクソンの一生を描いた物語。
慶州崔氏は、朝鮮時代に400年間・12代にわたり万石富を維持し、9代にわたって進士を輩出した名門一族。

壬辰倭乱と丁酉再乱に出征して大きな功績を立て、家門を名門の地位に引き上げたチェ・ジンリプ(キム・ヨンチョル)は孫のチェ・グクソン(チャ・インピョ)に私利私欲を捨て「義」を優先し、「何よりも人が大切だ」という大きな教えを与える。

幼くして父親をなくしたハン・ダニ(ハン・ゴウン)は身分を隠して慶州に避難してきたが、売られそうになるところをジンリプに救われ、崔家の使用人として引き取られる。

キム・ジャチュン(イ・ヒド)は幼いグクソンを誘拐されたように装ったが、ダニの知見により息子キム・ウォンイル(キム・ソンミン)共々崔家を追われることから復讐心を胸に生きることになる。

ジンリプは丙子胡乱で仁祖を守るために出征し、戦死する。この時、副官キム・スンマン(キム・ミョンス)は、のちに全国規模の明火賊の頭目となる。

以後、人に騙されながらも「富とは何か」「名門とは何か」を問いかけながらグクソンは生きていくことになるが、ジャチュンの復讐、ダニの養父チャン・ギルテク(チョン・ドンファン)、捕盜庁従事官に出世したウォンイルが絡んでくる。

物語の後半はグクソンが「周囲100里に飢えて死ぬ者がいないようにする」という伝説の家訓を実践していくことになる。

 

 


 

 

主演のチャ・インピョがしょぼくて損してるけど、良いドラマやと思う。
懐かしい昭和のドラマといった感じで、名優がたくさん出てるし、ストーリーものんびりしていて分かりやすい。

相思相愛の男女の間に違う男が入ってくる、古典的メロドラマの要素ではあるけど、ラブがメインディッシュになる今の作品とは違うので、ストーリーの邪魔にならない。
最後は友情になりハッピーエンドに持っていくが、これって結構大事やと思うな。

ストリー展開もどこかのんびりしていて、じっくり描く。
まぁ、今と違って昔の作品は長編が多いので、今の感覚でいくと観るのにある程度の覚悟がいるが。

そしてもう一つ、女性ヒロインが今のような身長が小さいおもちゃのような存在として扱っていない。
今の作品はキスシーンがメインなので、どうしても男女が並んだり、抱き合った時のビジュアルを重視するので、大柄な男と小柄な女の構図になってしまい陳腐な構図になり、ストーリーを消してしまうように感じて観ないようになった。

個人的にはハン・ダニ役のハン・ゴウンが悪役っぽいとも思ってしまうが、やり手の行首という設定なので仕方ないのかも。

 

 


 

 

これはGyao!の配信で観たけど、朴槿恵が大統領になったことから騒動になったのを覚えてる。
騒動の経緯は、ドラマのモデルとなった慶州崔氏一族と、財閥との繋がり、さらに大統領とつながったという、いかにも韓国らしい話。

サムソングループの創始者である李秉喆氏は「慶州李氏」であり、ドラマのモデルである「慶州崔氏」ではないが、慶州崔氏の精神を非常に尊敬し、自身の経営哲学に取り入れていた。
彼は崔氏の屋敷(慶州教村マウル)を何度も訪れ、その哲学を学んだと言われている。

エンドロールに嶺南大学の話は、慶州崔氏の最後12代目の当主である崔浚氏が、一族の全財産を教育事業に寄付したという話。
1967年、当時の朴正熙大統領が主導し、2大学を統合して「嶺南大学校」を設立した。
この際、大学の運営主体は朴正熙氏の息のかかった財団へと移行し、20代という若さで朴槿恵元大統領が嶺南学院の理事長に就任し、一旦辞任した。

その後、李明博政権下で彼女の影響力が復活し、学内では「朴槿恵による私物化」であるとして、大学側や市民団体から強い反発が起きた。
これが、慶州崔氏の末裔が「先祖が教育のために寄付した財産が、特定政治家の基盤になっている」として不満を抱く大きな要因となった。

 

 


 

 

ここで面白いのが慶州という土地柄。
慶州は「歴史の宝庫」と言われていて、特に「嶺南地方」は戦後韓国の「大統領のゆりかご」とも言われてきた。

朴正熙・朴槿恵親子、第10代大統領の崔圭夏、第17代大統領の李明博、そして現在の李在明大統領もルーツは慶州にある。

さらにもっと面白いのが、ミシルでおなじみ『善徳女王』で知られる徐羅伐(ソラボル)も現在の慶州になる。
現在の韓国の首都は「ソウル」として有名だが、その由来は新羅の首都であった「ソラボル」と言われていて、「大きな村」「王の都」「国家の中心」という意味を持つ。

朴正熙元大統領が慶州を特別視し、佛国寺の再建や観光開発に心血を注いだのも、ソラボル(新羅)が持つ「三国統一の覇気」を自身の政権の正統性に重ね合わせたからだと言われてる。

新羅1000年の都ソラボルが慶州崔氏のような名家を育む土壌となり、現在の政治にも”権力のDNA”として残ってるかもしれない。
脱線してスケールの大きな話になったが、そこに歴史ロマンを感じる。

 

 

 

『名家(ミョンガ)』新羅から続くDNA