邦題がゴミすぎる、懐かしい昭和の匂い漂う、ひょんなことから南にやってきた男二人のドタバタコメディー。
原題は「東海の水と白頭山」、主人公のベクトゥ(白頭)とトンヘ(東海)は朝鮮半島の象徴であり、韓国国歌冒頭の歌詞に由来する。
朝鮮人民軍海軍の将校チェ・ベクトゥ(チョン・ジュノ)と、もうすぐ除隊となる兵士リム・トンヘ(コン・ヒョンジン)、甲板長のリ・プンマン(チョン・ジンギ)は、ゴムボートに乗って酒盛りをして暴風雨に巻き込まれ、南の海岸に流れ着くが、プンマンは早々に送還される。
一方、黙って旅行に来た所長の娘ハン・ナラ(リュ・ヒョンギョン)は、父親の依頼を受けたアン刑事(パク・チョル)とパク刑事(パク・サンウク)に追われる身となる。
ベクトゥとトンヘは北のなまりから朝鮮族と扱われながらも、ナラを巻き込み、帰還作戦を実行する。
純粋で可愛いベクトゥとトンヘは、言ってみれば「浦島太郎」的存在で、裕福なナラは豊かな韓国社会なんだろうけど、ラストは「友として再会を約束する」ハッピーエンド。
浦島太郎のように描いてるけど、馬鹿にしたり見下したしする描写はなく、理解し合える隣人として描いてる。
20年前なので、まだ統一を夢見ていた時代らしい映画に仕上がってるのは微笑ましい。
串焼きを売っていたおばちゃん役はチョン・ギョンスンさんでいいのかな?
たまに見るけど、独特な雰囲気をもってると思う。
ちなみに冒頭で述べた歌詞を直訳すると、
♪ 東海の水と白頭山が
♪ 干上がり、すり減るほどまで
♪ 神が守り給う
♪ ムクゲの花が咲く三千里の国土
♪ 永く守り保とう
要約すると、
「この国と、その国で生きる“大韓の民”としての存在を、永遠に保ち続けよう」という意味になり、植民地支配を強く意識した歌詞になるらしい。
だから本題がいかにふざけてるか、ということになる。
