大人には見えない、子どもたちの世界で起きる超能力バトルを描いた作品。
郊外の団地に引っ越してきたアナ(アルヴァ・ブリンスモ・ラムスタ)とアイダ(ラクエル・レノーラ・フレットゥム)。
姉のアナは重度の自閉症で、言葉を話すことができない。
妹のアイダはアナに対して、大人の見ていないところで足をつねったり、靴に虫を入れたりするが、アナが話せないので母親のアンリエッタ(エレン・ドリト・ピーターセン)は平和なまま。
団地には、テレパシーでアナの心を読み解くことができる少女アイシャ(ミナ・ヤスミン・ブレセット・アシェイム)と、母親(リサ・トネ)の虐待で心に孤独感を抱える少年ベン(アルハサン・ユシフ)がいるが、大人目線では仲良く遊んでるように見える。
ある日、母親の仕打ちに苦しんでいたベンはサイコキネシスに目覚め、やがて他人の心まで操る力を身につける。
アナはアイシャと出会ったことで、他人とテレパシーでつながることができるようになる。
ベンは自分の力がどういうものかも分からないまま、母親に手をかけてしまう。
自分の力に目覚めたベンはその力をアイダやアイシャにも使い、やがてアナと一騎打ちすることになる。
ストーリーの骨格は「無垢ゆえの残酷さ」で、幼いからこその本能のようなものがベースになってる。
親になったら経験があると思うが、歩きはじめた子どもがアリの行列を満面の笑みで踏み潰したり、小さなカエルが飛び跳ねるのを面白がって、また踏み潰す。
だからアイダがアナの足をつねったりするのも、理由はないんだよね。
でも、見られたらアカンというのは大きくなるにつれて覚えていくが、このギャップに親は驚かされる。
アイダとベンの猫への残酷な行いもそうで、遠目に見て仲良く遊んでるようだが、近づいてみるととんでもないことをやっている。
本作は、そんな子どもの無垢ゆえの残酷さに超能力という力を与え、それに立ち向かうのが自閉症で言葉を話せないアナという構図になってる。
ベンの不気味な力に早く気づき、彼を止めようと立ち上がるアイシャだが、敵わない。
そこに割って入るアナだが、アイダは何がどうなってるのかも分からない。
やってることは陰湿で酷いことだが、ギリギリの際どいところで「子ども」の顔がのぞく。
本当に善悪をまったく理解していないなら、隠れてやる必要がない。
でもアイダは大人の見てないところでアナをつねる。
要は、完全に無垢だから残酷なのではなく、「これはやったらアカン」という感覚も少しずつ持ち始めている。
4人の子どもはその境界線上にいる。
そんなギリギリのせめぎあいがヒリヒリしてて、「子どもやし」をどこまで許容できますか? と問いかけてくる話のように思う。
そして、このギリギリのせめぎあいを4人の子どもが見事に表現していて、演技指導も大変やったと思う。
そういう意味でもいい映画やと思う。
