誰の証言が本当で、誰が狂ってるのか。
再現される事件現場と証言の穴を埋めていくホラー・サスペンス。
これは待ちに待ってた作品で、ようやくTSUTAYA DISCASでリリース。
即ポチった。
刃物で刺されたのか、血だらけのハン・ウンソ(キム・ジョンミン)を乗せてソルウォン病院にやって来たユ・ドギョン(チョン・リョウォン)は、ウンソのことを「オンニ(姉)」と呼びながら助けを乞う。
病院に到着した警察官キム・ヒョンジュ(イ・ジョンウン)は、作家だというドギョンの異常な行動や、不自然な様子に違和感を覚える。
ドギョンによると、ウンソは義兄であるチェ・ジョンマン(カン・ジョンウ)に刃物で刺され、命からがら逃げてきたという。
しかし、この病院にはドギョンの実姉ユ・ミギョン(チャン・ジニ)が過去に勤めており、ドギョン自身も統合失調症と診断され、入院していた過去があった。
ドギョンは「ミギョンに殺される」と叫ぶほど精神的に不安定な状態にあり、ミギョンはドギョンの看病のために仕事を辞め、世話をしていたが、最近は彼女を家に置き去りにしていたという。
ヒョンジュはドギョンの証言から彼女の住まいを訪ねるが、そこは豪華なマンションで、ドギョンではなくミギョンが一人で暮らしていた。
しかもミギョンは前日に家を出たまま、連絡がとれなくなっている。
一方、病院ではドギョンが治療中のウンソを「オンニ」と呼び、彼女の身を案じながら必死に会おうとする。
そして目覚めたウンソは、ジョンマンを殺したのはドギョンではなく、姉のミギョンだと証言し、事件はさらに迷路へと迷い込んでいく。
作り的にはワンシチュエーションっぽい感じで、ストーリーは入れ子のような構造で進む。
はじめはドギョンの証言を信じていたが、彼女が病んでいるとわかったあたりから、事件の真相が二転三転する。
ここにヒョンジュや助手の巡査イ・ヨンジェ(イ・フィジョン)の推理も入り込み、メビウスの輪のような堂々巡りが始まる。
ただ、再現映像を見てると明らかに不自然なシーンもあり、ちょっとした一言が場面を切り替えるキーワードになってる。
特に助手のヨンジェの推理が、観る者の気持ちを代弁してる。
明らかにおかしいけど確証がない。
だからだんだんと引き込まれていくが、その場面だけを普通に観たらコメディーのようで、真面目にツッコミたくなるし、思わず笑ってしまうシーンもある。
この幅の広さが逆に事件の解像度を下げ、先を読むことを困難にさせてると思う。
そしてユ・ドギョンを演じるチョン・リョウォンの演技が、モノホンの病人に見えるほど凄まじい。
ハン・ウンソを演じるキム・ジョンミンも負けておらず、ヒョンジュにも父親にまつわる過去のトラウマがあるが、こればかりは彼女を演じるイ・ジョンウンが添え物のように見えるほど、二人の狂気が光ってる。
姉のユ・ミギョンを演じるチャン・ジニがサイコで、同情の余地がないのが作品のキレになってると思うし、チェ・ジョンマン役のカン・ジョンウも、気の毒になるほどのサイコをうまく演じてる。
だからこの4人の演技に迷わされないように観る必要があるが、特にチョン・リョウォンの表情の変化が作品のフックになってる。
ドギョンが書いた『白い車に乗った女』が出てきたあたりから話は絞られてきて、これが二転三転する登場人物の嘘と記憶の迷路の出口なんだが、やっぱり、もうひと捻りあった。
面白かった。
