2004年のアテネオリンピック女子ハンドボール決勝で、デンマークと死闘を繰り広げた韓国チームの人間模様を描いた実話をもとにした物語。
韓国ハンドボール女子代表のレジェンド、ハン・ミスク(ムン・ソリ)は実業団でプレーを続けていたが、会社の意向により廃部が決まる。
夫キュチョル(パク・ウォンサン)は借金を抱えていることからミスクは、スーパーで仕事をするようになる。
アテネオリンピックを控えた韓国女子国家代表は、日本のプロチームで監督として活躍していたキム・ヘギョン(キム・ジョンウン)を、代表チームの監督代行として呼び戻す。
ヘギョンはチームの戦力を補強するため、かつての同僚ソン・ジョンラン(キム・ジヨン)やキーパーのオ・スヒ(チョ・ウンジ)、そしてライバルであったミスクらに声をかけ、チームに呼び戻す。
ヘギョンは、自分たちのスタイルで戦力強化に努めるが、チームの若手から不満を買い、ミスクらベテラン選手との間にも不和が生じる。
見かねた協会はヘギョンを監督代行から更迭し、元スタープレーヤーのアン・スンピル(オム・テウン)を新たに国家代表チームの監督として招聘する。
成績が良ければ監督に、という約束も反故され自尊心が傷ついたヘギョンだが、チームのことを考えミスクの引き止め、自身も日本に帰るに帰れない状況から、選手としてチームに復帰する。
監督としての成功を夢見るスンピルは、科学的なプログラムでトレーニングを進めるが、旧来のトレーニングにこだわるヘギョンらベテランと衝突を引き起こす。
それどころか、ヘギョンとの葛藤からミスクが離れてしまい、代表チームは男子高校生たちとの練習試合でも負けてしまう。
スンピルも焦り、チームは空中分解になりかける。
この状況で、韓国女子ハンドボール代表チームは、世界の頂点を目指してアテネへ向かう。
ゴールはデンマークとの決勝戦で、そこに至るまでのチーム作りがメインストーリーになっている。
どこまで真実かは分からないが、ミスクの夫キュチョル(パク・ウォンサン)は借金取りから逃げるために蒸発してしまう。
試合を控えた前日に、キュチョルが薬物による自殺を図って入院し、一時はミスクは帰国を決意するが、夢を叶えるためにアテネに残り、試合に復帰する。
キュチョルとスンピルは元チームメイトで、ミスクは夫婦揃ってレジェンドという設定。
貧しさのあまり、協会から優勝賞金を前借りできたと思い、チームに復帰したミスク。
練習も含めハンドボールのシーンはあるが、スポ根物というよりは人間ドラマが中心になってる。
さらにミスクを演じるのがムン・ソリということで、全体的なテンポもどこか緩やかな感じがする。
それでもラストのメダルがかかった試合は見ごたえがあった。
劇中「アジュマ、アジュマ」と言われていたが、エンドロールに映る選手たちを見ると、本当におばさんチームだったのがわかる。
だから彼女らにとっては『私たちの生涯最高の瞬間』だったんだろうね。
個人的には一番面白かったのがキム・ジヨン。
20年前の映画にもかかわらず、やってることは『EXIT イグジット』でチョ・ジョンソクの姉役、『エクストリーム・ジョブ』ではリュ・スンニョンの妻役を演じたときのキャラクターそのままで、不思議な感じがした。
この頃には「おばちゃん像」をすでに完成させていて、十八番のキャラクターを持ってる役者さんはやっぱり違う。
ちなみにキム・ヘギョンのモチーフになったのはイム・オギョンで、彼女は1994年に広島イズミ/現・広島メイプルレッズへ移籍し、すぐにヘッドコーチを任され、今は国会議員。
最弱だった2部チームをわずか1年で1部へ昇格させ、その後なんとリーグ8連覇という前代未聞の偉業を達成し、年俸は当時で「億超え」だったらしい。
このあたりは帰りたくても帰れないシーンとしてコミカルに描かれてる。
ラストのデンマーク戦も事実で、だからこそミスクたちの人生模様が余計に気になった。
