10年前に町で起きたロープを使った連続殺人事件「クローブヒッチ」の犯人が自分の父親だと思い、調べはじめる緊張感漂うサスペンス。
ネタバレありのレビューになります。
タイラー(チャーリー・プラマー)は、たまたま父親ドン・バーンサイド(ディラン・マクダーモット)の車にあったSMっぽい写真を見つけたことから、周囲に変態だと噂される。
ドンに不信を感じたタイラーは納屋でさらにおかしなモノを見つける。
一人では無理と判断した彼は、ミステリアスな雰囲気から町で浮いた存在になっているカッシ(マディセン・ベイティ)と協力して真相究明に挑むことになる。
父親のドンは、ボーイスカウトの団長を務め、地域ボランティアにも熱心で、町中の誰もが信頼を寄せる絵に書いたような”完璧な良き父親”。
タイラーもそんな父親を誇りに思い、慕ってる。
この子ども心をドンは利用する。
誰かが納屋に忍び込んだことを察知すると、証拠品を隠す。
タイラーがドンの納屋に忍び込み、異常な監禁道具や、10年前の連続殺人事件「クローブヒッチ」の被害者たちの遺品を見つけたことを知り、弟のルディにすべてを負わせてしまう。
こうしてドンに丸め込まれたタイラーは、母親が「クローブヒッチ」の被害者でもあるカッシと距離を置こうとする。
しかしタイラーは、「真実を知りたいけど、父親も信じたい」というジレンマで心が揺れ動く。
そして現場を押さえられた時も、冷静に淡々とタイラーの心を利用し、逆に息子であるタイラーを殺害しようとする。
尊敬し、慕っていた父親が怪物のサイコパスだと知ってしまった息子の絶望感が強烈で、それでも心のどこかで父親を信じたいと思い、ライフルを渡してしまうタイラーの姿が気の毒でならない。
とにかくドンが冷静沈着なサイコパスで、無駄な演出がないから逆に生々しく映る。
10年間息を潜めていたドンが、何故また事件を引き起こそうとしたのかは、タイラーの行動なのか、それとも家で一人になったから退屈しのぎに女装してて思い出したのかは分からない。
それか女装して、自分をロープで縛り上げて自撮り写真を撮ることで、欲望をコントロールしていたのかもしれない。
タイラーの目の前で証拠品を燃やす、ドンはどんな気持ちで燃やしてたんやろ。とも思うほど、とにかく気持ち悪いおっさん。
この映画が実在のシリアルキラー「BTKキラー(デニス・レイダー)」をモデルにしているらしく、調べてみるとBTKも、実際に十数年のあいだパタリと犯行を止めていた時期があったらしい。
その理由は「社会的な立場を守り、家族と普通に暮らすため」で、ドンそのもの。
だから演出も控えめにして、モデルのBTKを淡々と描いたということかな。
それでも最期は銃声で終わっても良かったと思う。
その方が観てる側としてはスッキリするが、脚本家はそこをわざと外したんやろうな。
