『愛を耕すひと』 | 三匹の忠臣蔵

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日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

社会的な地位・身分や土地なんかよりも、ただ隣にいる人を愛することだけが幸せだと悟った時には遅かった男の物語。

ケーレン(マッツ・ミケルセン)は国王から未開の土地を授かり、開拓に挑戦する。

荒野を開拓するには、労働力(入植者)が必要だが、地域の権力者であるシンケル(シモン・ベンネビヤーグ)の妨害により、誰もケーレンを手伝おうとはしない。

一方、神の教えを広め教会をたてたいと思っていたアントン(グスタフ・リン)は、貧しい人々を救いたいという理想を持っていたところ、シンケルから逃げ出してきたバーバラ(アマンダ・コリン)と夫のヨハネス(モルテン・ヒー・アンデルセン)を、ケーレンの元へ連れていく。

 

これを機にアントンはケーレンと共に行動するようになり、ケーレンは逃げてきた使用人ということで、無給を条件に住まわせる。
しかしヨハネスはシンケルによって連れ戻され、ケーレンの目の前で見せしめとして熱湯で拷問され、殺害される。

ケーレンの納屋から盗みを働いていたロマの少女ムス(メリナ・ハグバーグ)は群れから離れケーレンの元で暮らすことになる。

ムスはケーレンを「小さなお父さん」、バーバラを「お母さん」、アントンを「天使のお父さん」と呼び、仲睦まじく暮らし、開拓の日々を送る。

ようやく国王から開拓の許可が下りるが、シンケルが囚人を使って妨害したことで、ケーレンらは復讐するが、結局ケーレンは囚われてしまう。
この事実を知ったバーバラは、シンケルの屋敷へ乗り込み復讐する。

解放されたケーレンは、かつて復讐の際に入植者らが「南方の娘がいると不吉だ」と言ったことから追い出したムスを迎え、共に暮らすことになり、男爵の身分も得ることになる。

しかしバーバラは終身刑のままで会うことができないまま月日がすぎる。

 

 


 

 

とにかくシンケルがゴミで、土地の所有権を主張し、ケーレンの開拓をありとあらゆる残酷な手段で妨害する。

そしてケーレンが不毛の大地と言われる「ユトランド荒原」の開墾に執念を燃やすのは貴族の称号のためで、そのためにムスを追い出し、これがきっかけでバーバラが家を出る。
しかし、バーバラはケーレンの為に単身乗り込み復讐する。

今さら何をと思うが、ムスを引き取り成人するまで育て上げるが彼女は去っていく。
そうなると、伯爵の称号に何の意味があるのかというシンプルな問いが迫ってきて、彼の人生は何だったんだ!と思う。

共通の目的があったとは言え、唯一の理解者だったアントンも失い、本当はここで気づいて立ち止まるチャンスはあったと思う。

バーバラにしても、シンケルから夫婦揃って凄惨な暴行を受け、命がけで逃げてきたにも関わらず、夫を殺される。
それでも、ケーレンが囚われたことで彼女は自らの手でシンケルへの復讐を果たす。
その決断には壮絶な喪失感が漂う。

そしてムスは捨て子のように追い払われる。

結局、誰も幸せになってない。

ただ、ムスが「なぜロマは嫌われるの?」と聞いた時に、ケーレンが「知らないから怖がってる」と返すと、妙に納得するムスが愛らしく、本当の家族のように映った。
ここまでは救いがあった。

ケーレンの「やっと大事なものに気づいた時には、すべてが手遅れだった」というオチはあまりにも残酷。
二人が馬に乗って去るシーンだけが、唯一の救いとして残り、

仲良く暮らして欲しい...

で終わる。

 

 

 

マッツ・ミケルセン主演「愛を耕すひと」ポスター