『濁流』シーズン2への報告書 | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

尼湯介の乱からはじまる激動の朝鮮時代を舞台に、濁流の時代を必死に生きた普通の人たちの物語。
長くなったので、主なストーリーとキャラクター紹介、京江を巡る争いの始まりシーズン2へ向けての本題予想感想(レビュー) に分けてみた。

主なストーリーとキャラクター紹介

麻浦(マポ)の渡し場を根城に人夫として暮らすチャン・シユル(ロウン)は、どんな理不尽な扱いを受けてもひっそりと暮らしていた。
渡し場では、ワルペ(無法者)が好き放題に渡し賃をピンハネする行為が横行していた。
シユルは、そのガタイの良さから人夫貸しのムドク(パク・ジファン)の目に留まる。

ムドクはかつての人夫仲間だったドクケ(チェ・ヨンウ)を”弾みで”助けたことから、今は縄張りを仕切る厳頭(オムジ)となったドクケの元で、イキりながらもひっそりと暮らしてる。

ある日、手間賃のトラブルからシユルはパン家(ウ・ジヒョン)と乱闘になり、叩きのめす。

ムドクはピンハネがユン家の兄貴(パク・ヒョンス)にバレてしまい、痛い目に遭うが頭領ドクケに救われる。
ドクケは若い者にも無下にされてるムドクを不憫に思い、借金も肩代わりするので身を引き故郷へ帰れと諭す。

しかしムドクは、パン家をぶちのめしたシユルのことを思い出し、行方を追う。
ムドクはシユルの荷物をあさり、手紙からチョン・チョン(パク・ソハム)との秘密を知ってしまう。

シユルは9年前の1583年、国境の村で起きた「尼湯介の乱(ニタンガの乱)」で母親を女真族に殺されたことから、チョンの母に引き取られ共に暮らし、科挙合格を目指していたが、祖母が二度再婚したということで受験資格を失う。

しかも、理由は三代に渡る子孫まで科挙を受けられないという理不尽なものだった。
シユルは怒りに任せて府使に面会を乞うがかなわず、官舎に火を放つがチョンに助けられる。

この日以降チャン・シユルは痕跡を消す。
そしてムドクは、チョンが従事官として捕盗庁に赴任したことから、2人の関係の確証を得る。

 

 

京江を巡る争いの始まり

2人の関係が公になると自分だけではなく、チョンにも累が及ぶことになる。
ムドクは、この手紙を元にシユルを強請り、手元に置くことになる。

一方、チェ商団の座長チェ・ジョンヨプ(ユ・ソンジュ)は、息子テイル(カン・ヒョンソク)が科挙合格の目処も立たず、商売を引き継ぐ器でもないと判断し、娘のチェ・ウン(シン・イェウン)が商人になることを許す。

ある日、渡し場では”急行税”を払ったにも関わらず、商団の積み荷が後回しになるトラブルが発生する。
ウンはカン行首(チョン・ベス)に「それなら自分たちで荷下ろしをす」といい荷を下ろすが、ムドク派の一員としてシユルが現れ、邪魔をされて荷下ろしができなくなってしまう。

これを不服としたウンは司憲府に上訴するが、逆にこれをきっかけに捕盗大長(チョ・ヒョヌ)から目をつけられる。

赴任したチョンは、捕盗庁のずさんな武器管理と士気の低下、何より捕盗庁の従事官イ・ドルゲ(チェ・グィファ)が麻浦のワルペたちを使い、違法な税金を徴収して上納させていることを知ると同時に、彼は渡し場でシユルを探しはじめる。

女真族の元将軍ワン・へ(キム・ドンウォン)は、京江を統一して朝鮮に拠点を構えようと、チェ商団の座長チェ・ジョンヨプ(ユ・ソンジュ)に近づくが、快い返事がもらえず、ワルペの東湖を乗っ取り、これをドルゲが承認する。

ドルゲがワン・へを受け入れたのは、さらに上にいる黒幕(イ・ジェヨン)の指示によるもので、ワルペから上納されたお金もそこに上納していた。

その後、パン家がやられた仕返しにムドクを拉致すると、シユルが救出に現れる。
ここでパン家らと乱闘になるが、勝ち目がなく見かねたドクケが仲裁に入る。
しかしシユルとの一騎打ちになり、このままでは死んでしまうと思ったムドクが、カマでドクケの足を切りつけ。
傷を負ったドクケは京江から姿を消す。

 

 

シーズン2へ向けての本題

ソホ翁主(側室の娘)の叔父、大護軍ユ・テソク(チェ・ウォニョン)は朝鮮を変えようと胸に野望を秘め、商団を通じて朝鮮半島の地図を集めていて、チェ商団の座長チェ・ジョンヨプも協力している。

大護軍は捕盗庁の帳簿の突き合わせで尋ねてきたチョンとは、これがきっかけで縁を持つ。

チョンは大護軍の助言を受けてムドク派のワルペたちを捕まえ、ドルゲを頂点とする汚職の黒幕に迫ろうとする。
しかし、ドルゲがムドクたちを釈放してしまい、逆にチョンが牢獄へ入れられる。

この事実を知った大護軍は捕盗大長に会いチョンは釈放される。
しかし、これによって大護軍の存在が敵に知られることになり、自分が築いたシステムを守ろうとドルゲも気を引き締める。

その裏で、ワン・へはさらに手を広げようと新たに西江を縄張りとして手に入れる。

ジョンヨプは大護軍から地図を集める理由を聞かされ、バラバラだった地図を一つの「朝鮮八道全国地図」にする作成の協力をすることを誓う。

チョンとシユルはワン・へとドルゲを追ううちに、2人を共通の敵と見据え、行動を共にすることにする。

ドルゲが黒幕に、「西人派は倭国が朝鮮を侵略し明を征服する」と言っている、「戦争を口実に何かを企んでる」と報告すると、黒幕は西人派の中心人物である大護軍が、何を企んでいるのかを探るように指示する。
これにより、彼らが「朝鮮八道全国地図」を作っていることが知られてしまう。

ドルゲは地図を奪うようワン・へに指示し、これに気づいた大護軍は地図をチェ・ジョンヨプに託す。
しかしジョンヨプの元にもワン・へらが向かってきたことから、カン行首に地図を託す。

ウンはカン行首と共に江華島に向かい、シユルも京江をあとにするが、遠い山から狼煙が見えて終わる。

 

 

シーズン2の予想

長々と書いて、レビューと言うより「シーズン2」に向けた自分への報告書になってもた。
まぁ、これを読んだらそのままシーズン2に入れるので。

シーズン1を観てまず思ったのは、時代背景そのものが伏線になってるということ。

だから少し整理してみる。

発端は1583年、国境の村で起きた「尼湯介の乱(ニタンガの乱)」。
そして西人派の「倭国が朝鮮を侵略し〜」となるので、1592年の「壬辰倭乱(文禄・慶長の役)」に続くのは容易に想像がつく。

「尼湯介の乱」では後の「壬辰倭乱」で戦うことになる李舜臣(イ・スンシン)や申砬(シン・リプ)、金時敏(キム・シミン)といった名将たちが若い頃に参戦し、経験を積んだ戦いとして知られてる。

さらに朝廷では世子の選定が迫っており、西人派が朝廷を騒がしくしていた。

だから「先手を打って東人派は西人派を潰しておきたい」と黒幕が言っていたことを考えると、宣祖、光海君まで話は広げることができる。

実際にこの10年間を描くとなると、シーズン3まではありそうで、描くストーリーに事欠かない。

そうなると黒幕の後ろにいた女性は「誰や?」になるけど、恐らく光海君を操り朝廷を恐怖に陥れた妖怪・金介屎(キム・ゲシ)やろうね。

 

 

感想(レビュー)

9話を観終えた感想としては、ドラマのトーンが『推奴〜チュノ〜』に似てて、チャン・シユルのキャラクターを演じるロウンがピョン・ヨハンに似てると思った。

実際、はじめはそう思って観てた。
だから全体的に重めで観ていて緊張感があり、見応えがある。

チョン・チョンとチャン・シユルの怒りの原動力は女真族で、チャン・シユルの望みは国に対する功績があれば罪が消えるというもの。

そう考えるとチェ・ウンが商団に拘るのはちょっと弱い。
これは兄のテイルが絡んできてレベルをあげるかも。

あと、マルボクら4人組がワン・へを襲うのはもうちょっとひねったら良かったと思う、あまりにも強引。

一番笑ったのが、「ほっそりした顔立ちで咸鏡道出身の男」これで見つかるんか?とチャン・シユルを探すチョン・チョン。
緊張した展開に一服の清涼剤といったところかな。
チャン・シユルを演じるロウンの強度に対しても弱いし。

これにイ・ジェヨンの正体も温存、イ・スンウォンが出てきたりで、ここからはじまるんやろうな。

漢江は朝鮮時代に漢陽(現在のソウル)を流れる水運の要衝地なので、京江を日本的に言うと京に通じる川みたいな、京都・大阪の淀川(淀から淀君に続く川)みたいな存在だったんだろうか?知らんけど。

濁った京江に飛び込むシーンが何度かあったけど、あれが時代を投影してて、そこに巻き込まれていくというのがタイトルの『濁流』なんやろうね。

個人的に一番良かったのがオ・ギョンファ。
本筋ではないんだが、チャグネからムドクへの言葉が、この作品が本当に言いたいことの様に思えたから。

オ・ギョンファが演じるムドクの妻チャグネの魅力は、ただの恐妻ではない「肝っ玉女房」でありながらも、良き妻としての”業の深さ”にある。

頼りない夫のムドクを、竹ぼうきでバシバシ叩いて激しくお説教する姿は、ホンマもんの夫婦に見えるほどのリアルさを感じる。

絵に描いたようなガサツでたくましい「どん底の妻」だが、その厳しさは夫への深い愛情の裏返しとなってる。
シユルをはじめ、行き場のない荒くれ者たちを温かく迎え入れ、彼らの母親のようにお世話をする、とても情が厚い。

それだけでなく、夫のムドクが麻浦の渡し場の厳頭に上り詰めた時には、彼女がシユルを目の前に座らせて語る、自分の過去の身の上話。

ムドクとのなり染も、貧しい飢饉の時代に姉たちが次々と売られ、自分の番になって両班の奴婢として売られたものの、病で血を吐いたら雪の中にポイ捨てされた。

しかし死にかけていた自分を救い、今日まで「人間」として生かしてくれたのが、他でもない夫のムドクだったという事実を涙ながらに語る。


パク・ジファンともお似合いの”おしどり夫婦”を演じる流石のオ・ギョンファ。
これがシーズン1最高の見せ場だと思う。

 

 

 

朝鮮時代ドラマ「濁流」のメインポスター