『西部戦線1953』 | 三匹の忠臣蔵

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映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

韓国で話題の「タンク(戦車)事態」、しかしタンクといえばこの映画。
ということで再視聴。

朝鮮戦争を舞台に、南北の兵士がお互いの使命を通じて打ち解けていくアクション・ヒューマン映画。

一級秘密文書を、決まった期限までに指定された場所へ届ける任務を授かった伝令隊のヤン・ナムボク(ソル・ギョング)は、任務遂行の途中で敵の襲撃を受け、同僚たちと秘密文書をすべて失ってしまう。

一方、実戦経験のない第369戦車部隊の機関銃射手キム・ヨングァン(ヨ・ジング)は、南へ進軍する途中、爆撃機の機銃掃射によって仲間を失い、一人だけ生き残る。

戦車で一人北へ戻ろうとしていたヨングァンは、偶然ナムボクの秘密文書を手にしたことで対立関係になるが、次第に打ち解け、やがて休戦協定の混乱に巻き込まれていく。

 

 


 

 

基本はナムボクとヨングァンの友情物語なんだが、ここに砲隊大隊長ユ中佐(イ・ギョンヨン)と、その弟でありながら上官でもある連隊長(チョン・ソンファ)との兄弟喧嘩が、サブストーリーとして走る構成になってる。

戦争はどうでもよく、出稼ぎで南に来たら戦争が始まり帰れなくなったので、北に帰るために軍隊に入ったら、北にバレて家族が殺されたユ中佐は帰ることが目的になってる。

「北の方が来た!」と言って北の国旗を振りながら出迎える村人たちの前に、突然、背中に太極旗を差した村のおばちゃん(キム・ソニョン)が現れる。

朝鮮戦争下の“境界の村あるある”をストーリーに絡めながらも、レトロ調の雰囲気のなか、戦闘シーンは意外と凝ってて迫力がある。

ところが、そんな映像に感心していると、今度は戦車が飛行機を追いかけながら、曲がった砲身で尾翼をしばく。

散らかしたままにせず、コミカルさ、泥臭さで引張り、最後は涙に持っていく。
よくもこんな組み合わせを考えたと思う。
そして最後まで一級秘密が何なのかも分からない。

結局、なくしたら銃殺されるからと必死になるが、戦争の不条理さと虚しさの象徴になってる。
必死に守ったものの正体はただの紙切れで、その中身すら知らぬまま死んでいくから。


 

 

 

서부전선 한국 전쟁 포스터, 두 병사

 

 

 

スターバックス・コリア「タンクデー(Tank Day)」とは?

そして今回、この映画を再視聴した理由が、韓国で話題になった「タンク(戦車)事態」。

戦車という言葉から本作を思い出したんだが、韓国では“戦車”や“軍”というモチーフが、今もお民主化運動や国家暴力の記憶と結びついてる。

 

ちなみに邦画には『馬鹿がタンク(戦車)で やってくる』という作品もあった。
韓国では「タンク」で炎上し、この映画では戦車が飛行機を砲身でしばく。
なんかもう、“タンク”という言葉だけでロクなことが起きてない気がする。

 

「タンク(戦車)事態」とは、スターバックス・コリアは5月18日、大容量タンブラーの販促進イベントとして「タンクデー(Tank Day)」というキャンペーンを始めたのがきっかけ。

しかし、これが韓国社会における最大の歴史的タブー「光州事件(5・18民主化運動)」に触れることになり大炎上。

しかも広告ポスターに書かれたキャッチコピーは「『机にタク(Tak!/ドンッ!)』という音とともに、デスクにかっこよく置こう」という文言が添えられていました。

 

これが、1987年に警察の拷問で大学生朴鍾哲(パク・ジョンチョル)さんが死亡した事件の、言い訳として使われた有名な隠蔽のセリフ(「机をドンと叩いたら、ウッと倒れた」)を連想させる確信犯。

 

親会社新世界グループの会長鄭溶鎮(チョン・ヨンジン)が謝罪したが、謝罪になってないと再炎上。

この人は筋金入りのウヨなので、ポーズだけなのは明らか。

 

それにしても、アホなことしたね。

ということで、Amazonプライムビデオで配信されている『1987、ある闘いの真実』のリンクも入れておきます。

問題のシーンは 0:23 あたりから。

 

ちなみに本家本元の作品は『南営洞1985~国家暴力、22日間の記録~』。

こちらはYou tubeで観たことがある。