「キングメーカー」→「KCIA 南山の部長たち」→「ソウルの春」→「タクシー運転手 約束は海を越えて」→「弁護人」→「1987 ある闘いの真実」。
「ソウルの春」の公開により、映画において、軍事独裁政権の始まりと、その終焉の歴史が出揃う事になり、言ってみれば「1987 ある闘いの真実」は最終章、フィナーレの様な作品。
翌年にソウルオリンピックを控えていた1987年。
「朴鍾哲(パク・ジョンチョル)拷問致死事件」から「6・29宣言」を引き出し、全斗煥を権力の座から引きずり降ろした民衆の戦いを描いてます。
史実を絡め、キーとなる登場人物はすべて実在の人をモデルにしていて、右も左もなく全国民が立ち上がった戦い。
韓国は、軍事独裁政権を経たため大統領は不可侵的存在となっていました。
韓国憲法には「主権は国民にあり、全ての権力は国民から生ずる」とありますが、実際に国民がこの権利を得るためには多くの血を流す事になります。
「光州民主化革命」や「6月民主抗争」も、その過程の線上にありました。
「己のためにその権力を振りかざした不法・不当な権力者を逮捕し、正しく処罰する権利」を得るために、韓国の国民は多くの犠牲を払ってきたと言うことです。
メディアに「韓国は大統領は辞めると逮捕されて可哀想」と面白おかしく言う人がいますが、長らく軍事政権で苦しめられた経験から、常に権力者の上に「国民」がいて、大統領職を終えた後にも検証して処罰しているだけです。