Amazonプライムビデオでの邦題は『サラの石油 ~夢を掘り当てた少女~』。
石油発掘でアメリカ最年少の黒人大富豪となった、11歳の少女サラ・レクターの知恵と機転が光る、サクセスドラマを描いた実話の物語。
物語の舞台は オクラホマ州。
人種隔離政策である“ジム・クロウ法”が根強く残る1913年、先住民クリーク族への土地割り当て政策により、奴隷とされた先祖への償いとして、サラ・レクターに160エーカーの土地が与えられる。
両親も解放奴隷ということで土地を受け取ることになる。
サラは読み書きができる利発な少女だが、受け取った土地は「岩だらけで無価値」言われており、どう使えばいいか分からない。
父親のジョー(ケンリック・グリーン)は、税金も払えないためこの無価値な土地を売ろうとするが、サラは“土地の囁き”を聞き、億万長者の夢を見る。
ジョーは「石油が出る土地をくれると思うか」と、サラを諭すが彼女は聞く耳を持たない。
現実を教えようとジョーはサラを連れて石油業者を訪ねるが、誰も取り合わない。
そんな中、「パン・オーキー石油」だけは話を聞き、契約を結ぶことになる。
しかし、オーナーのデヴナン(ギャレット・ディラハント)は、採掘してたた3か月で”空井戸”だと採掘を放棄し、土地を返すという。
それどころか「撤去に費用がかかる」と、機材も”贈り物だ”とそのまま置いていく。
ところが、土地の権利書を奪おうと暴徒がサラの家を襲撃する。
愛犬ブルーは銃で撃たれて行方不明となり、ブルーを探してさまよっていたサラは、以前レモネードを奢ってくれたバート・スミス(ザカリー・リーヴァイ)と偶然再会する。
スミスは利発なサラに心を動かされ、採掘への協力を始める。
しかし、土地の利権を狙うデヴナンは、執拗にサラ一家を追い詰めていく。
実話ベースの物語にも関わらず、重苦しくなりすぎず、テンポも良く、しかも爽やかで面白かった。
サラが社交的で、相棒のスミスも“斜め上にいきそうでいかない”どこか迷ってそうな、不器用な正義感が面白かった。
デヴナンの「撤去に費用がかかるから機材を贈り物としてそのまま置いていく」というのも嘘っぱちで、彼は石油が出ると確信しており、サラの土地を安く買い叩くためにわざと諦めたフリをしたのもミエミエ。
まぁ、この強欲ぶりがエンタメとして物語を大いに盛り上げているんやけどね。
そして、この映画のMVPは母親のローズ(ソネクア・マーティン=グリーン)。
彼女が凛としてて、社交的でバイタリティに溢れるサラの源泉はここなんだ、というのがよく分かる。
結局、ローズの「相手と違って、私たちには誇りがある」という言葉が、この作品のすべてだった気がする。
どれだけ理不尽な扱いを受けても、自分たちのルーツや誇りを失わない。
国から不毛な土地を与えられ、どれほど不条理な目に遭おうとも、先住民としての誇りを忘れずに生きてきた。
その気高い魂が、そっくりそのままサラへと引き継がれてる。
そして、いざという時に「クリークに逃げろ」と子どもを送り出す。
コミュニティの絆でサラ姉弟を命がけで守ろうとするクリークの人々の姿にも、彼らが紡いできた誇りと歴史の重みをしっかり描いてる。
母ローズを演じたソネクア・マーティン=グリーンの表情と演技がめっちゃ上手い。
怒鳴ったり泣き叫んだりせず、ちょっとした目線とか間で、「この人、ずっと耐えて生きてきたんやな」ってのを分からせる。
スミスの相棒メイス(メル・ロドリゲス)はすこし残念やった。
たぶん、この人がスミスの“バランサー”として寄り添う役だったんだろうに、何もあそこで死なんでも。
……と、良い作品にも関わらず、「さぁ、これから仕上げ!」というタイミングで字幕が狂う。
字幕が先に出てる、それも絶妙のタイミングなので、何が起こったのかしばらく分からんかった。
冒頭も字幕にタグが混じってて酷い。
Amazon Prime Videoも、お金を取って配信するなら、これはちゃんと直して欲しいな。
