『ウォーフェア 戦地最前線』を見に行く予定なので、予習として再視聴。
今なお記憶に新しい“大量破壊兵器の保持”を理由にイラク戦争に突き進むジョージ・W・ブッシュ政権の嘘を暴き、真実を追い求める新聞記者たちの闘いを描いた物語。
この作品が凄いのは、登場人物の多くが実名で描かれ、証言に合わせて実際の映像を使用し、ドキュメンタリーに近い手法を取っているところ。
政権中枢にいた現場の人々は、初めから誰が仕組んでる嘘かを知っていた。
だから積極的に情報をリークした。
戦争が近づくと、「困難なときこそアメリカ国民は一致団結する」というプロパガンダが流れ、全米で国旗が売れ、社会は愛国心に満ちあふれていく。
学校ではアメリカの偉大さが教え込まれる。
まるで、真冬の選挙を控えた極東の島国の今と同じ。
ジョナサン・ランデー(ウディ・ハレルソン)とウォーレン・ストロベル(ジェームズ・マースデン)が、ペンタゴンの近東・南アジア課の女性分析官から話を聞くシーンで、彼女は「彼らのやってることが許せないから話す」という。
軍務経験のない人間が、偽の情報を基に意思決定を行い、その決定が兵士の命を左右する。
結論が先にあり、それに都合のいい情報だけが集められる。
そして、その黒幕がラムズフェルド。
ここでイスラエルの名前が出てくるのも、今も変わってないが、結局、真犯人がいるのではなく、「戦争を始めたい」という欲望に沿った情報だけが集められる。
この後、パウエルが国連で演説するんだが、当時は毎日のようにこの2人とブッシュの顔がテレビに出てた。
日本もこの嘘に片足どころか、しっかりと踏み込んだ、小泉純一郎な。
コイツの国会答弁もふざけたもので、ブッシュ大統領に招待されたキャンプデービッド(米大統領専用別荘)でのエルビス・プレスリーはピエロそのもの。
高市早苗が米軍基地でトランプの横に立ち「イェ〜イ!」と同じくらい酷かった。
と、物議を醸した嘘の戦争だが、「大量破壊兵器」だけではなく、「ナイラの証言」もあった。
この頃から、アメリカだけではなく「西側」と呼ばれる国々にも正義など存在しないことが、世界に知られるようになったと思う。
そして今のアメリカは、嘘で飾ることすらやめ、本性をむき出しにして欲望を隠さなくなった。
記者たちは、戦争を止められなくても、嘘が事実として固定されることだけは拒み、彼らが守ったのは国家ではなく、国家が嘘をついたという記録だったのではないかな。
これは忘れてはいけないと思う。


