田中絹代だから描けた『楢山節考』 | 三匹の忠臣蔵

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親捨て物語、たまたま見つけた。
今村昌平監督の作品は過去に観てるけど、全く違う作品。
映画というより舞台、歌舞伎っぽいね。

何か東海道四谷怪談のような雰囲気で、これは時代なんやろうな。
食い扶持を減らすのに親を捨てるわけだが、この葛藤がよく描かれていると思う。

老婆を演じた田中絹代の歯がとてもグロテスクなんだが、これは本当に歯医者で前歯を全部抜いて演じてるんやよね。

田中絹代の顔がきれいで可愛いく、高橋貞二の演技と相まって、親を捨てに行くという残酷な話が悲しい話に仕上がっている。

1983年版では坂本スミ子も同じように歯を抜いてたはずで、この作品は左とん平が清川虹子に「前張りなんかしませんよね?」と約束したのに大人のおむつほど大きい前張りをやってたってのを覚えてる。

親を捨てに行かなくても自分で行けばいいのではないか?と、この頃にテレビで誰かが言っていたのを覚えてるが、田中絹代のおりんを観るとそんな言葉は出ないのではないかな?

最後の「おばすて」はシュールやね。

 

 

楢山節考ポスター:親を背負う男性と老婆