仏教の戒律と人間の欲望が激突するが、やっぱり欲望には勝てなかったという「破戒」を描いた地味な映画。
原題は「粉々に砕け散った名前よ」で、こっちの方がしっくりくる。
修行僧のチメ(チェ・ジニョン)は、高齢の老師ボビョン(チャン・イナン)の身の回りの世話をしているが、ある日、尼僧ミョフン(キム・グミョン)に一目惚れしてしまう。
風来坊のようなムブル(チョン・ムソン)がふらっと現れ、修行の戒律を説いてそのまま死んでしまう。
自分の死を悟ったボビョンは、ミョフンの裸が見たいと言い、見てから悟りの境地へと旅立つ。
伝えたいことは分かるけど、もっと違う伝え方があっても良かったと思う。
なんで裸やねんって。
終わりのミョフンを見ていると、女身の裸体を見るのが戒律を破るということは「破戒こそが悟りへの道」とも受け取れる。
彼が5歳で出家して、70になるまで裸体を見たことがないというのは、裸体を見ないこと自体が修行と言うことになる、なんかよう分からん。
崇高な人は何かしら戒律を破ってるわけで、それこそ「粉々に砕け散る?」ということなら、結局、最後は人間臭さが勝つということになる。
まぁ、裸体は象徴なんだろうけど。
