昭和芸能界の香り漂うがエロではない『エマ』 | 三匹の忠臣蔵

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1980年代に一世を風靡した成人映画「愛麻夫人」を題材にし、当時の映画界を描くが、登場人物は異なる設定になっている。
ストーリーは昭和の芸能界を舞台にしたような、ノスタルジーが漂う作品。

元作は性的抑圧からの女性の解放を描いているのに対し、本作は搾取され虐げられた女優たちが連帯し、告発する姿を通じて、政治的抑圧からの解放を描いている。
韓国の市民運動の始まりは女性で、その中心にはいつも女性がいたと言われるが、こういったことも理由の一つなんやろうね。

さて、ストーリー以前に何と言ってもイ・ハニが良かった。表情が最高で、見る度に力をつけてる印象。パン・ヒョリンが何度もイ・ジョンヒョンに見えたが乗馬シーンも良かった。

さらに、マネージャーの「ヌナ!ヌナ!」というセリフには笑ってしまった。関係性からすると、まさに姉御と呼ぶのにふさわしい間柄やもんね。

はじめはテンポもよく、笑えるシーンもあり、単なるエロ・コメディーかと思っていたら違う方向というか、「そういうことやったん?」という方向に進んでいく。

ラストも韓国らしいというか、”戦い勝ち取った”のコンテキスト。これはひとつのパッケージやろうね。

性の上納はフジテレビ事件でも明らかになったが、日本では絶対に作れないドラマやろね。直近ではジャニーズとネタは豊富やのに、もったいない。

売れっ子の女性歌手が突然姿を消し、ソープランドで目撃されたり、突然ポルノ映画を撮ったりといった出来事は、昭和の芸能界でもあった。また、井筒和幸監督の「パッチギ!LOVE&PEACE」でも性の上納が描かれている。

日本ではAV女優が普通にテレビやバラエティーに出てるが、韓国では今でも難しいらしい。