カトリック教会の最高指導者を選出する「コンクラーベ」を描いたミステリー。
ミステリーゆえに、登場人物の動向を追うことになる。
ローレンス首席枢機卿(レイフ・ファインズ)「コンクラーベ」を執り仕切る主人公。
ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)は次期教皇の本命。
トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)は教皇に最後に会って解任されていた。不正行為でクビだと教皇から聞かされたが、解任理由は明かされていない。 後で明らかになると言って教皇は亡くなった。
ベニテス枢機卿(カルロス・ディエス)が突如、完全な手続きに則り「秘密裏」に枢機卿として加わる。
改ざんがあったのか、真実は故教皇のみぞ知る。
アデイエミ枢機卿(ルシアン・ムサマティ)、テデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット)の二人は教皇候補の最右翼。
この他にシスター・アグネス(イザベラ・ロッセリーニ)修道女のリーダーがいるが、イザベラ・ロッセリーニの演技に息を呑むことになる。
【投票経過】
一回目の投票で
アデイエミ枢機卿(ルシアン・ムサマティ)21票
テデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット)18票
ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)17票
トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)16票
ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)5票
その他、揺れている31票が標的に
72票に誰も達しなかったため、翌日に持ち越される。
トータルは108票。
メディアがベニテス枢機卿に注目。
モンシニョールの報告書があり、処分されたとされる。
二回目の投票で
アデイエミ枢機卿(ルシアン・ムサマティ)34票
テデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット)25票
ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)18票
トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)16票
ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)9票
ベニテス枢機卿(カルロス・ディエス)2票
その他、4票になる。
ここに来てベニテスが急遽出現する。
三回目の投票で
アデイエミ枢機卿(ルシアン・ムサマティ)52票
テデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット)30票
ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)9票
トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)10票
ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)5票
ベニテス枢機卿(カルロス・ディエス)4票
票の流れを読むのも面白いんだが、何故か票が2票多く総数が合わない。
とは言え、アデイエミの票はどこへいくのか?が次の焦点になる。
突然、五回目の投票で
アデイエミ枢機卿(ルシアン・ムサマティ)9票
テデスコ枢機卿(セルジオ・カステリット)34票
ベリーニ枢機卿(スタンリー・トゥッチ)13票
トランブレ枢機卿(ジョン・リスゴー)40票
ローレンス枢機卿(レイフ・ファインズ)11票
ベニテス枢機卿(カルロス・ディエス)6票
アデイエミが減らした票の数が合わないが、一番得をしたのがテデスコ。
しかしテデスコにショヌーミのことが明るみに出てしまう。
次のシーンでの会話、「我々は理想に仕えていて思想ではない。傷のない人間なんていない。」
この会話がすべてで、ここまで見ていて思ったのが、やってることは権力闘争と、そのための秘密の暴露で、至って下世話な話。
教皇選びも閉ざされた組織の中の仕組みで上がってきた人の選択選挙。
そして選ばれた教皇は信者たちにより社会的地位を与えられる。
部外者からするとどうでもいい。教皇といっても特になにも思わない。
トップ争いはどの組織でもやっていて、そこには理念はない。
と思っていたらベニテスが代弁してくれた。
これでトップが選ばれてハッピーエンドかと思ったが、まだ時間はあるので、「まだあるだろう?」と思ったら、あったが、ちょっと物足らないラストやったかな。
やっぱり「福音」という単語が出てくるが、あまりいいイメージはない。
公開されたのが、つい最近の作品。
こんなのやられると映画館はアガったりやろ、とは思うが、日に二本はVODのお世話になってるので、ありがたいことではある。
これから映画作りはますます大変になるやろうな。
見る方もこの作品は”映画館に足を運んでまで”の吟味が必要やね。
共感とアリバイが欲しいもんね。
