もう40年ほど前になるけど、関西・大阪の毎日放送 → MBSラジオに「ありがとう浜村淳です」という番組があった。
月~金/AM8:00~10:00、土/AM8:00~11:00の放送。
メインパーソナリティは浜村淳、アシスタントが鈴木美智子。
朝のラジオ番組ではダントツの人気を誇り、私も毎朝聞いていた。
この頃の大阪のラジオ界に君臨していたのが「ダブル美智子」、つまり鈴木美智子と浅川美智子。
この二人に小山乃里子を加えた三人を「ビッグスリー」と呼んでいたが、ビッグには「ブス」という意味も込められており、本人たちも含めてネタとして楽しんでいた。
ブサイクすぎてテレビにでてないという意味で、モザイクトリオとも言われていた。
浜村淳も番組中に鈴木美智子の「ブスネタ」をよく使っていて、定番のやりとりでもあった。
このネタの返しとして鈴木が使っていたのが「自分の才能を子どもの犠牲にしたくないから結婚しない」というもの。
それに対して浜村淳が「では結婚しない独身の人から税金を取ろう」と言っていた。
当時も将来の少子化の話題は珍しくなく、浜村淳は「そのうち町内で子どもを見たことが話の種になる」と言ったり、「おい、今日、子ども見たで!」「あっちの方向に子どもが逃げていった!」とよく話していた。
今では信じられないが、昭和の頃は人の見た目をいじるのが立派なネタの一つになっていた。
鈴木美智子が「自分の才能を盾に結婚しない」と言うと、「あなたが結婚できないのはブサイクだから」と返し「働けなくなったら年金のお世話になる」とも。
すると鈴木は「働いているうちに税金をいっぱい納めます」と言い、浜村は「高齢者は今の若い人たちが働くことで支えられている」「あなたが結婚せず子供を産まなかったら、あなたが年を取った時に支える子どもがいない」と続ける。
それなら独身者から税金を取ったらどうか――「独身税」と言っていたわけ。
お笑いネタから入り、意外とシビアな話に持っていく――これがこの番組の人気の秘密でもあった。
ちなみに、中島みゆきや松山千春も「不細工だったからテレビに出なかった」というのが定説になっていた。
これを覆したのが谷村新司でもある。
