今年の夏に731部隊の映画が公開されるということもありSNSでしきりに話題になってる映画。
タイトルから分かるように、日本帝国陸軍に存在した731部隊を描いた作品。
人間をただの実験材料にしか見ず、実験が終わると燃やすので「丸太(マルタ)」と呼び、人間をモノ以下に扱った日本人の所業が克明に描かれている。
未だに731部隊の存在を否定するアダルトマン将軍(I am a Japanese general adult man)がいるのには驚くばかり。
シリーズになっているのか定かではないが、時系列的には以下のようになっている。
監督 ムー・トンフェイ 脚本 ムー・トンフェイ
黒い太陽七三一 戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌 (1988)
監督 ゴッドフリー・ホー 脚本 サイモン・フォン
黒い太陽七三一II 殺人工場 悪魔の生体実験室 (1992)
黒い太陽七三一III 死亡列車 石井細菌部隊の最期 (1993)
そして本作は二作品目となる。
字幕からすると佐川、秋山と言ってるんだろうが私には朝鮮人に聞こえるので調べてみると、恐らく「同志(トンヂー)= 同じ志や目標を持つ者同士に対する敬称」と言ってるらしい。
冒頭の標本を作るシーンが生々しくてえげつない、タイトルの「殺人工場」とはよく言い当てていると思う。
ああいうことができた思考回路は到底人間とは思えない。
この映画のいいところは、単なるプロパガンダ映画ではなく、日本人にも良心があったことを描いているところだと思う。
飯田の目を通して中国人、ソ連人、朝鮮人がただただ実験材料として消費されていく様を描いているが、彼は目の前で死んでいくマルタを人間と認識していて夢にうなされ、良心や葛藤も描かれている点に僅かな救いがある。
解剖シーンで使ってる標本というか、サンプルどうしたんだろうと思ったら、どうやら本物の献体を使ったらしい。通りで生々しいわけや。
日の丸や君が代も描かれていて、これを二本は今もそのまま使っているが、中国人からしたら痛みの歴史しかない。これは日本人は理解すべきだと思う。
戦後、このデータをアメリカが欲しがったというのは有名な話で、731部隊の生き残りの犯行と言われている「帝銀事件」、そして「九州大学生体解剖事件」のその後の不可解さは映画として残されている。