サラの鍵を観た。
夫と娘とともにパリに暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)。
45歳で待望の妊娠を、しかし報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女はある日、自分たちのアパートのかつての住人が1942年にフランス当局によるユダヤ人迫害事件によってアウシュビッツに送られたユダヤ人家族だったことを知る。
フランス警察による一斉検挙の朝、10歳の長女サラは弟を守るため、弟を納戸にかくまい鍵をかける。
すぐに戻れると思っていたサラだったが多数のユダヤ人たちとともにすし詰めの競輪場に隔離された末、両親とも引き離され収容所へと送られてしまう。
強制収容所へ送られたサラは弟の元に戻る為、収容所を脱走する。サラが村の老夫婦にかくまわれ、やっとの思いでパリのアパートへ帰り納戸を開ける…。
成長したサラはニューヨークに渡り結婚して息子を設けるが、自らがユダヤ人であることは隠し続けた。
戦時中の物語と現代のパリの物語が交互に進んでいく、光と影というかこのバランスが絶妙。
自分がユダヤ人であることも知らないサラの息子に命をつなぐラスト。悲しい映画なのに何故か安心感が。
これはお勧め。