複雑な人間関係と国際諜報戦のリアルな駆け引きが見どころの渋いスパイ・サスペンス映画、良かった。
ギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)はイギリスのスパイで、イルナ・フライ(ニーナ・ホス)はバッハマンの同僚。
CIAベルリン支局長マーサ・サリヴァン(ロビン・ライト)と協力して国際指名手配犯イッサ・カルポフ(グリゴリー・ドブリギン)を追うことにする。
イッサはドイツでの保護を弁護士アナベル・リヒター(レイチェル・マクアダムス)に求める。
彼はアナベルにロシアで拷問されたこと、父親グリゴリー・カルポフの遺産を受け取っていることを彼女に告げ協力を求めメモの存在を明らかにする。
メモには銀行家トミー・ブルー(ウィレム・デフォー)の父親とイッサの父親が知り合いだったことが記載されている。
父グリゴリーが残した莫大な遺産を悪の金といいイッサは手放すことを考えている。
バッハマンはアナベルに接触し、ブルーにはイルナがついていて情報は筒抜け。そしてバッハマンがブルーに直接会い協力を求める。
イッサの父グリゴリー・カルポフは1986年チェチェン駐在時代に犯罪組織に関与し、麻薬や武器、人身売買にも関与していて2年前に死亡している。イッサは1986年生まれで母親は消息不明。
バッハマンはブルーにイッサに金を渡すように指示し、この財産を寄付することでハッピーエンドのはずが最後は、ってストーリー。
金には興味はないというイッサのセリフを引き出したアナベルは彼を愛してたのか、そのアナベルを口説くようなシーンがあったが笑ってしまった。
イッサとアナベルとの間にも微妙な空気が流れるが、無駄なチューもなく品質維持。
最後まで緊張感ある展開で面白かった。
キャストの皆さん上出来の演技で満足度高。
特にウィレム・デフォーの貫禄の演技は言う事なし。
フィリップ・シーモア・ホフマンもバッハマンの苦悩と孤独、信念の強さを圧倒的な説得力で演じていて、遺作にふさわしい流石の存在感を残してると思う。