黄真伊の生涯を描いたチェ・イノ原作小説の映画化、ペ・チャンホ監督による作品。
内容は両班の娘真伊(チャン・ミヒ)と靴職人トッポ(アン・ソンギ)の身分差を超えたラブストーリーといったところ。
1986年作だからか音声が悪い、吟の持つ繊細な感情表現が、音声の質のせいで十分に伝わってこないのが残念。
しかし、韓国の古い作品特有の情緒ある画作りと空気感は十分に感じられる。特に、真伊が岩場で歌を歌うシーンは、自然の風景と彼女の美しい歌声が調和し、心に染み入るような美しさが伝わってくる。
真伊も様々な作品で描かれ、その生涯に多くの解釈が加えられてきたと思うけど、この作品は過剰な演出もなく落ち着いた感じに仕上がってる。
しかし、役作りであそこまで憔悴しきった様子を表現できるのか?
これで黄真伊3作目で、言葉では表現しきれないほどこの作品が一番良かった。
この作品には関係ないが、これまでみてきた中でキム・サンギョン主演ドラマ「大王世宗」で、妓生役のチャン・ガヒョンが吟うシーンがあるんだが、あれこそが本来の妓生の姿なのではないかと感じた。