元は実存人物であるオム・ボクドンを主人公とした低予算映画だったものが、巨額の資本が投下されたことで何が言いたい作品なのかがボケてしまい興行的に失敗した作品。
出演俳優は体作り役作りをしっかりしていてカメラワークも良かったが、CGが陳腐でギャップを感じずにはいられない。
独立運動と自転車レース、この二つの内容を無理やり合わせた感じで、脚本に無理があり残念。
どうもキム・ユソン監督がいろんな圧力を受け追放されたのか自主降板し、残りの制作スタッフがスケジュール優先で撮影したらしい。
登場人物の行動が機械的で一貫性がなく、キャラクターの行動に矛盾があり全体的に雑な感じもする。
自転車レースのシーンにも迫力がなく、技術的な要素も欠如していて、レースのスピード感を表現できていない。
自転車乗りとして言わせてもらうと、ここ一番ではサドルから浮いたり浮かしたりはするけど、憶測や想像だけど専門家の助言を受けなかったのではないかな。
日本軍含め日本語が適当で演出、脚本、台詞が粗く、俳優たちの演技も不自然な感じが否めない。
ムン・ヒョンシンがカン・ソラとはパッと見気づかんかった。
イ・ジョンヒョンがミスターサンシャインに続き同じキャラ設定、パク・チンジュは珍しく存在感あったね。
「敗北感を植え付ける」はその通りで、戦時中に橋本忍が国威発揚のために映画を作れと言われ、フルカラーのアメリカ映画を見た時に「勝てっこないと思った」というエピソードを思い出した。