「英語はAIが翻訳してくれるから、もう勉強しなくてもいい。」
そんな意見を聞くことがあります。
確かに、AIはとても優秀です。
英語の論文を日本語に翻訳することも、海外へのメールを数秒で作成することもできます。私自身も、日々の仕事でAIを活用しています。
AIの翻訳は100%正しいとは限らない
しかし、AIが出力した文章は、100%正しいとは限りません。
一見自然な日本語でも、本来の意味が少しずれていることがあります。英語のメールでも、文法は正しくても、相手に誤解を与える表現になっていることがあります。
特に科学や技術の分野では、用語の選び方や文のかかり方が少し違うだけで、内容が大きく変わることもあります。
そのため、AIが作った文章をそのまま使うのではなく、内容が正しいか、意図が正確に伝わっているかを確認することが必要です。
これから必要なのは「修正できる力」
これから求められるのは、すべての英文をゼロから自力で書く力だけではありません。
AIが作った英語や日本語を読み、内容を理解し、必要に応じて修正できる力です。
どこが不自然なのか。
元の意味とずれていないか。
相手に誤解される表現になっていないか。
こうしたことを判断するためには、英語の基本的な語彙や文の構造を、自分自身が理解している必要があります。
AIを上手に使うためにも、英語力は必要なのです。
科学技術英語の構文は意外にシンプル
STEAM ENGLISHでは、科学や技術を題材に英語を学びます。
科学技術英語には、できるだけ曖昧さを避け、事実を正確に伝えるという特徴があります。
そのため、使われる文法や表現は、意外なほどシンプルです。
例えば、
「温度が上がった」
「二つの結果を比較した」
「水を加えると色が変わった」
「この結果から、〇〇であることが分かった」
といった内容は、基本的な単語と構文で表すことができます。
難しい言い回しをたくさん覚えなくても、観察したこと、起きた変化、その理由を順序立てて伝えることができます。
基本構文が「聞く・話す」の土台になる
科学技術英語で使われる基本構文が身につくと、「英語を聞く」「英語を話す」ということへの障壁も、案外低くなります。
英会話では、流暢さや発音ばかりが注目されがちです。
しかし、実際に大切なのは、何が起きたのか、自分はどう考えたのかを、簡潔な文で相手に伝えることです。
基本的な構文を知っていれば、相手の説明の要点をつかみやすくなります。また、自分の考えを短い文に分けて話すこともできるようになります。
科学技術英語は、読むため、書くためだけの英語ではありません。
聞く力や話す力を支える土台にもなるのです。
英語のゴールは「資格」ではなく「伝えること」
もちろん、英検やTOEICなどの資格には大きな価値があります。
しかし、資格を取得することはゴールではありません。
例えば、将来、技術者や研究者、あるいはメーカーで製品開発に携わる社会人になったとき、本当に求められるのは、自分が開発した技術や製品を、自分の言葉で英語で説明できる力です。
「この製品はどのような仕組みなのか。」
「なぜこの材料を選んだのか。」
「実験ではどのような結果が得られたのか。」
「この技術にはどんな特徴があるのか。」
こうした内容を、相手に分かりやすく、論理的に伝えられることが、実社会では何より重要になります。
その土台となるのが、科学技術英語で使われる基本的な語彙や構文なのです。
AI時代だからこそ、自分の言葉で伝える力を
AIは、これからますます進化していくでしょう。
英語を使う場面でも、AIに助けてもらう機会はさらに増えていくはずです。
だからこそ、人に求められるのは、AIの答えをそのまま受け入れることではありません。
内容を確認し、誤りに気づき、自分の意図に合わせて修正し、最終的には自分の言葉として相手に伝える力です。
STEAM ENGLISHが目指しているのは、その土台となる英語力です。
英語を暗記科目として学ぶのではなく、考え、判断し、説明するための道具として身につけること。
AI時代だからこそ、「英語ができる人」とは、難しい単語をたくさん知っている人ではありません。
自分の専門や経験を、自分の言葉で世界に伝えられる人。
そんな英語力を育てることが、STEAM ENGLISHの目標です。