音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -63ページ目

 

 

 

 

10/11

第1位を獲得された瀧本さんの演奏について書いた記事が、全部消えてしまって、すごくショック・・・。どないしよう・・・。めっちゃ一杯書いたのに・・・・・・。

彼女が本選で吹かれた、デュティユーの「ソナチネ」の譜面、昨日買いました。演奏が素晴らしく良かったので、つい購入。近々、追記します。

 

10/8

この週末・土日の2日間で、「第5回 三田ユネスコ・フルートコンクール」の、一般部門・第3次予選と本選を聴きに伺いました。

お聴きした感想等は、気が向けば、追って記事にして行きたいと思います。

 

予選の成績・評価を、本選の評価に持ち上げないと言う前提で、本選の結果は、私のジャッジとほぼイコール(第3位がもうおひとりおられても良かったかな・・・)でした。

第1位になられた瀧本実里さん、本選では文句なしの出来でした。選曲・演奏順も良く考え抜かれていて、最初の出番でしたが、もうお腹一杯にさせて頂きました。彼女の後に吹かれる方には、少しお気の毒に思う程、素晴らしい演奏でしたね。持参した楽譜にサイン頂くお約束でしたが、忘れられてしまいました・・・。残念。

第3次予選の演奏が瀧本さんと並ぶ評価だった石原小春さん、本選では幾分力んでしまわれたのか、思われたような音が出て来ず、選曲や吹かれる曲の演奏順も含め今ひとつの印象で、第3位と言う結果に終わりました。

一方、第3次予選で、上で書かせて頂いたお二人にほんの少し及ばないと思った東佳音さんですが、本選では特に積極的な表現が素晴らしく、第2位と言う結果に。最後に吹かれた曲の選び方によっては、瀧本さんに並んでいたかも知れません・・。

本選に進めなかった方の中に、本選でもお聴きしてみたいと言う方がいらっしゃいました。それらを含め、気が向いたら追記させて頂きますね。

 

このコンクール、本選は全て自由曲(1曲以上の現代曲を含む)と言うことで、コンテスタントの音楽的な素養や趣味・考え方などが良く窺い知れ、大変興味深かったですね。

 

ともかく、ご入賞された皆さん、おめでとうございました。

東京での大学生時代(もう30年以上前・・・)、いろんな場所でいろんな曲(ハイドン/弦楽四重奏曲「皇帝」・・・私はその時ヴィオラを弾いていたことを思い出しました。マーラー/交響曲第9番・・・1stヴァイオリン6人・2ndヴァイオリン5人など少人数の音楽好きの仲間達と、24年前極寒のクリスマス・イヴに兼松講堂でストーブ焚いて演奏した素晴らしい経験・・・などなど数えきれない)を、もう本当にたくさん一緒に弾き合った、とてもとても親しかった友人が、大阪でライヴをすることを、ひょんなことから知り、懐かしさ一杯の気持ちを抱きながら、聴きに出かけました。

 

猪子(旧姓:太田・・・「オーメン」)恵、私の自慢の、素晴らしいヴァイオリニストです。

彼女の公式サイト → http://www5a.biglobe.ne.jp/~mimi_/

CDも出しています。ぜひ聴いてみて下さい。

とてもパワフルなのに、実に繊細な音楽。この日は素晴らしいメンバーに囲まれ、スリリングで親密なセッションをお聴き出来ました。

 

PAC(兵庫芸術文化センター管弦楽団)で、この8月までご活躍されていたヴァイオリンの猪子奈美さんは、彼女のとても近い親戚で、奈美さんのお父様と私は、もうかれこれ20年来の長年の友人になります。(奈美さんは海外に留学されましたが、無事に勉学を終えられ、ご帰国された時のご活躍を、今から願っています。) その奈美さんの幼少の頃、楽器の手ほどきをされたのが、恵さんだったんです。

 

そしてそして、これも本当にたまたま偶然なのですが、私の隣に座ったお客さん、彼女も私と30年程前に何度も一緒に演奏した方でした。恵さんと同じ音大のご出身で、今は東京にお住まいだそうです。某楽団の一員として、ツアーで一ヶ月ほど大阪に滞在されているそうで、彼女とも当時の思い出話に大きな花が咲きました。本当にすごいご縁、繋がりですね。こんなことがあるなんて、本当にびっくりした、この日のライヴでした。

 

ここ何年か、全く失礼でつまらない最低な男に引っかかってしまい、嫌がらせを避ける意味もあり、ごく狭い範囲でしか音楽を聴く機会に恵まれませんが、そんな中でこんな素晴らしい出会いがあります。世の中、なかなか面白いものですね。

あくまでも、現地で実際に聴いた時の印象を記した、個人的な感想です。

以下の(1)(2)を演奏すること。演奏順は(1)(2)の順とする。
1.W.A.Mozart : Rondo D-dur K.373b (Anh.184)(指揮者無しで演奏すること) 
2.A.Jolivet : Concerto pour Flûte et Orchestre à cordes(指揮者付きで演奏すること)


6/3 本選審査
1.エレーヌ・ブルゲ(フランス) 26歳

<一次No.44 ☆☆☆☆ 二次No.7 ☆☆★ 三次No.2 ☆☆☆> 
本選のトップバッターと言うことで、さすがの本選出場者でも、緊張の様子が伝わって来た。モーツァルト、動きは相変わらず大きいが、音量自体は抑え気味。ソロやピアノ伴奏が続いたからなのか、聴く側の耳が慣れていないからそう感じたのかも知れない。かなり慎重な滑り出しだが、案外に音楽は流れている。白井さん率いるオケのお蔭かも。ジョリヴェはゆっくり目の出だしだったが、中間過ぎてからは俄然勢いが増した。この曲を良く知っている・何度も演奏しているような雰囲気があり、如何にも吹き慣れている感じ。演奏そのものの印象は、予選の時と大きく変わらず、「これはこうだよ、あれはああだよ」と言う感じで、常に饒舌。行間を読むような趣きのある演奏とは対極にあるように思う。上手いんだろうけれど、個人的には苦手なタイプの奏者。
→ ☆☆☆

2.マリアンナ・ゾォナック(ポーランド) 18歳

<一次No.39 ☆☆☆★ 二次No.11 ☆☆☆☆☆(満点) 三次No.1 ☆☆☆☆☆(満点)>
暗譜。モーツァルト、音そのものが爽やか。テンポも適度で心地よい。曲の雰囲気を、音量で無くニュアンス・吹き方で変えて行けると言うのは、彼女の音楽的な素養が豊富な証拠だと思う。ジョリヴェ、音そのものには重厚感がある一方で、オケに負け気味なのは、音量そのものが控えめ過ぎるからなのか。加えて残念だったのは、ところどころ音がひっくりかえったり、吹き損ないが目立ったと言うこと。若さからのほんの少しの焦りが演奏に出てしまったのだろうか。流れて行ってしまいがちな、練習番号<31>前後の譜面の読み込み・演奏は大変見事で、説得力があった。
→ ☆☆☆★

3.秋元 万由子(日本) 24歳

<一次No.10 ☆☆☆★ 二次No.3 ☆☆☆☆★ 三次No.9 ☆☆☆☆★>
ポーカーフェイスがトレードマークの彼女だが、本選の舞台は平常心で臨まれているのが感じ取れた。如何にもフルートらしい音色、音は澄んでいて、音楽が常に正直でまっすぐ前を向いている。笛の端で指揮を執っているような感じで、オケをリードし、自由に泳いでいるよう。聴いている側も、テンポの伸縮が心地よい。難しくない場所で何度か吹き損じがあったのが残念。ジョリヴェ、メリハリのあるデュナーミクが印象的で、純粋にジョリヴェの譜面=音楽を追いかけているのが聴き取れた。さすがに最後は疲れて力んでしまったのか、音が出て来なかったが、自身の音楽性ややりたいことが良く見えた熱演だったように思う。ラウンドを進むにつれ頭角を現してきた印象で、コンクール後の伸びシロがまだまだありそうな、前途有望な奏者。
→ ☆☆☆★

4.ハン・ヨジン(韓国) 15歳

<一次No.24 ☆☆☆☆★ 二次No.18 ☆☆☆☆ 三次No.12 ☆☆☆☆☆(満点)> 
モーツァルトは、予選とは異なり案外大人しい導入だが、曲のスタイルには合っている。音色は相変わらず素直で伸びやか、澄んでいる。カデンツァも良く考えられている。パッセージの音も綺麗に揃い、とてもモーツァルトらしい音楽造りで、かわいらしい面も覗かせる。ジョリヴェも暗譜。引き続き音楽が活きているが、全体的に一本調子なのが気になった。常にうるさい訳ではないのだが・・。オケの音が少し重い印象で、ソロとの曲に対する捉え方が幾分異なるようにも思える。疲れて来る後半も音がくっきりと聴こえて来る。音楽に対する真摯な姿勢は評価できるが、譜面の後ろに隠れているものを、演奏の背後・行間で示唆出来る奏者になれるかどうかで、今後更に上の段階に進めるかどうかが決まるように思う。ジョリヴェの曲間で客席から拍手が上がったが、既に3人の奏者が同じ曲の演奏を終えている訳で、勢いに任せたこのような配慮を欠いた聴衆の行為には、首を捻らざるを得ない。
→ ☆☆☆☆

5.アンナ・コンドラシナ(ロシア)  26歳

<一次No.15 ☆☆☆ 二次No.17 ☆☆☆★ 三次No.10 ☆☆☆★>
モーツァルトから譜面台あり。オケをリードしようとしてか、全体的に音が大きく、とてもはっきりと吹く。成熟した中庸の良さのようなものは感じるものの、この音楽が持つ楽しさがあまり感じられない。カデンツァもあっさり通り過ぎる。ジョリヴェ、強奏時のヴィブラートに特徴。全体的に流れを重視し、あまり細かいところには拘っていないような感じ。言葉が多い演奏と言うか、幾分楽器でしゃべり過ぎ・吹き過ぎの傾向あり。好き嫌いが分かれる演奏だろう。
→ ☆☆☆

6.ユ・ユアン(中国) 16歳

<一次No.27 ☆☆☆★ 二次No.12 ☆☆☆☆★ 三次No.11 ☆☆☆☆★>
いかにもフルート本来の音色と言う感じの、やわらかさ・懐かしさを感じる音色。推進力のある、如何にもモーツァルトと言う音楽が聴ける。細かい部分に拘らず、上手に流れを作っている。カデンツァも良く考えられており、かわゆさ、人間らしさが聴こえる。ジョリヴェも暗譜。曲全体を大河のような大きい流れが包み込む。後半は多少アバウトさが感じられたが、ジョリヴェを吹いた6人の奏者の中では、最も印象に残った演奏。因みに、独特の音色を生み出している彼のフルートは、日本で購入したヤマハの「イデアル」と言う種類だそう。
→ ☆☆☆☆

<私のジャッジ>
☆☆☆☆・2名 4 6
☆☆☆★・2名 2 3
☆☆☆・2名 1 5

予選ではっきりしていた実力差が、本選審査の課題曲ではそう大差がつかなかった。ジョリヴェの協奏曲は前回大会の予選の課題曲でもあり、コンクール前からこの個性の出難い協奏曲を本選の課題曲にするのはどうかと思っていた。前回のC.P.E.バッハの協奏曲での白熱した本選を思い出すにつけ、最大の「聴かせ場」となる本選課題曲、次回開催時の選択には、より慎重であって欲しい。

 

あくまでも、現地で実際に聴いた時の印象を記した、個人的な感想です。

下記課題曲を演奏すること。演奏時間は(1)(2)(3)合わせて 35 分以内とする。
1.以下のa) ~ e) より1曲選択
a) G.Enesco : Cantabile et Presto
b) G.Faure : Fantaisie Op.79
c) P.Gaubert : Fantaisie
d) P.Gaubert : Nocturne et Allegro Scherzando
e) P.Taffanel : Andante Pastoral et Scherzettino
2.以下の a) ~ d) より1曲選択
a) T.Bohm:Fantasie über ein Thema von Schubert Op.21
b) J.Demersseman : Grande Fantaisie de Concert sur Oberon de Weber Op.52
c) F.Doppler : Airs Valaques Op.10
d) P.Taffanel : Fantaisie sur “Le Freischütz”
3.以下の a) ~ i) より1曲選択。使用楽器はピッコロ、フルート、アルトフルート、バスフルートに限る。マイクロフォン、アンプなどは使用しないこと。
a) K.Aho : Solo III
b) L.Berio : Sequenza (Sequenza I)
c) C.Halffter:Debla
d) H.Holliger : Sonate (in)solit(air)e より任意の数曲
e) P.Hurel : Eolia
f) T.Ichiyanagi : In a Living Memory (一柳慧:忘れ得ぬ記憶の中に)
g) B.Mantovani : Früh
h) I.Yun : Etüden より任意の一、ないし数曲
i) 上記 a) ~ h) と同程度の難易度である無伴奏作品。


6/1 第三次審査
1.マリアンナ・ゾォナック(ポーランド) 18歳 本選進出

<一次No.39 ☆☆☆★ 二次No.11 ☆☆☆☆☆(満点)>

伴奏者:石橋 衣里
 ゴーベール:F/タファネル:F/ハルフテル
1・2曲目は暗譜。しっとりと趣・ニュアンスのある音、デュナーミクの幅も広く、どの音もしっかりとしていて、意味深い。音楽を捉えるセンスが良い。表情付けが表面的でなく、常に意味を持っている。吹く曲を慈しみ、とても大切に吹いている。タファネルの主題はとてもシンプルに吹くが、ニュアンスが実に深い。後半で見せたテクニックも、実に堅実でミスも全くなく鮮やか。ハルフテルは凄い集中力で一気に聴かせ、全く飽きるところが無かった。
→ ☆☆☆☆☆(満点)

2.エレーヌ・ブルゲ(フランス) 26歳 本選進出

<一次No.44 ☆☆☆☆ 二次No.7 ☆☆★>

伴奏者:石橋 尚子
 ゴーベール:N/ドップラー/ユレル
前半の2曲は、曲の表情を少し作り過ぎているきらいがあり、聴いている側も幾分曲そのものに没入出来ず、疲れる。本人はごく自然にされているんだろうが、芝居がかっているように見えてしまい、暑苦しく、その演奏から共感を生みにくい。一転して、ユレルでは、前で指摘した部分がそっくりそのまま良点として発揮され、選曲が功を奏した感じ。聴く側の好みによって、彼女の演奏の評価は大きく分かれるんだろう。
→ ☆☆☆

3.イ・ウンジュン(韓国) 27歳

<一次No.5 ☆☆★ 二次No.13 ☆☆☆★>

伴奏者:西脇 千花
 フォーレ/ベーム/シュトックハウゼン:In Freundschaft(課題曲以外)
特に低音が無理なくしっかり出ているのが好印象。フォーレは多少表面的に流れたか。音の乗りがもう一つと言う印象。ベームも同印象。節度ありきちっとしているが、インパクトに欠ける。自分で曲を造りに行くタイプの人ではない。最後も音量が出ず、盛り上がりに欠けた。シュトックハウゼンでは暗譜・靴を脱ぐ。パフォーマンスが必要な曲だが、彼女なりに良く考え、それらアイディアが効果を生み、とても良い演奏だった。
→ ☆☆★

4.イェルジャン・クシァノヴァ(カザフスタン) 27歳

<一次 No.20 ☆☆☆☆★ 二次No.21 ☆☆☆★>

伴奏者:鈴木 華重子
 フォーレ/ベリオ/タファネル:A
暗譜。前の奏者と同じフォーレだが、格段に表現力が上。抑揚が豊かで音の種類も多い。この曲はこのような演奏によって映えて来るのではないだろうか。ベリオのセクエンツァは聴く機会の多い曲だが、作曲年代が最も早く、現代曲の中でも「古典」とも言えるため、こうやっていくつもの別の現代曲を聴くと、純粋に音のみで勝負するこの曲の面白みが感じられ難く、実際に演奏のインパクトも弱く感じてしまうのは、奏者にとってマイナス要素のようにも思う。タファネルで聴かせたテクニック・表現力は申し分ない。演奏からこの人が持っている暖かい人柄も良く伺え、とても良く出来た演奏。
→ ☆☆☆★

5.ステラ・イグロッソ(イタリア) 22歳

<一次No.17 ☆☆☆☆★ 二次No.23 ☆☆☆★>

伴奏者:與口 理恵
 フォーレ/ドップラー/ユレル
ピアノの蓋・全開。二次と同じ伴奏者でラッキー。短いフレーズの中に「物語」を感じる。ニュアンスが豊富、音の種類も多い。フォーレでは曲の起承転結がしっかりして、聴き応えがある。ドップラーも同様、フレーズ最後の処理の仕方がとても上手。音楽や吹き方から、この人の人柄=茶目っ気が良く感じ取れる。音楽の背後にあるものが、彼女の演奏から見えて来る、そんな秀演。ユレルはスピード感があるシャープな演奏。2番の奏者とは全く異なるアプローチの仕方が楽しい。演奏後、伴奏の與口さんを再び舞台に呼び込む姿勢も素晴らしく、彼女はきっと大きい人間なんだろうね。才能あふれた演奏が繰り広げられ、二次とは印象が異なり、人間性に溢れた演奏は、オーケストラと合わせる次のラウンドもぜひ聴いてみたい。
→ ☆☆☆☆★

6.松木 さや(日本) 26歳

<一次No.11 ☆☆☆☆★ 二次No.15 ☆☆☆☆☆★(満点超え)> 

伴奏者:石橋 衣里
 タファネル:F/タファネル:A/アホ
タファネル2曲で揃えて来た。こういう何か意図を感じさせるような統一感のあるプログラムが好印象。抑えるところは抑え、出すべきところはしっかり出す等、聴く側に意識させず、曲を上手に聴かせるツボを良く心得ている。常に節度あり、音色も多彩で深い。曲そのものの良さを聴かせてくれる。本当に心に沁みるフルート。速い部分も決して吹き飛ばさず、音もしっかりと全部聴こえる。これは凄い技術。アホは初めて聴く曲。前半は「能」「雅楽」を連想させるような上下動の少ない音符の動きが特徴だが、長いスパンの音型を、長い息持ちで以って見事に表現し切っている。後半の無窮動的な音の動きも、弛緩することなく、一気に吹き切った優れた演奏。この曲がどのような曲なのか、初めて聴く側にも丁寧に伝えてくれるような、示唆に富んだ見事な演奏。この人のフルートは、無駄な動きが一切なく、心にも常に余裕があり、本当に素晴らしい人だと思う。
→ ☆☆☆☆☆(満点)

7.キム・ジャアン(韓国) 19歳

<一次No.16 ☆☆☆☆☆(満点) 二次No.6 ☆☆☆★>

伴奏者:石橋 尚子
 タファネル:A/ベリオ/タファネル:F
この人もタファネル2曲で揃えて来たが、真ん中にベリオをサンドウィッチ。良く考えられた音色。全体的に音量が大きいが、意外に味わいも感じる。音そのものはきれいで澄んでいる。意気込み過ぎて、多少力んでいる印象もあり、幾分音楽の流れが作為的に造られたような不自然さあり。後半のタファネルは、ピアノがメロディを弾き、フルートがオブリガードに回り動いて行くようなところは、フルートの主張が弱く、思った程印象に残らず、全体的に曲そのものが退屈に聴こえてしまう。ベリオは曲自体のインスピレーションが弱く感じ、演奏も記憶に残りにくい。選曲が・・・と言うことになってしまうだろうか。ラウンドが進むにつれ、音楽的な潜在力の浅さが目に付くようになって来た。
→ ☆☆☆

8.エヴァ・サヴァドス(ハンガリー) 23歳

<一次No.43 ☆☆☆☆ 二次No.1 ☆☆☆★>

伴奏者:上野 円(同伴伴奏者)
 エネスコ/一柳 慧/タファネル:F
立ち位置ピアニスト寄り。全体的に地味目だが、深い音色を持っており、独自の色が聴こえて来る。一柳は曲の持つ切迫感や虚無的な表情が良く表出され、なかなか聴き応えあり。タファネルではポカが時折顔を覗かせたり、高音・強奏時に癖を感じ、曲の持つ魅力が感じられにくかった。音楽<曲と言う感じで、この曲に関しては味わいと言う点でもう一つだった。
→ ☆☆☆

9.秋元 万由子(日本) 24歳 本選進出

<一次No.10 ☆☆☆★ 二次No.3 ☆☆☆☆★>

伴奏者:上野 円(同伴伴奏者)
 ベーム/ゴーベール/ホリガー:1,2,3,4,5,12
ベームでピアニストが同じ音を2度間違えたのが残念だったが、逆に以降はアンサンブルがより緊密になって行ったのは不幸中の幸いだっただろうか。非常に澄んだ遠くまで届く音で、弱音の時もピアノに埋没しない芯のある音は、この人の大きな武器。曖昧さのないピュアな音。音の粒立ちも良く、全てはっきり聴き取れる。例えばヘ長調に移調した時、またイ長調に戻った時など、がらりと雰囲気が変わり、調性の色まではっきり表出出来ている。ゴーベールも、常に品が良く、吹いている姿勢も非常に美しい。ホリガーを聴いていても、この人はとてもストイックな奏者で、人間的にも真面目な人なんだろうと思う。一次ではそれ程気に留まらない人だったが、ラウンドが進むにつれ、この人の音楽的姿勢・魅力が演奏に表れ始め、本選のコンチェルトも聴いてみたくなった。
→ ☆☆☆☆★

10.アンナ・コンドラシナ(ロシア) 26歳 本選進出

<一次No.15 ☆☆☆ 二次No.17 ☆☆☆★>

伴奏者:西脇 千花
 エネスコ/タファネル:F/ハルフテル
立ち位置ピアニスト寄り。その音域に合った音色が出せている。節度あり、雰囲気もあり。曲のツボを押さえた常識的な演奏。タファネルでは、一部アンサンブルが合わないところあり、多少自由に吹きすぎている感もあり。ハルフテルはなかなかの演奏で、聴く側としても難しい曲を良くまとめ、退屈しなかった。曲を良く理解しているのだろう。
→ ☆☆☆★

11.ユ・ユアン(中国) 16歳 本選進出

<一次No.27 ☆☆☆★ 二次No.12 ☆☆☆☆★>

伴奏者:鈴木 華重子 
 タファネル:A/ハルフテル/タファネル:F
3曲目だけ暗譜。ピアニストの座位置とは逆側に立ち、ステージを広く使い、ステレオ効果を狙ったのだろうか。二次の時も感じたが、この人は共演するピアニストに対し、心からの敬意と信頼を置いているのが良くわかり、気持ちが良い青年だ。冷静で良く考えている。素直なフルートで、懐かしさやしみじみとした味わいも感じる。唄い回しも独特で、聴く側の心の奥に入り込むような音を持っている。これはフルーティストとしては大きな武器。タファネルでは、もう少し装飾音符を効かせた方が、より曲が引き立つように感じるが、メリハリもあり、良い演奏。ハルフテルは、曲を「音」としてではなく「流れ」として捉えている印象。譜面は譜めくりしなくて良いような1枚モノを準備した方が良いと思う。偏見になってしまうかもしれないが、間の取り方などは私にも聴き慣れた感じがして、やはり同じ東洋人なんだなと言ったような共感出来る安心な演奏。音楽に対する真摯さを感じ、また、最後に鈴木さんと手をつないで挨拶する姿などを見ながら、この人の素晴らしい人柄も良く感じ取れた。
→ ☆☆☆☆★

12.ハン・ヨジン(韓国) 15歳 本選進出

<一次No.24 ☆☆☆☆★ 二次No.18 ☆☆☆☆>

伴奏者:蒲生 祥子(同伴伴奏者)
 フォーレ/ユレル/タファネル:F
1曲目暗譜。とにかく音の質が良く、常に安定している。混じり物のない澄み切った音。時にかわいらしく、伸びやかで素直な音楽。フォーレにぴったりな見事な音作り。とにかく素晴らしい。ユレルではピアニストを退場させずに演奏開始。蒲生さんとのコンビだから出来るんでしょうけどね。大変鮮烈な演奏で、この人の音楽的な資質の豊富さ・引き出しの多さは特質すべき。即興性・インスピレーションも十分。この人の前の奏者と同じく、譜面は譜めくりしなくて良いような1枚モノを準備した方が良いように思う。タファネルも実に見事な演奏で、常に落ち着きと余裕・ゆとりがある。常に音楽的で、吹くメロディにはあふれ出る唄心を感じる。この人は技巧と音楽性が見事にマッチしていて、全てに於いてスマートで過不足ないのが凄い。これで15歳。末恐ろしい奏者。
→ ☆☆☆☆☆(満点)

<私のジャッジ>
☆☆☆☆☆・3名 1 6 12
☆☆☆☆★・3名 5 9 11
↑ -----本選進出ライン----- ↑
☆☆☆★・2名 4 10
☆☆☆・3名 2 7 8
☆☆★・1名 3

 

あくまでも、現地で実際に聴いた時の印象を記した、個人的な感想です。

下記課題曲(1)(2)を演奏すること。演奏時間は(1)(2)を合わせて25分以内とする。
1.以下の a) ~ d) より1曲選択。伴奏はピアノのみとする。
a) C.P.E.Bach : Sonate D-dur Wq 83
b) C.P.E.Bach : Sonate G-dur Wq 86
c) M.Blavet : Sonate Op.2 No.2 “La Vibray”
d) M.Blavet : Sonate Op.2 No.4 “La Lumague”
2.以下の a) ~ e) より1曲選択
a) J.Andersen : Ballade et Dance des Sylphes Op.5
b) H.Busser : Andalucia Op.86
c) A.Jolivet : Chant de Linos
d) F.Martin : Ballade (1939)
e) R.Muczynski : Moments Op.47


5/29 第二次審査1日目
1.エヴァ・サヴァドス(ハンガリー) 23歳 三次進出

<一次No.43 ☆☆☆☆>  伴奏者:上野 円(同伴伴奏者) 
 ブラヴェ:2-2/アンデルセン
プラヴェは全体的に良く練りこまれている。テンポ感も良い。装飾音符が曲に良く入り込んでいる。デュナーミクが多少作為的(作為的)な感があり、自然に聴こえないのが残念。アンデルセンは速い部分で幾分しっくり来ない→曲に振り回されているような印象。ピアノに助けられている部分もあり。ヴィブラートは曲に合っていて素敵。
→ ☆☆☆★

2.ホン・チェンチュン(台湾) 26歳

<一次No.14 ☆☆★> 伴奏者:西脇 千花
 ブラヴェ:2-2/ジョリヴェ
ブラヴェはかなり饒舌だが、音楽に勢いがある。良く練られている。音符の性格を良く分析し、上手に吹き分けている。音色はあまり好みではない。ジョリヴェは常に音圧が強い傾向だが、とても良い演奏。ピアニストとの相性も良く、一体感あり。
→ ☆☆☆★

3.秋元 万由子(日本) 24歳 三次進出

<一次No.10 ☆☆☆★>  伴奏者:上野 円(同伴伴奏者) 
 C.P.E.バッハ:G-dur 86/ジョリヴェ
端正で品が良い。自然体。伸びやかな音楽。音色も曲に良く合っていて、自然に聴き手を曲に誘ってくれる(かと言って、決して埋没してしまっている訳でもない)。第3楽章の装飾音符がすっぽりと嵌っているのがとても良い。ジョリヴェは表現・音色の幅が大きい。いろんな色の音を持っている。清水公望さんのヴァイオリン(聴く側に委ねるような演奏)を連想させる。段階を進むにつれ、本領を発揮し始めた印象。三次に進出出来れば、更に楽しみな存在となるはず。
→ ☆☆☆☆★

4.ジェシー・グ(アイルランド) 26歳

<一次No.35 ☆>  伴奏者:鈴木 華重子
 C.P.E.バッハ:D-dur 83/マルタン
音を押す感じなのが嫌。動きすぎ。楽器のコントロールが今一つ。マルタンは聴けた。個人的に好みでない。
→ ☆☆

5.上野 星矢(日本) 27歳

<一次No.6 ☆☆☆☆>  伴奏者:與口 理恵
 ブラヴェ:2-4/マルタン
立ち位置がピアニスト寄り。ブラヴェは沈んだような音色が曲に合っている。音の種類が多く、音楽に合っている。表情付けが見事。マルタンはピアノの蓋全開。立ち位置中央に。とても力強く、表情も多彩。音色も輝かしく、これはなかなかの名演。
→ ☆☆☆☆

6.キム・ジャアン(韓国) 19歳 三次進出

<一次No.16 ☆☆☆☆☆(満点)>  伴奏者:石橋 衣里 
 ブラヴェ:2-2/ジョリヴェ
きちっとしていて、とても健全・清潔なフルート。音楽が生きている。ブラヴェは装飾音符も曲に入り込み、見事に収まっている。お手本のような演奏。ジョリヴェは決して大げさではなく、スタンダードな演奏だが、表情の幅がもう一つで、インパクトに欠ける感もあり。
→ ☆☆☆★

7.エレーヌ・ブルゲ(フランス) 26歳 三次進出

<一次No.44 ☆☆☆☆>  伴奏者:石橋 尚子 
 C.P.E.バッハ:G-dur 86/ジョリヴェ
ピアノの蓋全開→フルートの音も最初から大き目。バッハはまっすぐな伸びやかな音だが、音そのものが印象に残りすぎ、音楽作りと言う点でのまとまりが多少希薄・単調な印象。ジョリヴェも抑揚に乏しく、強弱だけで曲をまとめている感じで、聴く方も耳が疲れてしまう。個人的に好みではない。
→ ☆☆★

8.山内 美慧(日本) 26歳

<一次No.32 ☆☆☆★>  伴奏者:與口 理恵 <暗譜>
 ブラヴェ:2-2/ビュッセル
動きが多少目障りだが、目をつむって聴くとそうでもない。熱演の割に、もう一つ心に届いてこない。幾分外面的なのかも。ビュッセルは珍しい選曲で、一見聴きやすいが、曲の質自体が低いのか、中身のないような曲で、演奏もそれに比例してしまうのか、聴いていて飽きてしまった。
→ ☆☆

9.ジョルジョ・コンソラーテ(イタリア)  23歳

<一次No.42 ☆☆☆☆★>  伴奏者:西脇千花
  C.P.E.バッハ:D-dur 83/ジョリヴェ
立ち位置ピアニスト寄り。ジョリヴェから。あまり心に届いて来ない。ピアニストとの相性にも問題ありか。品が良く、フルートと言う楽器そのものの魅力には十分に触れられる。一次との印象のギャップがある。
→ ☆☆☆

10.ミハイル・コヴォスチコヴ(ロシア) 30歳

<一次No.9 ☆☆☆☆★>  伴奏者:鈴木 華重子
 ブラヴェ:2-2/ジョリヴェ
端正。デュナーミクに細心の注意を払っているのが良くわかるが、それ以上に感じ取るようなものがない。ジョリヴェも同様で、テンポ設定は常識的だが、音楽が生き生きしていない印象で、一次で感じた感想との間にギャップがある。
→ ☆☆★

11.マリアンナ・ゾォナック(ポーランド) 18歳 三次進出

<一次No.39 ☆☆☆★>  伴奏者:與口 理恵
 C.P.E.バッハ:D-dur 83/マルタン
立ち位置ピアニスト寄り。若々しく素直な音色。伸びやかでノーブル・高貴ささえ感じる。デュナーミクは繊細で、演奏そのものに説得力あり。色気もあり、しっとりと聴こえる。アンサンブル能力も非凡。マルタンは暗譜。ヴィブラートの種類も多彩。素晴らしい!
→ ☆☆☆☆☆(満点)

12.ユ・ユアン(中国) 16歳 三次進出

<一次No.27 ☆☆☆★>  伴奏者:石橋 衣里 <暗譜>
 ブラヴェ:2-2/アンデルセン
ブラヴェは曲に合わせたような少し鄙びた音色が印象的。とても端正、繰り返し後のアドリヴも良い。ヴィブラートも曲に良く合っている。アンデルセンも良く曲に乗り、共演者とのアンサンブル・息もぴったり。共に素晴らしい演奏。
→ ☆☆☆☆★

13.イ・ウンジュン(韓国) 27歳 三次進出

<一次No.5 ☆☆★>  伴奏者:石橋 尚子
 C.P.E.バッハ:D-dur 83/アンデルセン
ピアノの音のあとにひっついて行くという感じがする。音を押す傾向あり。前打音の処理の仕方が珍しい。単調さがあり、音楽が停滞気味になり、ちょっと退屈。短いがカデンツァが面白い。アンデルセンは、前の奏者の演奏がとても良く、それと比較してしまうと分が悪い。悪い演奏ではなかったが、順番が悪かったか。
→ ☆☆☆★

5/30 第二次審査2日目

14.サラ・テナリア(イタリア) 22歳

<一次No.25 ☆★>  伴奏者:上野 円(同伴伴奏者)
 C.P.E.バッハ:G-dur 86/ジョリヴェ
多少くすんだ音。ちょっとよそ行きな音楽作り。確かにバッハの吹き方ではあるだろうが、音を押す傾向があり、耳にくどい。ジョリヴェは外面的で、演奏効果を見せる演奏になってしまっている印象。心に届かない。曲の本質的なものが見えてこない。聴いていて疲れるジョリヴェ。
→ ☆☆★

15.松木 さや(日本) 26歳 三次進出

<一次No.11 ☆☆☆☆★>  伴奏者:西脇 千花
 C.P.E.バッハ:G-dur 86/マルタン
とても自然体で爽やか。曲に身を委ねている。フルートの構え・高さも「これ見よがし感」が無く、見ていて安らぐ。バッハのこの曲がどのような音楽なのかが透けて見えてくる。発音、決してきつくないのに、出したい音が聴こえ、どんな音が出したいのか良くわかる。能力を感じる。マルタンも、淡々とだが、貫くものがあり、熱い。フルートと言う楽器の良さを見せてくれる。常に冷静・確実。完全に曲を自分のものにしている。大変素晴らしい。
→ ☆☆☆☆☆★(満点超え)

16.キム・ソヒョン(韓国) 15歳

<一次No.36 ☆☆☆>  伴奏者:鈴木 華重子
 ブラヴェ:2-4/ジョリヴェ
譜面台ななめ。重厚な音。「曲を吹いています」感が出てしまっている。ブラヴェでの自分なりの色が出ていない。真面目に一生懸命だが、譜面に書いてあることを吹いていますと言うような印象。音楽が若い。ピアニストとの一体感ももうひとつ。経験を積めば・・・。
→ ☆☆★

17.アンナ・コンドラシナ(ロシア) 26歳 三次進出

<一次No.15 ☆☆☆>  伴奏者:與口 理恵
 ブラヴェ:2-4/ジョリヴェ
立ち位置ピアニスト寄り。落ち着いた音色、適度な表情付け共に曲に良く合っている。曲作りが上手。ジョリヴェは重ための音色。勢いも感じ、全体的に良くまとまっているが、この人でないと、と言うようなインパクトに欠ける。
→ ☆☆☆★

18.ハン・ヨジン(韓国) 15歳 三次進出

<一次No.24 ☆☆☆☆★>  伴奏者:蒲生 祥子(同伴伴奏者) <暗譜>
 C.P.E.バッハ:D-dur 83/マルタン
良く動く。すんだ音で、音楽が伸びやか。活き活きしている。音楽に推進力あり。思い切ったデュナーミク・表情付け。すいすい泳ぐ魚のような自由さ。マルタンは幾分消化不足か。音楽よりも音が聴こえて来てしまうのは、音と音との間の有機的なつながりに欠けるためなのだろうか。ピアニストとは良く通じ合えている。
→ ☆☆☆☆

19.フランシスコ・ロペス=マーティン(スペイン)  30歳

<一次 No.33 ☆☆☆☆★> 伴奏者:石橋 衣里
 C.P.E.バッハ:D-dur 83/ジョリヴェ
音大きく太い。ちょっと暑苦しい感も。面白い演奏だが、いろいろやりすぎと言う感もあり。それにより、音楽の肝心な「核」の部分が見えにくくなっている。ジョリヴェは技巧やアドりヴ・曲の持って行き方は見事だが、奏法と強弱を強調するようになってしまうと、こうなるしかない的な、決まりきった演奏となってしまう例を見たような感じもする。
→ ☆☆☆

20.クリス・ジェームス(カナダ) 25歳

<一次No.4 ☆☆☆☆★>  伴奏者:西脇 千花
 C.P.E.バッハ:D-dur 83/ムチンスキー
譜面台ななめ。この「普通さ」が良い。自然体なバッハ。品が良い。余計な・極端なことをしない。見通しの良い澄み切った音楽。ムチンスキー、楽章形式になっているので、聴きやすい。選曲よし。演奏から人柄が見えてくる。ユーモアに富んだ人。こういう確信犯、好き。
→ ☆☆☆☆★

21.イェルジャン・クシァノヴァ(カザフスタン) 27歳 三次進出

<一次 No.20 ☆☆☆☆★> 伴奏者:石橋 尚子
 C.P.E.バッハ:G-dur 86/ジョリヴェ
自然体だが、表現力と言う点で幾分劣るか。とても立派だが、フルートを使っての魅力を伝えきれていないきらいあり。音楽よりも音が聴き手に捉えられる。ジョリヴェは独特な吹き方。こういうアプローチの仕方は、この曲に関しては好き。呪術的な印象のあるこの曲に良く合っている。
→ ☆☆☆★

22.ヴィルジル・アラゴ(フランス) 29歳

<一次No.34 ☆☆☆★>  伴奏者:鈴木 華重子
 ブラヴェ:2-4/ジョリヴェ
格調高い含蓄のある響き。音は大きいが深い。吹き方など良く考えられている。時々ポカもあるが、演奏は楽しめた。ジョリヴェは音そのものよりも、吹いている音楽の方に中身がある。自分のスタイルが出来ている人。
→ ☆☆☆☆

23.ステラ・イグロッソ(イタリア) 22歳 三次進出

<一次No.17 ☆☆☆☆★>  伴奏者:與口 理恵 <暗譜>
 ブラヴェ:2-4/ジョリヴェ
独特の鄙びた味わいがある。音楽的な押し出しが幾分弱い。足(姿勢)が特徴的。素晴らしいが、あまり心に残らない。饒舌な印象で、かなりおなか一杯になるジョリヴェだった。
→ ☆☆☆★

24.アレクサンダー・マリネスク(ロシア) 29歳

<一次No.40 ☆☆☆☆☆(満点)>  伴奏者:石橋 衣里
 C.P.E.バッハ:D-dur 83/マルタン
とてもはっきり吹く。音は大きいが伸びやか。音楽はわかっているのだろうが、曲の様式感はあまり伝わってこない(ヴィブラートが多いこともあるのか)。1&2楽章のカデンツァのアイディアが楽しい。マルタンは、この難曲に身を委ね、曲そのものと共に演奏を楽しんでいる。
→ ☆☆☆★

25.セス・モリス(アメリカ) 33歳

<一次No.19 ☆☆☆☆☆(満点)>  伴奏者:石橋 尚子
 ブラヴェ:2-4/ジョリヴェ
節の唄い回しがうまい。成熟している。不必要な音を押さず、聴かせたい音を生かしている。音楽に安心感がある。ジョリヴェは、曲の雰囲気作りがうまいが、あまり余計なことはしていない。常に安定している。
→ ☆☆☆☆

26.脇坂 颯(日本) 17歳

<一次No.8 ☆☆☆★>  伴奏者:新居 幸枝(同伴伴奏者) <暗譜>
 ブラヴェ:2-2/ジョリヴェ
冷静・落ち着いている。丁寧で厚みのある音。強弱はもっとあっても良いが、中庸でやりすぎないのも今の彼女のセールスポイントだろうか。心の奥に届くような、懐かしい雰囲気あり。なんて清潔で素直な音楽を作れる人なんだろうと思う。ジョリヴェは、これまで聴いて来た奏者に比べ、特に中間部が音楽的表現から見て弱い。概して「個性」と言う点で他の奏者と比べ弱く感じ、今現在の彼女の弱点はこのようなあたりにあるのだろう。
→ ☆☆☆

<私のジャッジ>
☆☆☆☆☆★・1名 15
☆☆☆☆☆・1名 11
☆☆☆☆★・3名 3 12 20
☆☆☆☆・4名 5 18 22 25
↑ ------三次進出ライン------- ↑
☆☆☆★・8名 1 2 6 13 17 21 23 24 (この中では 17 21 24 が上位)
☆☆☆・3名 9 19 26
☆☆★・4名 7 10 14 16
☆☆・2名 4 8