音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -38ページ目


音楽と競馬、思ったことを書いて行きます

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来年の2月に、大阪フィル&飯森さんとの共演が叶うオーディションを兼ねたコンサート、行って来ました。声楽部門は実力伯仲で、出演された3人の方共に個性を十分に発揮されました。声楽は、歌手の方の個性に合った配役や曲があるので、余計に順番が付け難いですよね。私の評価は、バリトンの森さんとソプラノの古瀬さんは全くの互角だったんですが、結果は古瀬まきをさんが最優秀賞に輝きました。最高音のEを軽々出される美声、表現力、ピアノの方との息もぴったりでした。日本の歌曲を歌われたのもプラスだったかも知れませんね。森さんも、堂々としたステージマナー、役にはまった美声と表現、全く劣っていませんでした。こういう男性の声楽家が更に活躍できる文化・舞台が欲しいですね。一方、ピアノ部門ですが、入場時に頂いたパンフレットを読むと、秋元さんが断然素晴らしいように書かれていましたが、結果はそのようになりませんでした。井後さんは多少表現力の点で劣るような印象でした。音楽も小さくまとまってしまってしまっていて、バッハが書いた「大きい音楽の世界」がもう一つ上手に描けていなかったのが残念でした。残る秋元さんと多田さんのお二人は全くの互角と感じました。ただ、秋元さんはこのコンサートの出来が恐らく今一つだったんじゃないでしょうか。テープ審査~二次予選、そしてこの日に向けて徐々に完成度を高めていかなければならないこのオーディション、彼はきっと二次予選が素晴らしすぎてしまったんじゃないでしょうか。今日も全く悪くは無かったんですが、パンフレットに書かれていたような飛び抜けたものとは感じなかったんですよね。テープ審査から3回、同じ曲を弾き続けて行かないとならないこのオーディション、頂点を今日のこの舞台に持って来れないとならないんでしょうね。素晴らしかったことには違いありませんが、期待した程ではなかった、そういう印象となってしまったのは不運としか言いようがありません。一方、多田真理さん、この日に向けて、この曲に対する熟成具合が徐々に高まって行ったんじゃないでしょうか。演奏後に楽屋でお話させて頂いた時にもお話されておられましたが、パンフレットで「二番手」みたいに書かれておられたのが、逆に発奮材料になった、あるいは開き直りが出来たと言うのもあるんでしょうかね。とにかく落ち着いて弾かれていたのが良かったですね。一音一音弾き急がずに噛みしめるように弾かれ、グバイドゥーリナの書いた独特の和音・響きが、非常に良く会場に響いていたと思います。最初の和音が会場に響いた瞬間、今日の素晴らしい演奏を予感させてくれました。こういった現代曲が演奏される時は、客席も落ち着かない雰囲気になりがちなんですが、聴衆も食い入るように聴いていたのがとても印象的でしたね。興味の無いような聴衆を惹きつける、求心力のある素晴らしい演奏だったと思いますし、審査員もそういった会場の雰囲気を感じ取ったのかもしれません。来年の協奏曲でご一緒される飯森さんも、多田さんが音楽的に最も好みのタイプだったのではないでしょうか。きっと「一緒に演奏したいので、僕の意見も加味してほしい」と審査時に言われたんじゃないかと思ってしまう程でした。と言うことで、ピアノ部門は多田真理さんが最優秀賞を獲得されました。


多田真理さん、最優秀賞、おめでとうございます。日本ピアノコンクールの表彰式の日にお知り合いなって頂いて以来、お忙しいところいろいろとご配慮頂き、本日は楽屋までお通し頂き、ありがとうございました。来年の協奏曲、どんな曲を弾かれるのかも楽しみですし、これをよりいっそうご自身の自信とされ、更に大きい舞台でご活躍されますよう、心から願っております。コンタクトが取れる演奏家の方がこうやって結果を残して下さること、私も大変うれしいですし、これからも更に良い音楽を見つけに行こうと言う思いにもなると言うものです。

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前半は素晴らしい! 後半は期待外れ・・・ 一言で言うとこんな感じでしょうか。

前半のワーグナーですが、まず選曲・並び順が良かったですね。私はこの楽劇や歌曲集にはあまり詳しくは無いんですが、指揮者がプログラムに書いて下さった意図が十分にくみ取れる、とても自然で淀みのない流れの素敵なプログラミングだったと思います。ソプラノのエレーヌ・ベルナルディさん、声量も十分ですし、この曲にとても適したキャラクターだったと思います。曲への思い入れも感じましたし、オーケストラとの協調作業もすこぶる良好でした。オーケストラも、指揮者・歌手へ心を寄せながら、この曲の良さを十分に表現し切った素晴らしいものだったと思います。特に「愛の死」は今日の白眉でしたね。この前半のワーグナーは、今年聴いたコンサートの中でも出色の出来だったと言えると思います。本当に素晴らしかった。

一方、後半のマルトゥッチですが、いかんせん曲自体の魅力に欠けていました。ロマン派の曲の魅力は、耳に馴染みやすいメロディや和音の変化、曲想のうねりや盛り上がりなどと思いますが、この曲にはそのどれもが欠けているんですよね。口ずさめるようなメロディもありませんし、とにかく楽想が散漫で貧相。楽員も、きっと演奏していても楽しくなかったんじゃないでしょうか。良い演奏をしても努力が報われない曲って、きっとこんな曲なんじゃないかと思いましたね。第3楽章の「ブラームス似」はその通りでしたが、最終楽章の4/4(or8/8?)は、ブラームスの交響曲第1番の第4楽章序奏に似ているように感じましたが、それが煮え切らないまま本編に突入し、言い方は悪いですが、出来損ないのグラズノフと言った感じで終結を迎えてしまったと言う感じで、全く楽しめない演奏でした。楽団の方は、多少心もとない場所もありましたが、限られた練習時間の中では最善を尽くしたものだったと思います。問題は、この曲を選択した側にあるように思いますね。「忘れられた名曲」をいくつも聴かせて頂いて来た大阪交響楽団ですが、今回のマルトゥッチは、正直かなりレヴェルの落ちる楽曲で、この選曲は良く無かったように思います。演奏が終わって、拍手の中で席を立つお客さんが多かったのも、それを裏付けているんじゃないでしょうか。


ワーグナーの最後での「ブラヴォー」、あれは頂けません。余韻が台無し・ぶち壊しですよ。終演後、コンマスの森下さんにこのことをお聞きしましたが、「あれはねぇ・・・(苦笑)、アウトとセーフの中間かな。せっかくブラヴォーを言ってくれるのであれば、1秒早かったですかね」と言っておられました。それにしても、どういう意味でああいうことをされるんでしょうかね。もう一度書きますが、あのブラヴォーで、素晴らしいワーグナーが台無しになりました。楽員も同じ気持ちのようですよ。ブラヴォー言われた方、これをどう思いますか? 終演後、ロビーでビラ配る楽員の皆さんを見ながら、心無い「ブラヴォー」のことを思い出してしまい、思わず悔し涙がこぼれて来てしまいました・・・。


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仕事が早く終わったのと、最近クラシック音楽を聴き続けていたので、気分転換に行って来ました。トークも演奏もノリも最高でした。レヴェルの高いライヴで大満足! これで法人チケット1枚(2,100円相当)とは、とっても有難いです。こういうハイテンションかつ質の高い演奏を聴くと、明日も頑張ろうと言う気にもなります。これがクラシックと違うところですね・・・。


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若く大きな可能性を秘めたヴァイオリニストの船出となる「デビューリサイタル」に立ち会うことが出来ました。これ以上ない喜びです。ありがとうございました。彼女の素敵なのは、まずそのお人柄ですね。演奏中の時間以外は、常にはちきれんばかりの笑顔・笑顔。彼女の笑顔は太陽のような輝きにあふれています。誰とでも分け隔てなく接して下さるその姿、誰もが応援したくなってしまいます。それが、いざ演奏を始めると、雰囲気が180度替わります。音楽を追求する姿は、これまた胸が熱くなる瞬間ですよね。彼女がとても真面目に音楽に取り組んでおられるのが、耳に届く音楽からもよくわかります。

彼女のヴァイオリンの印象ですが、以前ピアジュリアンで聴かせて頂いた時とあまり替わりません。音色は決して洗練されているとは言えず、比較的硬い音なんですよね。それが楽器に由来するのか、それとも弾き方(特に右手)に拠るのかはわかりません。彼女がアメリカにご留学されていたりしたのも影響しているのかも知れません。この音色は、聴き手にとって好き嫌いがはっきりするでしょう。ピアジュリアンでお聴きした時は、私はちょっと苦手な感じだったんですが、今日、このホールで聴かせて頂いて、こういうのも決して悪く無いなと思いました。これは江口純子さんの「個性」なんですね。最近、シゲティの演奏を古い録音で聴く機会があったんですが、彼女の音・音楽は、あの巨匠・シゲティに似てなくもありません。「音」で聴かせるのではなく、「音楽」を聴かせる演奏家なんでしょう。ただ、どうしても気になるのは、発音のきつさ、その時の汚れた音、ニュアンスが必要な部分での物足りなさ。弓を長く持って弾かれているんですが、これが右手のコントロールに若干影響しているようにも思うんです。もう少し弓を短めに持って、もっと楽に右手を動かせば、もう少し伸びやかな音が出て来るようにも思うんですが、どうでしょう。

今日、特に出来が良かったと思ったのは、モーツァルトのソナタと、師匠の豊嶋泰嗣さんと演奏されたプロコフィエフのデュオの2曲です。モーツァルトはリサイタル最初の曲と言うことで、特に練習量も豊富だったこともあるでしょうが、音楽の全体像がくっきり浮かび上がる佳演だったと思います。細かい音をあまり意識せず、音楽を流れで弾き切った、そんな印象です。こういう演奏を「面白くない」と言う方もおられるでしょうが、それは彼女の演奏スタイルを理解しないまま、単に表面的な印象で捉えているだけなのではと思います。プロコフィエフのデュオ、やはり豊嶋さんのサポートは素晴らしかったですね。音色・技巧・流れ、全てに優れたヴァイオリニストです。それにドンと乗っかった江口さんも堂々と対等に主張されておられました。これも十分に楽しめた演奏でした。後半の2曲は、個人的にはもう少しと言う感じでした。豊嶋さんが絶賛されるシェーンベルクですが、今日は多少力んでしまっていたでしょうか。肝心の音程と、鳴らさなければならない音やフラジオレット(=技術面)がちょっと不安定でした。曲に対する求心力も、今日に限って言えば、もうひとつだったような気がします。曲由来の「インスピレーション」が幾分不足しており、聴き手にも十分に伝わって来なかった、そんな感じもしました。(それと、これは私の間違いかもしれませんが、私が尊敬するヴァイオリニスト・五嶋みどりさんがこの曲やR・シュトラウスのソナタについて書かれた公式サイトにある「作品解説」から、かなりの引用があるように思いますが、これはこういう公式のプログラムに書いてしまって問題ないのでしょうか。もし引用されたのであれば「出典」「引用」等の表記が必要かと思いますが・・・。印刷されたものはあとに残りますから、慎重に扱わないとなりません) プログラム最後のR・シュトラウスのソナタ、この曲では「気持ちを込めてエスプレッシーヴォに」「一音一音を大事にしよう」と言う気持ちが出過ぎてしまい、彼女がプログラムで書いておられる「ロマンティック」なメロディや曲の持つ流麗さの表現が、もう一つ客席まで届いて来なかったように思います。せっかくこの難曲を弾かれたんですが、幾分中途半端に終わってしまった感があります。アンコールに弾いて下さった2曲、今の江口さんの音楽センスの良さがストレートに聴こえて来ました。(「タイスの瞑想曲は特に!) 大変心のこもった素晴らしい演奏だったと思います。今の江口さんには、冒頭のモーツァルトやアンコール、あるいはピアジュリアンで弾かれたベートーヴェンのような割とシンプル目な曲の方が、彼女の良さがストレートに引き出されるように感じます。それにしても、ピアノの三輪郁さん、やはり彼女のピアノは素晴らしいですね。サポートと言う言い方以上に、江口さんの大きな「支え」になっていたと思います。


兎にも角にも、デビューリサイタルは無事に終わりました。江口純子さん、今日はご盛会、真におめでとうございます。そして、お疲れ様でした。これからも陰ながら応援させて頂きます。更に成長した姿を、また次の機会にお見せ下さい。それから、サインの練習もお願いしますね。あれではちょっと・・・ね(苦笑)。


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今日でこのシリーズも終わりになります。この大切なコンサートに行って来ました。客席も8分は埋まっていて、このシリーズへの期待の高さが伺われました。ピアノ・トリオ第3番の方は、曲もまだ未熟ですし、演奏自体も表面的な感もあり、あまり聴きどころが無かったような印象でしたが、このシリーズの締めとなる第7番「大公」は、曲が良く書けていることもあってか、中身の濃い充実した演奏を聴くことが出来ました。この3人の演奏、全く派手さはありませんし、弦のおふたりともがガット弦を張っておられ、出て来る音自体に艶もそれ程ありませんし、ヴィブラートも抑え気味です。そういう状況でアンサンブルそのものが非常に難しいんですが、そこはピアノの鈴木華重子さんの熟達したピアニズムが弦のお二人を仲立ちし、音色・音楽共に、聴き手に対し説得力を与えるような演奏が引き出されていたように思いました。惜しむらくは、ヴァイオリンの田中美奈さん、もともと渋い地味目な奏者ですが、ガット弦での演奏はその感がより強くなり、「ここ」と言う個所での表現がもうひとつ引き出されて来ないような感じで、少々物足りない場面もありました。今日を以って、このトリオは終了、またそれぞれの活躍の場所に戻って行かれます。


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終演後のサイン会。あれだけの演奏をされ、お疲れのところなのに、本当に有難いことです。



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冒頭で、鈴木華重子さんがソロで弾かれる曲を当てる「ミステリー・ピース」と言うクイズがあり、今回も正解出来、プレゼントをゲットしました。ありがとうございました。今回はお客さんも多かったんですが、作曲家を当てた方がたった13人しかおられなかったと言うのは、ちょっと意外でした。ブラームスもこの曲ぐらいになると、盲点になるんでしょうかね・・・。


今日で、このブログを始めてちょうど一年になりました。良いプレゼントを頂きました。