知人が出演したので、書きにくいのですが、あまり良く無かった・・・。こういう時は、結構つらいものがありますね。
あえて声をかけずに帰りましたが、あの演奏で良かった、と、ご本人達が本当に思っているんだったら、これはちょっと・・・。
とにかくミスが多すぎましたし、それ以上に、リハの時から、外野がああだこうだと、あまりにも煩すぎる。指示や指導も大概にしないと。演奏するのは当人達なんだし。
ご自分達のやりたいように出来なかったのが、そのように聴こえた大きな原因だと、思いたいですけれどね。
知人が出演したので、書きにくいのですが、あまり良く無かった・・・。こういう時は、結構つらいものがありますね。
あえて声をかけずに帰りましたが、あの演奏で良かった、と、ご本人達が本当に思っているんだったら、これはちょっと・・・。
とにかくミスが多すぎましたし、それ以上に、リハの時から、外野がああだこうだと、あまりにも煩すぎる。指示や指導も大概にしないと。演奏するのは当人達なんだし。
ご自分達のやりたいように出来なかったのが、そのように聴こえた大きな原因だと、思いたいですけれどね。
先程アップさせて頂いた下の2つの記事でも書かせて頂いた、音楽家・猪狩 雄斗さんのコンサートが、明後日の8月4日(土)、14時開演にて、「KAWAI仙台 グランドオープニング企画」の一環として開催されます。
彼のピアノはとても端正で、曲の本質に迫るものを感じます。以前、彼のソロを聴かせて頂いたことのある愛好者として、ひとりでも多くの方に、足を運んで頂き、その素晴らしい音楽に触れて頂きたい、そんな公演です。彼のトークも、一聴の価値ありですよ。
雄斗さん、お久しぶりです。お元気でご活躍のようですね。この公演のご成功を、遠い神戸の地より、心から祈念しております!
猪狩 雄斗さんのブログ
https://ameblo.jp/yuto-imagepiano/
昨日は仕事がきつく、帰宅も日付をまたいでしまったため、朝何とかやっとこさ起きた時に、猪狩さんには申し訳ないけれど、今日はキャンセルさせてもらおうとも思ったんですが、でも、彼のブラームスを以前から楽しみにしていましたし、今日聴き逃したら、彼のブラームスを次いつ聴けるかわからない、今の彼のブラームスをぜひ聴きたい・・・と強く思い、老体にムチ打って、神戸から駆けつけました。
非常に雰囲気の良い会場、そして雰囲気のあるマダムがお出迎え。開演時刻が迫っていたんですが、アツアツのカレーをご用意頂き、大変美味しく頂戴しました。心からのおもてなし、大変うれしいものですね。着席したお隣には猪狩さんのお母様が座っておられ、それはそれは緊張しました。昨日の神戸でのコンサートのご様子をお教え頂きましたが、今日は今日で素晴らしい演奏を期待しながら、猪狩さんの登場を待ちました。
彼の弾くブラームスですが、作曲家の生い立ちや時代背景、またそれぞれの曲の成り立ちを自分の言葉で語れるよう、大変良く勉強されておられますので、当然演奏にもそれが反映されます。「創作主題による変奏曲」は、有名主題に依らない作品なんですが、猪狩さんは主題の提示に心を砕き、以降「変奏曲」と言う曲のスタイルを十分意識しながら、闊達かつ丁寧な演奏を展開していました。慣れない場所で弾き難かったとは思いますが、聴く側に十分に理解出来る繊細なデュナーミクは特に素晴らしく、それは彼独特のものだと感じました。「4つの小品」は、私の特に好きな作品なんですが、彼の演奏は本当に心に沁みて来ました。冒頭は遅めのテンポからしみじみと弾き始め、とにかく大きな音楽の中に大変知的で厳しい演奏をされます。彼の音楽は明晰で曖昧さがありません。今の彼自身、この曲を通じて何がしたいのかが手に取るようにわかる、そんな充実した秀演でした。十年後・二十年後と、彼が演奏家として成熟して行くに従って、この曲の演奏を何度も聴いてみたいと思いました。木口雄人さんとの連弾、心が通じ合う優れたピアニストの友人との連弾、聴いていても(弾いていても)楽しいですよね。今回が、人前で弾く初顔合わせなんだと思いますが、機会がある度にこのコンビでの連弾にぜひチャレンジして欲しいですね。「6番」は妙に粘ることなく、若者らしいすっきりとしたテンポ・演奏はとても爽やかで気持ちの良いものでした。
久しぶりに猪狩さんの演奏をお聴きし、彼の成長が感じられたことがとてもうれしかった、そんな今日のコンサートでした。更にスケールの大きな芸術家として、いつか彼の演奏に接する機会があればうれしく思います。今日は素晴らしい演奏をありがとうございました。今日は伺って本当に良かったです。そして、今日の企画をされた木口雄人さんにも感謝申し上げます。今日のような思いがけない出会いや素晴らしい演奏に出会えるから、音楽を聴くことをやめられないんです。
7/14
皆さんの演奏の印象を、好き勝手に書かせて頂きました。来年は昨年同様「神戸芸術センター記念ピアノコンクール」と言う名称のものに戻るようです(併せて「東京芸術センター記念~」も同時に開催されるようです)。今年お聴き出来た方も再挑戦されるでしょうから、更に成長された音楽をお聴きできると言う楽しみもありますし、また、新たに挑戦される素晴らしい若手ピアニストも出て来られると思います。いずれにしても楽しみですね。ピアノを「食わず嫌い」で来ましたが、この一連のコンクールのお蔭で、この年になって再度ピアノ(作品)に興味を持つことが出来、とても感謝しています。ひとりでオーケストラと同じような世界を作れるピアノと言う楽器が素晴らしいですね。出場された皆さんの今後のご活躍をお祈りしつつ、この記事を締めたいと思います。ありがとうございました。
浅川 真衣さん
リスト/「伝説」から第2曲「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」
おなじみの浅川さんの演奏ですが、今までお聴きした中では最も良い演奏だと思いました。まず、曲が彼女に合っていると言うことでしょうか。彼女の演奏には時々「天然系」を感じることがありますので、こういった厳粛な雰囲気を感じさせるような曲の方が、そういったキャラクターを逆に生かす意味でも相性が良いのではないかと勝手に想像しています。良い選曲だったと思います。この日は技術的にも全く気になりませんでしたし、会場のピアノにも慣れ、とても良い音が出ていたように感じまして、この難曲を一気に聴かせて頂きました。この日の演奏に限らず、今まで彼女の演奏を聴かせて頂いて気になるところを一点だけ。フォルテでアクセントを付ける音を弾くのに力んでしまったり、あるいは「構えてしまう」傾向があり、その音自体が硬く濁る、あるいはその音だけが突出して大きく強く聴こえるようなことがあること、そこで一様に溜めを造ってしまうために、音楽の流れが澱んでしまいがちになると言うことです。せっかくスケールの大きい音楽を作っているのに、それが一因で「大仰」だと取られかねませんし、折角積み重ねて来た流れがそこで途切れ気味になってしまいます。大きな音楽の流れの中で、自然な溜めやルバートが表現出来るようになれば、きっと彼女は更に大きな舞台で活躍出来る方なのではないかと思います。偉そうな感想、失礼しました。浅川さんの今後の更なるご活躍を期待しています。
小瀧 俊治さん
リスト/愛の夢第3番
ショパン/英雄ポロネーズ
各地で活発な演奏活動をされている小瀧さんですが、実際に演奏をお聴きするのは初めてになります。残念ながらこの日の演奏は不調でしたね。「愛の夢」はまだ良かったんですが、「英雄ポロネーズ」はちょっと舞台で聴かせるには厳しい内容でした。基本となる音階・パッセージは不揃いが目立ち、音符通りに聴こえて来ませんでしたし、ショパン特有の装飾音の聴こえ方にも「むら」がありました。肝心なところでのミスタッチも多く、曲の体裁を整えていなかったように思えたのはどうしてしまわれたんでしょう。曲に対する真摯な姿勢や丁寧さが欠けてしまっては、聴く方も辛いものがあります。体調がすぐれなかったのか、あるいはご気分が乗らなかったんだとは思いますが、せっかくのこの舞台でしたので勿体なかったですね。彼のブログで再生出来る「ラ・ヴァルス」を聴かせて頂いたんですが、非常にセンシティヴな素晴らしい演奏でした。このような普段の好調な時の小瀧さんの演奏も、実演でいつかお聴きしてみたいですね。
7/13
佐伯 周子さん
プロコフィエフ/トッカータ op.11
この方の演奏ですが、申し訳ありませんが、今まで一度も聴いたことのない曲でしたので、細かい感想は遠慮させて頂きます。こういう場合は、必ず演奏の前に何らかの方法で予習するんですが、この曲は出来ませんでした。最近になってこの曲の復習をしましたが、技巧的に非常に難しい曲なんですね。ただ、今でも一般に言われているような「名曲」だとは思いませんし、佐伯さんが演奏された時の印象も同じです。とにかく難しい曲だなあと、それだけでした。こういう状況で、佐伯さんの演奏自体を云々することはちょっと怖いです。
松岡 優明さん
ラヴェル/「クープランの墓」から
「プレリュード」 「トッカータ」
松岡優明さん、年間最優秀賞、おめでとうございます。
私は彼のピアノを初めてお聴きしたんですが、今回の結果とは関係無く大変素晴らしいと思いました。授賞式の講評で、センターの村井会長が「今日は手抜きをしていた・・・」云々とおっしゃっていたんですが、その言葉は良く理解出来ませんでした。直前のリサイタルで同じ曲を弾かれていますので、その時の演奏と比較されておられるんだと思いますが、確かに「スケール感」と言う点で見れば、この日の演奏は(彼の実力からすれば)非常に「手堅い」と言う印象でしたし、テンポ的にも「安全運転」と採られても仕方ない面もありますが、それは彼の「クープランの墓」の解釈ですし、そもそもこの曲はそういう曲でないと思います。奏者が持つ「音楽センス」と言う資質と、併せて(特にトッカータで)高度なテクニックを披露するような曲だと思うんですよね。彼のピアノ自体、非常に趣味が良いものですし、リラックスされながらの演奏で、「オトナの音楽」を聴かせて頂いたと思っています。実演で見せる「音楽センス」(資質)と言う点では、この方は飛び抜けて優れていると感じましたが、一方で、一般の聴衆がこの日の短時間の演奏からだけで「最優秀賞」と言う評価が妥当かどう判断も付きかねますよね。とにかくこの日はセンスの良いラヴェルを聴かせて頂いたと言う満足感で一杯でした。いつかリサイタルをお聴きして、彼の真価を確認出来たらと思っています。素晴らしい演奏、ありがとうございました。今後益々のご活躍をお祈りいたします。
7/10
梅田 智也さん
ラヴェル/ラ・ヴァルス
この日、同じ曲をお二人の方が弾いて下さいました。ラヴェルが作曲したの曲の中でも最も好きなこの曲ですが、お二人の弾かれた方向性は全く違いましたね。山下諒さんの項では「ダイナミックレンジを「1から10」と言う目盛があるとすれば、彼の場合は「1~8」の中で音楽が鳴っていると言う感じ」、「演奏自体も楽譜に忠実で、あまり大きなデフォルメをせず、曲が書かれた意味合いを十分に理解しながらまとめあげられた常識ある演奏」「曲の性格上、もう少し「遊び」が感じられる演奏であれば、更に良かった」と書かせて頂きました。梅田智也さんの「ラ・ヴァルス」ですが、音量面では目盛が「3~10」と言う感じだったでしょうか。音量が冒頭から大き目で、この曲の持つ神秘性と言うところからは少し距離がありました。「ラ・ヴァルス」と「美しき青きドナウ」は同じニ長調・主題と変奏というような形式で書かれていて、関連性も指摘されるんですが、梅田さんの演奏は、エヴラーが編曲した「~ドナウ」の流れを汲むかのような「ラ・ヴァルス」だったと思います。比較的デフォルメやアクが強く、テンポやルバートの崩し(ちょっと崩し過ぎだったかも・・・)も多用されていました。ライヴで聴く分にはかなり鮮烈(グリッサンドの場所などは特に・・・)で記憶に残る演奏だったと思いますが、この曲を聴く時に露わになる「狂気」や「喧噪」と言った側面が強烈だった一方で、曲の裏に隠された「端正さ」や「節度」と言った裏側の部分の「隠しテーマの示唆」と言う点では少々物足りなかったですかね。方向性が違うお二人の演奏ですから、当然このような感想になるんですが、この2つの要素が融合した演奏と言うのが、個人的には理想なんですけどね・・・。まだお若い皆さんですので、ここはこの曲を弾かれる「個性」が演奏に端的に表れたと言うところでしょうか。ここまでお二人の違いがはっきりするのも非常に興味深いことです。個人的な趣味からだけで言えば、この日のこの時点での演奏においては山下諒さんの演奏の方が好みですが、これも聴く人の嗜好次第ですし、どちらが優れていたかと言うのは優劣付けがたいです。技術的には全く互角でしたし。と言うことで、梅田智也さん、大変興味深い演奏をありがとうございました。別の機会に、色んな傾向の曲もお聴きしてみたいですね。
7/9
猪狩 雄斗さん
チェルニー/「フィガロの結婚」の主題による華麗な幻想曲
事前に皆さんが弾かれるプログラムを拝見した時、この曲が最大の「聴きもの」と思い、この日は期待感一杯で聴かせて頂きました。「恋とはどんなものかしら」での高い音楽的センスと艶っぽさ、「ぼくには自分がどうなっているかわからない」での音楽的な闊達さとテクニック(指回り)、音楽が息づいていましたよね。「もう飛ぶまいぞこの蝶々」でのスケールの大きさと、終曲にかけての破綻の極めて少ない超絶技巧と追い込み。大変高いレヴェルの「エンターテインメント」だったと思います。ほめ過ぎるようで恐縮ですが、何一つケチの付けようのない雰囲気のある演奏だったと思います。こういう音楽は、単に上手にピアノが弾けると言うこと以上に、その方が持つ音楽的素養が表出されますよね。この曲でピアノが弾けるのが楽しい、そういう表情がとても良く出ておられ、客席にいたこちら側も心から楽しんで聴くことが出来た素敵な演奏でした。演奏時間が短く感じられ、終わってしまうのが惜しい・・・そんな演奏でしたよね。演奏前、ご本人は楽器(ベーゼンドルファー)に少し心配をされていたようですが、とても楽器に合った弾き方で、多彩な音色が楽しめました。今後の彼の更なる活躍を期待し、都度あることに彼の演奏に接して行きたいものです。ありがとうございました。
7/8
高岡 準さん
メンデルスゾーン=リスト=(ホロヴィツ?)/
付随音楽「夏の夜の夢」から「結婚行進曲」
私がこれから書かせて頂くことは、ピアノ素人の一音楽愛好家が思うことですので、一方的で間違っていると思いますが、それを前提にお読み頂けたら有難いです。
高岡さんの演奏を聴かせて頂いたんですが、彼は相当「変わっている」方だと思います。ご自分の持つ才能を「素直」にご自身の選曲・演奏の中に表現されませんよね。技巧も譜読みも選曲も、他の方とは違い、音楽的には相当優れているものをお持ちだと思いますよ。でも、私たち聴衆は、眼前のプログラム表だけを頼りに、そこで奏される演奏をお聴きするしかないんです。今回の選曲が、人を「食った」「小馬鹿」にしたような感じもしますし、その一方で、演奏の中身自体は(斜に構えるような感じの中でしたが)確かに凄かったですよ。コンクールと言うある意味「権威」に挑戦しつつも、そこで「透かす」ような選曲と演奏、そして、短パンにスニーカーと言ういでたちで登場された表彰式・・・。彼と言う人物が良くわかりません。演奏ですが、もう少しじっくりと丁寧であったのなら、これはきっと相当な名演だったでしょう。それにしても、時間的にわずか6分程度の曲が一曲だけ・・・。どのような思いを以って、この曲を選ばれたんでしょうかね。今後「真面目」に音楽を追究されるのであれば、相当な高みに到達することが可能な方だと思いますが、今のままであれば、さてどうでしょうかね・・・。一度ゆっくりお話しがしてみたい方です。ご批判は覚悟の上ですが、一方的な印象を書き連ねてしまいましたね。どうも失礼しました。
7/6
丸尾 祐嗣さん
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第2番イ長調 op.2-2から第1楽章
スクリャービン/練習曲 op.8から12
この2曲の関連が良くわからないのですが、個人的にはあまり良いプログラムではないように感じました。彼の演奏は初めてお聴きしたんですが、この日は不調だったんでしょうか、音楽が重かったですし、ミスタッチも目立ちました。演奏中の椅子の座り方も気になりましたし、何か投げやり気味のような弾き方に見えたのは気のせいでしょうか。技巧的にはみるべきものもありましたが、少し表面的な感じで、この日の演奏から、曲の魅力と言ったものを感じにくかった・・・音楽的に感じる部分が少なかったと言うのが正直な印象です。次回は違った傾向の曲もお聴きしてみたいですね。
中川真耶加さん
ショパン=リスト/「6つのポーランドの歌」から
「乙女の願い」、「私のいとしい人」
この3月に同じ会場でリサイタルをお聴きした中川真耶加さん、この日はとても渋い曲を弾いて下さいました。リサイタルの時に弾かれたショパンはあまり印象に残らなかったんですが、この日の演奏はとても可憐で素敵でしたね。前回お聴きしてから短期間しか経っていないのですが、音楽に対する感じ方が少し変わったような感じがしたのは気のせいでしょうか。彼女のセンスの良いところは、ショパンの大きな特徴でもある装飾音の弾き方ではないでしょうか。拍の頭に合わせない弾き方もあるとは思いますが、彼女はきちっと拍の頭に装飾音の最初の音を持って来て、そこで指が小気味よく動き、そしてまたその動きの中で微妙なルバートが掛るんです。その弾き方は趣味がとても良いですね。この曲はリストが編曲したものですが、ショパン自身が書いたような、いかにもショパンらしい素敵な演奏を聴かせて頂きました。この方の成長ぶりは今後とても楽しみですね。ありがとうございました。
7/3
榊原涼子さん
シューマン/ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調 op.14 から第1楽章
彼女の演奏は初めてお聴きしましたが、とても清々しく、素晴らしかったです。演奏された曲は、私にとってはほとんど馴染みが無い曲だったんですが、非常に充実した音楽が聴こえて来て、胸を打つ演奏でした。全く派手さはないんですが、弾かれた音楽は、例えは悪いんですが、「餡子が頭から尻尾までびっちり詰まった鯛焼き」と言ったような感じだったですかね。(決して彼女の演奏が「鯛焼き」だとは言っていません。比喩です、比喩。) 彼女のお人柄が良く出ていたように思います。このシューマンの音楽は、シューベルトの名残も聴き取れますし、またこの作品を作曲した前後にシューマンが書いた音楽のエッセンスが折り重なるように詰まっていますよね。そんな色んな構成する要素を見事に整理し、加えて、シューマンが書いた瑞々しさを自分の言葉で語り成立させた、そんな立派な演奏だったと思いました。弾き方によっては小難しく聴こえる曲なんでしょうが、決してそんなことは無かったですね。ソナタの第1楽章と言う古典的な形式の音楽を、実直にご自分の言葉で語られ、それが聴く人の心に届いた、そんな素敵な演奏でした。この日お聴きした13人の才能あるピアニストの演奏の中でも、私が最も素晴らしいと感じた演奏でした。榊原涼子さん、ありがとうございました。
7/2
福田 真梨奈さん
プロコフィエフ/ピアノ・ソナタ第2番 0p.14 から第1.4楽章
私が彼女の演奏でこの曲をお聴きするのは、短期間で都合3度目になります。一回目は日本ピアノコンクールの二次予選で全曲、二度目は横尾忠則現代美術館でのスタジオライヴ、そして今回。すっかり手の内に入れての充実した演奏でしたね。第1楽章は少し早目のテンポで、冒頭から思いっきりの良いメリハリのある音ではじまりますが、一方で抒情的な部分の弱音も聴きものでした。ただ音が弱いだけでなく、タッチも鮮明で、音の粒がくっきりと聴こえて来ていました。2拍子・3拍子と変化する拍の感じ方も適切で、音楽的にとても充実していました。第4楽章の切り込み・追い込みも見事で、右手で交差して弾かれるCisの音の「警告音」の連打も、ただ単に音が強いだけでなく、ニ調から嬰ハ(変ニ)調へ移って行く契機としての意味付けが感じられました。この日でこの曲とはしばらくお別れということだったそうですが、それにふさわしい素敵な演奏でした。彼女にしてはそう難しい曲ではなかったと思いますので、次にチェレンジする大きな曲が何なのか、それも楽しみです。
7/1
10分程度と言う限られた時間での演奏と言うことで、皆さん、弾き慣れた得意な曲(十八番)を披露されたと言う前提で、ピアノ素人が感じたことを書いてみます。
山下 諒さん
ラヴェル/ラ・ヴァルス
第2部で同じ曲を弾かれた方の演奏を聴き終えるまで、山下さんの演奏は「物足りないなあ」と言う印象でしたが、今思うと、彼の演奏も決して悪くなかったですね。特徴ですが、特に弱音が素晴らしいと言うことです。ダイナミックレンジを1から10と言う目盛があるとすれば、彼の場合は「1~8」の中で音楽が鳴っていると言う感じでしょうか。この日置かれた楽器の特性を考えてそうされたのであれば、それはもう「恐れ入りました」としか言えません。冒頭の部分で作曲者が「渦巻く雲の中から、ワルツを踊る男女がかすかに浮かび上がって来よう。」と寄せているんですが、彼の弾く冒頭部分は、まさにこの標題を具現化したような感じだったと思います。大きな音が割れるようなこと無く、会場に上品に響いていたと感じました。演奏自体も楽譜に忠実で、あまり大きなデフォルメをせず、曲が書かれた意味合いを十分に理解しながらまとめあげられた常識ある演奏だったと思います。ただ、曲の性格上、もう少し「遊び」が感じられる演奏であれば、更に良かったですかね。彼は実質的に「第2位」だったと言うことでしたよね。見た目の華やかさには欠けるものの、将来「いぶし銀」ような味を出すピアニストとして活躍される予感がします。
西 恵里夏さん
プロコフィエフ/バレエ『ロメオとジュリエット』からの10の小品 Op.75から
第4曲「少女ジュリエット」、第6曲「モンターギュー家とキャピュレット家」
以前、オケ版で弾いたことのある曲と言うこともあって楽しみにしていましたが、「10の小品 op.75」から2曲を選ぶ作業としては、この選曲は良かったと思います。第4曲ですが、何故そんなに慌てて弾いてしまったんでしょう。下降音型のパッセージ、音の粒がひとつひとつはっきりと聴こえて来なかったんですよね。ピアノの楽譜にそう弾くような指示が書かれているのであれば申し訳ないんですが・・・。このパッセージは、バレエで少女ジュリエットが登場する場面のはずで、茶目っ気たっぷりのジュリエットの足取りを音符で表現しているんですが、彼女の演奏からは、残念ながらそういう場面が想像できませんでした。音符って言うのは聴こえてナンボのものだと思いますから、弾かれた音楽以前のこととして、書かれた音・音階がきちっと聴こえてこないと言うのは、演奏云々以前の問題と思います。第6曲も大事なところでミスタッチが目立ち、曲が持つ音楽的に繊細な部分が壊れてしまい、日頃の実力が発揮されなかったんじゃないかと言う感じで、気の毒に思いました。
6/30
将来有望・あるいは既に活躍中の若手ピアニスト14人が一堂に会するイベントに行って来ました。おひとりの方が体調不良による欠席で、結局舞台に上がられたのは13人の皆さんでした。私のようなピアノが弾けない一音楽愛好家が、素晴らしい皆さんの演奏に知ったかぶりしてああだこうだとケチをつけては笑われてしまいますよね。実際に、今日皆さんとお話させて頂いて、そんなことをして何になるんだろうかと思いました。その一方で、建築家として高名な主催団体の代表の方が、「音楽の初心者にも感動を与えられる演奏をしないと・・・」と申させていました。正しくその通りです。演奏家の方を支えているのは、昔は「パトロン」と呼ばれる「お財布」がありましたが、現代は私みたいな多くの素人・音楽愛好家な訳です。それなのに、今日なんて入場料はたったの500円、出演者おひとりあたり40円ですよ。おひとりたった40円で、こんなにヴァラエティに富んだ素晴らしい演奏が聴けるのに・・・。神戸国際フルートコンクールでもそうでしたが、予選の客入りの悪さ、これでは盛り上がりませんよね。今日の13人の皆さんの演奏、素晴らしかったですよね。10分交代で全く違う一流の演奏が聴ける、これは凄いことです。ピアノは日本に3台しかないと言う「ベーゼンドルファー・インペリアル97鍵」でした。
最優秀賞に輝いたのは、松岡優明さんでした。おめでとうございます。賞金が150万円とは凄いですね・・・。こういうイベントですので優劣はつけにくいですが、この短い演奏時間の中、私が「特に」楽しめた演奏BEST3は、榊原涼子さん、福田真梨奈さん、そして猪狩雄斗さんの演奏でした。もちろん他の皆さんも素晴らしかったですよ。拙い私の演奏評は、また別に書かせて頂きたいと思います。終演後、何人かの出演者の皆さんとお話させて頂きました。皆さんとても常識的な若者達で、日本音楽界の将来は明るいなあと感じました。出場された皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
先日のチケット発売当日に、2つの有料公演のチケットを購入しました。ただ、1公演で20枚×数公演ものチケットを購入される方がおられたりと、現場は殺伐とした雰囲気でした・・・。常識を考えない一部の方のおかげで、発売初日から、残念な気持になってしまいましした・・・。
私を執拗に追いかけて来る「頭のおかしい男」のこともあり、ここで詳しくは書けませんが、二年前に、個人的にぜひお聴きしたいと、とある奏者さんにリクエストさせて頂いた公演が、今年のこのイベントで実現します。某奏者様、本当にあの曲を弾いて下さるのですね。ありがとうございます。今から、演奏を心待ちにしています。素晴らしい演奏、期待していますよ。これで判って下さるかなあ・・・。