6月までひと月に一回公演のプロジェクト。今日はその第1回目でした。
良かったのは、後半のシューマンの交響曲第4番。非常にロマンティックな曲ですが、下野さんの指揮はテンポを速めに設定し、部分部分のアクセントを強調、その結果非常にメリハリがあり、パワフルな側面が印象的でしたが、一方で、静かなところは非常に繊細に心を込めた指示によって、シューマンが描きたかった「若きロマン」を見事に表現されていましたね。若いメンバーの多いオケですが、演奏面でかなり充実した響きを生み出していて、下野さんの出される指示にも良く応えていたのではないでしょうか。曲がとても素敵に聴こえていましたし、このシューマンはなかなかのものだったと思います。好演でした。
一方、大きな期待をしていた前半のブラームスのピアノ協奏曲第1番、小山実稚恵さんがピアノソロを弾かれていましたが、その期待が大きすぎた分、残念な結果でした。下野さんと組んでのスケールの大きい「曲造り」は風格さえ感じ、さすがと言う印象でしたが、良かったのはここまでで、この日は、テクニック的にかなり「不調」と言った印象で、とにかくミスタッチが多く、いかにも傷が多すぎ、せっかく造り出そうとしていたの曲の造形が全く生かされず、曲が壊れてしまっていたように感じたのは残念でした。ソロの出だしから大きく弾き間違えてしまいましたし、第3楽章の副主題のあたりでも一瞬落ちてしまった・・・?と言うような場所までありました(1回目と2回目を弾き間違えた感じ)。小山さんのような素晴らしい実績のおありになるピアニストでも、一旦歯車が狂いだしてしまうと、こういうことになってしまわれるんでしょうか。第1楽章で頻繁に出て来る「トリル+後打音」というパターンでのトリルが短めで、音価通りに弾かれていないことが目立ち、音楽の流れが幾分窮屈にも感じましたが、そういう弾き方が癖なのか、でなければもしかして指でもケガをされておられたのでしょうか・・・。ソロの出だしの場所は、もちろんオケとの合わせは十分にされたんでしょうが、バック(特に「合いの手」を入れている管楽器)の音量やタイミングがお粗末(こういう曲は不慣れなんでしょうか・・・)で、それが小山さんにも波及してしまったのか、曲が終わるまで引きずってしまったと言うようにも見えましたが、まあそれも言い訳になってしまいますよね・・・。ブラームスにしては魅力に乏しい(と私が思う)緩徐楽章も、オケ側もどこか捉えどころのないような演奏で、聴いていてかなり退屈でした。このパートでは、下野さんの意図も良く見えなかったと言う感じですかね。感じ方は人それぞれでしょうが、こういう明らにミスの多い演奏に「ブラボ」が連発されるのも、どうかと思います。アーティストが好きでそうされているのかも知れませんが、「贔屓の引き倒し」「褒め殺し」と言う言葉もあります。本当に素晴らしいと感じたのであれば、それはそれで結構でしょうが、少なくとも私にはそう感じましたし、率直に感想を書かせて頂きました。加えて、この曲のカーテンコール時、ゲスト・コンマスの小森谷さんの所作ですが、ベテラン・コンマスとしては、ちょっと考えられないお粗末なものでした。ちょっと緊張感に欠けていたんじゃないでしょうか。これも残念でした。終演後のサイン会も盛大に行われたようですが、「素晴らしかった」「良かった」と言う皆さんからの賛辞を、小山さんはどのように思われながらサインを行っておられたでしょう・・・。きっと小山さんご本人が、この日の出来を最もよくわかっておられると思いますので、そう言った意味では、ちょっと気の毒にも思いますけどね・・・。
次回はピアノソロが替わりますので、こちらも「気分一新」して聴きに出かけたいものです。



















