音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -19ページ目

 

知り合いの出場者も、誰もいないコンクール。ですので、無心で、皆さんの演奏に聴き入ることが出来る、とても貴重で幸せな時間でした。

 

以下、私が特に素晴らしいと感じた方を「◎」、素晴らしいと感じた方を「○」で、出場順に記させて頂きます。

 

B部門

 ◎ 池端 真生さん 

 ○ 馬場 静姫さん 藤井 笑美里さん(最優秀賞) 布埜 菜々子さん 綾 花那子さん(優秀賞) 山口 倫佳さん 中村 一華さん 福﨑 朱莉さん(バロック・古典賞) 

 

C部門

 ◎ 松本 竜胆さん(奨励賞) 青木 佑衣さん 酒井 柊馬さん(優秀賞)

 ○ 江田 千晃さん 本間 日菜さん 古田 こころさん(バロック・古典賞) 山中 遥風さん(最優秀賞) 安永 優太さん 飯田 誠司さん 長谷川 なる美さん 小笠原 詩音さん 前田 空さん 森本 紗帆さん

 

D部門

 ◎ 大林 瑞季さん 肥田 孟さん 片岡 あいさん

 ○ 窪田 虹音さん(バロック・古典賞) 関 碧生さん 立花 音彩さん 米澤 遼人さん 北野 由佳子さん 長谷川  敬佑さん 藤田 璃香さん(優秀賞) 端山 直緒さん

 

E部門

 ◎ 山本 悠太さん(最優秀賞) 北脇 菜々子さん(奨励賞)

 ○ 中川 紗瑛さん 竹内 日菜多さん(優秀賞) 中川 優夢さん 永田 裕右果さん

 

今日出場されたのは、各予選で金賞を受賞された方ばかりですので、総じてレヴェルは高かったですね。審査員の結果とは一致していません。あくまでも、私の好みで選ばせて頂きました。

演奏が終わって、素晴らしい演奏だと感じた方には、お声をかけさせて頂きましたが、驚くようないろいろなつながりがありました・・。

 

受賞された皆さん、本当におめでとうございます。入賞を逃された皆さん、今日の時点で、たまたま5人の審査員がジャッジした結果でしかありません。決して落ち込むこと無く、次の機会を楽しみにしています。





昨年の日本ピアノコンクールでの演奏で「衝撃」を受けた桑早穂子さんのピアノを聴きに、とても楽しみな思いを胸に伺いました。

サブタイトルが「音楽の旅」と言うこともあり、ヴァラエティに富んだプログラムとなっていました。前半はドイツ・オーストリア系の曲目が作曲年代順に並び、非常に聴き応えがありました。今日改めてお聴きした彼女のピアノの特徴ですが、とにかく明晰・清潔で曖昧さが一切ないですね。自身の中で音楽を十分に受け止めてから咀嚼され、そして弾かれる音楽からは「真実」が聴かれます。デュナーミクも幅広く取られ、どの部分も非常に「音楽的」ですし、それらを受け止めるだけのテクニックが存在します。特に指先の力強さに優れ、音に「瞬発力」があるんですよね。鍵盤にタッチして出て来る音がとても良い感じで「コントロール」されているんです。自身の意のままに音を操れるピアニストとでも言いましょうかね。それらの特徴は、この前半のプログラムではとても有効で、しみじみと一音一音確かめるように弾かれたバッハは、特にフーガの部分では、くっきりと聴こえて来て欲しいと言う旋律線が見事に浮き上がって聴こえてきていましたし、ベートーヴェンの「テンペスト」では、楽章毎の性格が明確に弾き分けられており、大変感心しました。また、メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」は、単なる変奏曲と言った感じでは無く、折り目正しい演奏から、時折神々しく「宗教的」にさえ聴こえて来ていました。とても良く整った好印象の前半戦でした。

後半は、彼女お得意のラヴェル・リストの間に、初めてお聴きするスクリャービンと言うプログラム。この中で、スクリャービンですが、曲の性格もあるのでしょうか、曲への没入と言う点で幾分物足りないような印象がありました。幾分「整いすぎ」だったでしょうか。また、ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」は、昨年お聴きしたラヴェルの「鏡」に比べると、曲の出来具合や性格もあるんでしょうが、曲と彼女の演奏スタイルがあまりマッチしていなかったかなあ、と感じました。聴く方としては、出て来る音から「行間」を読んでみたいような曲なんですよね。演奏を介在して、何かインスピレーションみたいなものを感じ取りたい、そんな感じの曲なんですよね。彼女の場合、自分の言いたいことを明確にお持ちの方なので、音自体でその全てを語りつくしてしまい、ある部分は聴き手に委ねると言う、まあ何て言いましょうか、そういう一種の「余裕」みたいなものがもっとあっても良いのではないかな、と思います。彼女自身とても「きちっと」されているという一方で、自分で音楽をコントロールし過ぎてしまっていて、指揮者みたいにザッツでは息を吸って音を弾かれるんですが、力んでそこまでしなくても・・・と言うような場面が、特にこの曲ではありました。曲や部分に応じて、もう少しリラックスして楽に演奏することも必要なのではないかなと。そうしないと集中力も続きませんし、疲れますよね。まあ全くの素人の感想ですけど・・。「メフィスト・ワルツ」は、昨年の名演を更に進化させたかのような「深み」みたいなものが聴かれました。この曲は完全に彼女の「十八番」になりましたね。とても素晴らしい演奏でした。


これだけ弾ける、そして聴ける若手ピアニストはそういらっしゃらないでしょう。更に更に高いところを目指して頂きたいですし、そういう思いもあって、素人らしく勝手気ままに書かせて頂きましたが、客席のお仲間達は、お世辞抜きで「凄い・・・」と感じながら聴いていらっしゃったと思います。桑さんはそれだけのピアニストだと思いますし、色んな意味で、更に素敵な演奏を目指して行って頂きたいです。短い時間でしょうけれど、近々にまた演奏をお聴き出来る機会もありそうですので、楽しみにしています。イメージを覆すような曲もお聴きしてみたいですね・・・。今日はありがとうございました。




4/14

感想を書こうにも、昨日のあの忌まわしい出来事を思い出してしまい、そういう気分になれず、一日遅れとなりました。


昨日の演奏ですが、全体的には良かったんじゃないかと思います。まず木管楽器群、トップをローテーションで回しているようなんですが、このシリーズはフルート・オーボエのトップ奏者が特に素晴らしかったですね。特にフルートの渡辺玲奈さん、私は彼女のことをよく存じ上げませんが、この方はずば抜けて優れたフルーティストだと思います。音色・表現・アンサンブル能力、どれもがトップ奏者として昨日は素晴らしかったです。オーボエの高橋幸子さんも負けず劣らずアンサンブル能力に秀でた方で、共に実力を十分発揮されていました。今まで思っていたこのオケの木管群の不安定さは、一体何だったんだろうと思ってしまいました。弦楽器群も非常に良く弾けていまして、上っ面を撫でたような浅い弾き方ではなく、十分練れた表現が聴かれました。技巧的には日本中のオケでもトップクラスの集団な訳ですから、曲や指導者に依っては想像以上の実力を発揮出来る集団なんでしょう。ただ、このオケは、各群は良くまとまっていても、セクション間のアンサンブルが融和していないと言いますか、物足りなく感じるんですよね。そこがこのオケの最も大きな欠点だと思います。音は大きくて何となくまとまっているんだけれども、大きなくくりとしての「一体感」が感じられにくい・・・。こういう独特の契約で成り立っている団体だからこその欠点でもあるんでしょうけどね。隣で弾いているお互い同士を知らなさすぎる、そんな雰囲気もあるようですし・・・ね。

ラフマニノフでピアノソロを弾かれたメイボローダさん、技巧や音楽的な背景はしっかりされているようでしたが、幾分「気まぐれ」「気分屋」っぽい面をお持ちなのか、意図的・即興的にテンポを打ち合わせ時と変えているような部分が見受けられ、佐渡さん・オケ側がところどころで戸惑っているような場面が見られたのは、逆に面白かったですね。でも、芸術家と言うのはたいがいそんなものでしょうし、そこがライヴならではのスリリングな部分でもありますから、聴く側からしてみればこういうのは面白いものです。若いからなのでしょうか、アンコールで見せた彼の並はずれたスタミナは魅力ですし、そう言った意味でも、これからしばらく続く地方公演に「向く」ソリストとして若い彼が選ばれたのも合点がいきます。

チャイコフスキーは、非常にオーソドックスな持って行き方で、佐渡さんらしくないとも言えるんですが、佐渡さん自身がそのように変わって来たのかも知れません。以前は「芝居がかっている」感じもあったんですが、このチャイコフスキーは非常に「芸術的」に感じました。



1stvnのパート譜がちょっと見当りませんので2ndvnのパート譜で恐縮ですが、ほんの一例ではありますが、249小節のアウフタクトからの「f」の部分、譜面通りの音価でレガートに、そして「sf」は柔らか目に演奏されていましたが、253小節のアウフタクトからの「ff」の部分、8分音符を短く、そして次のアクセント記号は鋭くと言う感じで、ただ単に表面を撫でただけの解釈・演奏では無く、聴いている側にも変化が良くわかるように、全体的に良く考えられていたのではないかと思います。こういう一工夫ある演奏と言うのは、聴いていても飽きませんし、集中して聴き通すことが出来ますよね。加えて、この曲での楽員の咀嚼力、そして「聴かせる」能力も高く、満足しました。だからこそ、この演奏をぶち壊しにした第3楽章が終わった瞬間の「ブラボー」、この非常識な行為が残念で仕方ありません。2,000人の時を共有している「仲間」、まあ偶然一緒なだけなんですけれども、それでも、自分がする行為が、周りのどれくらいの人に、どの程度不快感を与える行為なのか、そんなことさえわからない人は、会場に足を踏み入れないで、自室でひとり録音聴きながら「ブラボー」を言っていれば良いのですよ。会場でこれ見よがしに「ブラボー」言う人は、その会場が「自分のもの」だと勘違いしているんでしょう。他人を思いやれず、自己満足のために会場に来ないでもらいたいです。最近のライヴは「ブラボーブラボー」本当に煩いです。何のためにわざわざ聴きに来ているのか、本当にそれが知りたいですね。



4/13

今日は、非常に残念なことがありました。演奏とは関係ないことなんですけどね。まあとにかくひどい。

後半のチャイコフスキー/交響曲第6番、第3楽章が盛大に終わった瞬間、4F席から女性の声で「ブラボー」の叫びと拍手が・・・・・・。この曲は4楽章あるってプログラムに書いてありますし、それを見ないで演奏会に臨んでいること自体、あり得ません。それ以前に、この曲を知らずに演奏会を聴きに来るってあるんでしょうかね。こんな有名曲なのに。知らない曲なんだったら、楽章が終わって真っ先に「ブラボー」は無いでしょう。舞台上の楽員も、第3楽章の終わり近くで「ワザと」譜面めくって、「まだ先もあるよ」と客席に見せていたのにね。今日は、いつもお世話になっているコアメンバーさんと一緒に話しながら帰りましたが、金曜日の1日目でも同じ場所で拍手があったようで(昨日の2日目はなかったらしい)、そんなこともあって佐渡さんもアタッカで第4楽章に入ろうとしていたみたいですね。それなのに、あんな大声で「ブラボー」ですか・・・。その人、懲りずに終演後もスタンディングで拍手していましたし、自分がどれだけ他人に迷惑をかけていたのか、全く何も思っていなかったようです。

4階席2列目中央のピンクのカーディガン羽織ったマスク・メガネ姿の女性、あなたのせいで演奏会がぶち壊しですよ。




今月のパンフレットに書かれていましたが、飴や鈴どころではありませんね。今日の行為は「暴力」「妨害」です。





一昔前まで、四重奏をご一緒させて頂いていた工藤庸介さんがメンバーの一員でもあるシュペーテ弦楽四重奏団が、4回目の公演を迎えられ、聴きに伺いました。

普段お仕事をされている「日曜音楽家」のアマテュアが、こうやって継続した活動をされると言うこと自体が素晴らしいですね。多少演奏に傷があろうとも、それ以上に心に届いて来るものがあります。弾きたい曲を自分たちなりの解釈で伸び伸びと演奏するその醍醐味、これこそアマテュア演奏の真価ですよね。今日は、チェロの方にアクシデントがあり心配しましたが、そこは音楽に対する情熱が上回っていました。素晴らしい演奏会だったと思います。

残念だったのは、聴衆の聴く態度。「音楽を聴き」に来ているんでしょうに、良い歳をした大人がスリッパの音をパタパタさせながら演奏中に歩き回ったり、コンビニ袋をずっとカサカサさせたり・・・。何しに会場に足を運んでいるんだか・・・。こういう無配慮な聴衆は、「熱い」演奏会には必要ありませんね。本当に聴きたいと思う人だけが集まる会場、奏者達もきっとそれが理想だと思っているに違いありません。

このあとは、再来週に京都で同じプログラムを演奏されます。そして、来年はスメタナの「わが生涯」他とのこと。更に深化・進化した演奏を楽しみにしています。お疲れ様でした。