音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -16ページ目




6/25

いくら疲れていても、優れた資質を持つ仲間達と一緒に音楽が出来るのが楽しくて仕方ない・・・、そんな感じのアーティスト達のコンサートでした。美穂さんは大フィルのリハから、また、奈良田さんは演奏会を終えて後、駈けつけて下さいました。金子鈴太郎さんのチェロ、「グリーンフェスティバル」でおなじみですが、昨日のバッハ/無伴奏は、ヴィブラートを排除し、極力「音」を追求した引き締まった音楽を聴かせて下さいました。極めてシリアス・厳しい音楽だったと思います。ストラヴィンスキーの「イタリア組曲」、美穂さんがお好きな曲と言うことで、乗りに乗ったと言う勢いのある演奏でした。ハイフェッツ=ピアテゴルスキーに拠るヴァイオリンとチェロのために編曲された非常に難しい版での演奏でしたが、逆にこの曲の「新古典主義」的な骨格が、聴き手によりはっきりと感じられたのは興味深かったですね。30分程の休憩後は、奈良田朋子さんのピアノが加わり、メインのチャイコフスキーが演奏されました。本当に短い併せの時間しかなかったと思いますが、3人の音楽的素養と心とが見事に通じ合いながら、丁々発止とやりあう、一期一会・ライヴならではの圧倒的な名演でしたね。極限までかけられるヴィブラート、聴き手にも十分に感じられる繊細なデュナーミクで以って、この曲のロマン性を表現し切っていたと思います。「相乗効果」と言う言葉をここまで感じられる演奏には、そう滅多にお目にかかれないと思いますね。本当に心に沁みる演奏で、感動しました。ここから非常に長い「アンコール」が始まるんですが、ラフマニノフのチェロ・ソナタ。金子さんがどうしても弾きたかった曲のようにお見受け出来ましたが、奈良田さんのピアノがこれまた凄かったですね。抜群のテクニックと音楽性で、ラフマニノフのピアニズムをすべて出し尽くしたような感じの演奏は、金子さんのチェロの更に上を行くような素晴らしいものだったのではないでしょうか。何とこの日の演奏が初合わせと言う凄さ・・・。この曲までは、ピアニストに譜めくりをされる方が付いておられたんですが、音楽の「ツボ」をよくわかっている方のようで、譜めくりのタイミングがとても適切、ピアニストが弾きやすいように細かい心配りをされておられました。彼女のすべての所作に大変感心しました。さて、美穂さんのブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第2番は、まあこれは次回=「大阪クラシック2014」初日公演最終公演時(市役所でしたっけ・・・)での再演に期待しましょう。傷の多い演奏ではありましたが、第3楽章冒頭のメロディの弾き方(sul Gで弾く旋律・・・ポジショニングを気にし過ぎるあまり、音楽の流れ・旋律性が途切れてしまう演奏が非常に多く、ヴァイオリニストにとっての難所)などは、彼女の持てる資質の素晴らしさを明らかにしていましたよね。心を惹きつける音色とヴィブラートは、聴く側を幸せにしてくれます。多少気になったのは、右手で紡ぎだされる音色は豊富ですが、場所に拠りますが、左手のヴィブラートが幾分曲の性格を描ききれていない・・・、長い時間聴いていると、少し音自体飽きて聴こえてしまうような感じ・・・それは非常に贅沢な注文なんでしょうね・・・。それにしても3人の音楽的資質は確実に一級品です。十分に楽しませて頂きました。長時間に渡る素晴らしい演奏、ありがとうございました。本当にお疲れ様でした。と言うことで、今から「大阪クラシック2014」が楽しみで仕方ありません。イザイの「2本のヴァイオリンのためのソナタ・遺作」なんて珍しい曲も聴けるそうな・・・。開催日程だけでも早く知りたいですね・・・。



6/24

早めに到着しましたら、リハされていました。



バッハ/無伴奏チェロ組曲第5番全曲

ストラヴィンスキー/イタリア組曲

~休憩~

チャイコフスキー/ピアノ三重奏曲「ある偉大な芸術家の思い出」

ラフマニノフ/チェロ・ソナタ

ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第2番


入れ替わり立ち代わりの演奏で、終わったのが何と23時15分頃と言う壮絶なコンサートでした。私も帰宅が午前様となりましたので、詳しくは明日書かせて頂きますが、とにかく凄かった・・・、これでたった3,000円。今日はそれだけです。








300席程の会場ですが、今日は6分程度の入りと言ったところでしょうか。演奏者の方の名前は聞いたことがありませんでしたし、初っ端のブラームスの作品の中でも特に珍しいブラームスのバラードop.10と言うことで、集客に影響していたんでしょうかね。それにしても、この会場は楽器も(残響も)良く響きますが、客席の雑音も会場中に響き渡るんですね・・・。こういうボリュームのある厳しいプログラムでの奏者対聴衆の真剣勝負ですから、聴衆の方もそれ相応の準備や心構えで臨まないとならないと思うのですが、そうでなかった方が多かったためか、演奏中の会場は至る所でチラシ落下やコンビニ袋、鈴の音でざわついて落ち着かなかったのが、とても残念でした。演奏者はもちろんですが、真剣に聴いている聴衆も気が散って、集中出来なかったですね。演奏を聴かずにずっとチラシを見ているもいましたが、一体何をしに来ているんでしょう・・・。奏者も弾きながらそちらの方を見ていましたし、こういう小さい会場ではとても目立つものです。


ブラームスのバラードですが、彼を代表する作品でない理由が、このしっかりと弾くピアニストに依って明らかになってしまいました。楽曲からは心に迫って来る「何か」が感じられにくく、聴いていて幾分退屈な演奏となってしまいました。同じブラームスの作品でも、違う曲をお聴きしたかったですかね。続くショパンの練習曲集op.25、お得意のショパンと言うこともあり、会場の雰囲気も変わったように感じました。とにかくミスタッチが皆無で、テンポも中庸、この曲集を純粋に音楽的に楽しめました。一か所だけ、「木枯らし」で音楽が一瞬止まってしまった部分があったんですが、すぐに楽想をつなぎ合わせ、止まったとは感じさせない「凄技」を見せてくれました。後半のドビュッシー・ラフマニノフも、楽曲に見合う雰囲気とデュナーミクで以って、聴く側を惹きつけてくれていました。特にラフマニノフでの「抑制の効いたロマンティシズム」、痺れましたね。ブラームスの選曲は多少残念でしたが、全く趣向の異なる4人の作曲家のヴァリエーションに富んだプログラミングは見事でしたし、全てにおいて素晴らしい演奏だったと思います。彼は演奏ももちろんそうですが、マナーを含めて、まさに「一流のピアニスト」だと思いました。私を含めて、その彼に「見合う質」の聴衆が集まるべきだったと思います。とても勉強になった今日のこのコンサート、ご招待頂き、ありがとうございました。






6/22

演奏時間が比較的短めのプログラムでしたが、その分中身の濃い演奏をお聴き出来ました。下野さんはやりたいことが明確な上、それがきちっと音・音楽に出て、聴く方にも十分に伝わるのが良いですし、それを受けて、若いメンバー達が生き生きと演奏していたのも気持ちよかったですよね。

ブラームスの二重協奏曲、ソリストお二人のキャラクターは正反対とも言える感じなんですが、音楽的にこの曲を通じてお互いに歩み寄りながら、それでいてそれぞれの良さ・個性も十分に表現されていたんじゃないかと思いますね。作曲の大きな契機となったヨアヒムとの和解を願うことを念頭に書かれた第2楽章、特にこの楽章でのソリストの唄い上げは、楽譜に素直な演奏だったこともあり、とても瑞々しく、爽やかに聴こえて来ていました。チェロの川上薫さん、音は太く大人し目なんですが、出て来る音楽は前向き・積極性に富み、知・情バランスが取れた素晴らしいチェリストと思いました。一方、三浦文彰さんのヴァイオリンは、音は甘い感じなんですが、幾分線が細いですね。時にポルタメントを強調して弾く「ムード音楽」っぽい感じが嫌な時もあるんですが、昨日はそれも適度に抑えられていまして、音質的にチェロとの対比が明確となり、ブラームスが書き、聴かせたいと考えたような音楽が明確に奏でられていたように思います。下野さんの造るテンポも比較的ゆっくり目で、全てが意図した通りに響いていた、素晴らしいブラームスだったですね。

シューマンの「春」、弦楽器の編成は6-5-4-4-3と言う感じでしたが、適切なバランスで聴こえていました。「ピアニスト」が書いた楽譜ですから、弦楽器は音型的にも非常に弾き難いパッセージが頻出するんですが、ひとりひとりの技量が優れているのか、音の濁りも全く感じませんでした。管楽器も良いアンサンブルが出来ていて、昨日は弦・管のバランスも良かったと思います。特に、管の一列目・渡邊さん-高橋さんのコンビ、能力の高いお二人ですから、安心して聴いていられました。下野さんの造るテンポは、ブラームスとは違い比較的速目で、音楽的に弛緩しないように配慮されたんだと思いますが、少し張り切り過ぎと言う感じもあって、多少落ち着かなかったでしょうかね。それでも、ホルンやトランペットが吹く前打音の処理などを音符がどのように楽譜に書かれているかが聴き手に明確にわかるよう意識的に吹かせたり、音楽にメリハリがついていたことが十分伝わって来ましたので、これはこれで評価しなければならないと思います。


このシリーズは今回で終了となりますが、若いメンバーがシューマンの交響曲を全曲弾く貴重な機会を得られたことは、今後の彼らの大きな財産になると思いますし、また、下野さんのような明確な意図を以って若手を鍛えてくれるような日本人指揮者を通じて、このオーケストラが更に成長して行くように思いますので、こういう企画はぜひ継続して行って欲しいものですね。



6/21

とても疲れていまして、詳しくは明日にさせて頂きますが、特にブラームスの二重協奏曲は非常に素晴らしかったと思います。ところで、この公演はNHK-FMで放送されるそうで、収録が入っていましたが、例の「グレート叫び男」、今日も健在でした。放送で声が聴こえるんでしょうか・・・。今日は前後半合わせて、終演後30回以上も「グレート」を叫んでおられました(指折って、数えてしまいましたよ・・・)。もめごとになるのも嫌でしたので、直接何も申し上げなかったですが、もう本当にうんざりです。何だか馬鹿馬鹿しくて、もうその声を会場で聞きたくありませんし、そしてその存在自体認めたくないですね。本当に気持ち悪い男です・・・。彼のためのコンサートではないのでしてね。係員に言っても何ら対応されないし、今後会場で彼に遭遇しないようにと祈るしかないんでしょうか・・・。もう最悪。

6/8

まとめが遅れてしまいました。


二次予選・本選通じて、素晴らしいと感じた演奏を、良かったと感じた順に、以下列記させて頂きます。


深井千聡さん

 リスト/巡礼の年 第1年「スイス」から「オーベルマンの谷」(二次予選)

 リスト/バラード第2番(本選)


山下諒さん

 ショパン/舟歌 op.60(二次予選・本選とも)

 スクリャービン/ピアノ・ソナタ第5番(二次予選)


福田絵麻さん

 バッハ=ブゾーニ/シャコンヌ(二次予選)


泉麻衣子さん

 ラフマニノフ/ピアノ・ソナタ第2番(二次予選・本選とも)


二次予選 No.17の方

 スカルラッティ/ピアノ・ソナタト長調 k.13/L.486

 ドビュッシー/前奏曲集第1巻から第5曲「アナカプリの丘」


二次予選 No.3の方

 ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第28番イ長調 op.101


鈴木椋太さん

 リスト/ハンガリー狂詩曲第10番(二次予選)


明石幸大さん

 ラフマニノフ/練習曲「音の絵」から op39から第9番(二次予選)


荒賀なみさん

 ドビュッシー/ピアノのために(本選)



深井千聡さんの弾かれるピアノは、とても知的で深いところから出て来る音楽が特徴です。今回は2曲弾かれたリストが出色の出来で、特に私の心が揺さぶられました。「バラード第2番」は、普段あまり聴く機会の無い作品ですが、この作品の中に聴かれる「ワーグナー的」な要素から、音楽史的な位置づけにおいても興味深い作品だと気づかされました。今回はミスタッチが目立ったのが残念でした。

山下諒さんのピアノも華麗で魅力的ですが、曲によっては上滑り気味に聴こえる曲もあるように感じますので、お持ちの器用さに加えて、更に音楽的深化を目指して行って頂きたいです。

福田絵麻さんが二次予選で弾かれた「シャコンヌ」は、この楽曲そのものの素晴らしさを表現した非常に率直なもので、技巧的にも大変見どころのある演奏を聴かせて頂きました。その他の曲から、「シャコンヌ」のような興味ある演奏が聴かれなかったのが残念でした。

金賞を受賞された鈴木椋太さんの演奏では、二次予選で弾かれたリストが最も印象に残っています。特に技巧的に完璧でしたよね。今は勢いのある音楽を弾かれていますが、本選ではミスタッチや弾き急ぐような面もあったように思いますので、更なる進化を期待しています。

この新神戸の会場で、再び皆さんの演奏をお聴き出来ればうれしく思います。コンクールはピアニスト人生の通過点ですし、ここからレパートリーを増やしながら、どう成長されて行かれるかが大切でしょうし、私のような一般の聴衆の側も、どしどし会場に足を運んで、若い皆さんの成長ぶりを見守る役目があるのではないでしょうか。聴きに行く人がいなければ、演奏会は成り立ちません。機会がある毎に、皆さんの演奏を聴きに足を運びたいと思っています。これで、第6回神戸芸術センター記念ピアノコンクールの記事の更新は終わりたいと思います。



5/18

結果が発表されました。


金賞(賞金 100万円) 34番

銀賞 該当者なし

銅賞 該当者なし

審査員賞(賞金 20万円) 26番・37番

感動賞(賞金 20万円) 6番・23番



審査員・梶山敦子氏、田中克己氏、田中正也氏(本選のみ)の3名。

入賞された皆さん、おめでとうございます。


金賞を受賞されたのは、34番の、北海道在住・17歳の高校生、鈴木椋太さんでした。鈴木椋太さん、金賞受賞、本当におめでとう。

今日、授賞式の前、会場の前にある公園を通りかかった時、ひとり石垣の日陰に座っていた青年を見つけました。昨日このコンクールで演奏した方だと記憶していたので、話かけさせて頂きました。彼は、北海道からひとりで来た高校生だとのこと、神戸のコンクールの方が締切が遅かったのでこちらに申し込んだこと、自信があまり無いとのこと、など、いろいろお聞かせ頂きました。私は、怖いもの知らずの「ピアノ素人」を良いことに、二次のグリッサンドは結構嵌っていた、昨日のプログラムが総花的で良く無かった等々、彼に説教じみた話を偉そうにしてしまったんですよね。「今度受験する時は、こういうプログラミングは気を付けようね」。私は完全な「アホ」で「知ったかぶり」でした・・・。

予選・本選を通じ、彼は多くの先輩方を押しのけて、総じて1位をキープしていたようです。それは、銀賞・銅賞の該当者が無かったことでも証明されています。授賞式が全て終了した後、審査員の先生方と結構突っ込んだ話をする機会を頂いたんですが、梶山先生はこのブログをご覧になられていたようで、私のトンチンカンな感想を、笑顔で慰めて下さいました。ピアノを専門的に勉強していない音楽愛好家が、こういうブログでピアノコンクールについてああだこうだと書くことの「怖さ」、十分身に沁みました。鈴木さん以外にも、多くの受験者の方とお話させて頂くことが出来たこと、感謝申し上げます。

今日はここまでとさせて頂き、このコンクールで思ったことなどなど、明日(以降)、追記にて書かせて頂きます。



5/17





行って来ました。会場やピアノが替わり、二次予選の時と比べ、随分聴いた印象が異なる方もいらっしゃいました。会場やピアノ(ベーゼンドルファー97鍵)に慣れた方に有利に働いたかも知れません。また、二次予選の時もそうでしたが、事情で審査員が2名になったと言うことも、いろんな意味で結果に影響する(した)かも知れません。

今日の本選ですが、演奏中に止まってしまう方が目立ちました。プログラムですが、スクリャービンを弾かれた方はおらず、ラヴェルがおひとりと言うことで、ちょっと意外でした。演奏曲が重なったのは、ショパンのスケルツォ第4番と、リストのソナタロ短調の2曲でした。


全ての演奏をお聴きして、私が「抜けて良かった」と思った方は、27番と16番のおふたりです。甲乙つけがたいんですが、レパートリーの豊富さと言う観点から、二次予選と曲が重なっていた16番の方よりも、27番の方を上位とさせて頂きました。27番の女性の方は、二次予選でもリストが大変素晴らしかったんですが、今日のリスト「バラード第2番」もとても充実した演奏でした。この方の特徴は、曲を俯瞰(=着地点が明確)しながらスケールが大きい演奏をされ、そしてとても知的で思慮深いところなんですが、一方で音楽的に「爆発」するようなところもあったり、非常にメリハリが利いた質の高い音楽をされますので、聴く側も常に集中していないと良さが感じ取れない恐れもあるんですよね。今日のプログラムですが、きっとご自身が弾きたい(弾き慣れた)曲を並べられてたんだと思いますが、この地味な選曲の並びが、決して聴く側が飽きないように上手に組み合わせているには感心しました。比較的知名度の低い曲ばかりですが、これは彼女の見識が高い証拠かと思います。演奏・プログラミングを合わせて、今回の金賞受賞に相応しいのではないでしょうか。

16番の男性の方も、常に高いレヴェルでの演奏を聴かせて下さっているんですが、今日は二次予選と「舟歌」が重なっていたこと、それと、二次のスクリャービンに比べ、今日のプロコフィエフの完成度・深化の度合が幾分弱かったと思ったことなどから、27番の方を上位とさせて頂きました。

おふたり以外で上位入賞の可能性が考えられる方ですが、演奏順に、26番、13番、23番の3名の方のように思います。26番の方はこの会場で弾く機会も多く、慣れていると言うのは大きなアドヴァンテージでしょう。今日もとても安定した演奏でしたが、(あくまでも私個人の感想ですが)「期待以上」と言う感じではなく、ミス無く無難に弾き通したように感じました。リサイタルが続いているので、なかな大変かとは思いますが、コンクールに於ける選曲ではあまり冒険されない印象ですし、「1曲プロ」が多いようなので、コンクールでももっといろんな傾向の曲を聴かせて欲しいです。13番の方ですが、二次予選の演奏が大変実直で好印象でしたが、今日のリストはかなり目立つミスタッチが多かったですね。安定味と言う点で大きくマイナスでしょうし、演奏時間が30分程度で短かく、これも減点材料になってしまうと思います。もう1曲欲しかったですね。3番の方ですが、ダイナミックで色彩豊かなラフマニノフでしたが、メインが二次予選と同じ曲だったこと、演奏が多少荒削りに感じたこと、弾かれた4曲のつながり(選曲の意図)が乏しいように感じたことなど、今後に期待が出来る方だとは思いますが、今回はこのぐらいの位置におられるように思います。

それ以外の方ですが、演奏順に、34番の方は、プログラムが盛りだくさん過ぎで、聴いている方も少し息切れしてしまいました。5曲プロと言うのはいろんな意味できついですよね。聴く側も意識が散漫になりやすいですし。今後は選曲を考え直される方が良いように思います。柔らかいタッチと冴えたテクニックには見どころがあると思います。19番の方は、二次の「シャコンヌ」がとても丁寧で良い演奏でしたので期待していたんですが、べートーヴェンでのミスが残念だったのと、幾分ムード音楽っぽく聴き慣れないデュポンの作品は、コンクールと言う場面にはあまりそぐわず、退屈な感じがありました。恐らく思い入れのある曲だと思いますが、もう少し音楽的に中身のあるフランス作品の方が良かったように思いますが、いかがでしょう。15番の方、リストは不運でしたが、弾かれる音楽のスケール自体はとても大きく、豪快ですね。確実性の向上と、やはり「左足の動き」がどうしても気になってしまいます。今後の課題とされた方が良いと思います。6番の方、シューマンの序盤で躓いてしまいました。この時間でのアクシデントは後に響き、これ以降は「消化試合」の雰囲気となってしまい残念でしたが、ドビュッシーの「ピアノのために」は、手の内に入った曲と言った感じで、なかなかの聴きものでした。37番の方は、無難に弾かれていましたが、私には演奏から心に響いてくるようなものはあまり感じられませんでした。これは弾く側・聴く側の相性なのかも知れませんけれど。


「ピアノ素人」の感想は以上です。明日は結果発表です。





昨年の日本ピアノコンクールの二次予選からお聴きし始めた、藤野誠也さんのリサイタルに伺いました。

藤野さんには申し訳ないんですが、それぞれの曲についての感想は敢えて書きません。それは彼自身が一番良く知っておられると思うからです。これまで多くの公演に足を運ばせて頂きましたが、今日のこの公演程、楽しめなかったものはありません。仮に思ったように弾くことが出来なくとも、演奏に心が籠っていれば、聴きに来て下さる方への思いやり・感謝が伝われば、それはそれで満足出来るでしょう。今日はそう思わなかったですね。年齢的に見ても、いろんな意味で若い演奏家の模範となるべきなのでしょうが、申し訳ありませんが、今日は演奏・マナー共にそうではなかったと思います。別にアンコールを弾いて欲しいとも思わなかったですが、あの終わり方は無いでしょう。非常勤で教鞭を執られているようですが、ああいう態度を生徒に教えないで欲しいと願っています。数が少ないからと言って、お客さんを舐めてはいけませんよ。せっかく伺いましたが、時間の無駄でした。