音楽と競馬、思ったことを書いて行きます -12ページ目

仲良くして頂いているピアニスト・矢野 百華さんが出演されると言うことで、聴きに伺いました。

百華さんのピアノは、今年に入って二度程お聴きしましたが、それ以来わずか数か月の時間の経過ですが、何か心境の変化などがおありになったのかと思う程、スケール感が増し、随分と音楽的に成熟されて来ており、少し驚きました。弾かれる音楽が非常に大きい・・・。とても良いピアニストになられて行く過程を、今日は見させて頂きました。

北條 エレナさんのヴァイオリンですが、特に弱音時に、その音量に比例して、音楽そのもののニュアンスが減衰してしまっていて、聴いていて少し心もとないような印象がありました。全体的に慎重ですし、音楽の感じ方も、「音楽」そのものよりも「音」に重点が行ってしまっているような感じで(特にメンデルスゾーンの第1楽章で・・)、もう少し思い切って、大きな「枠」で以って、音楽を楽しんで行かれれば、また違った表現が表に出て来るように思うのですけれどね。ラヴェルの第1楽章でも、チェロの河野 明敏さんとユニゾンで、長い旋律線を唄って行く場所があるのですが、北條さんと河野さんの弓順が全く正反対で、これで弦楽器特有の細かいニュアンスが、果たしてお二人揃って表現し切れるのか、少し疑問に残るような場面も見受けられました。また、楽章を終えてごとの調弦も、少し頻繁過ぎたでしょうか。聴衆の緊張感も、これで途切れてしまうんですよね。せめて1曲で1度だけ、と言うのでは、ダメでしょうか。

 

今月の4日、私が聴きに伺えなかった「ピアノ・トリオ アストレ」の演奏の一部が、youtubeで公開されています。

メンデルスゾーンの1番 https://youtu.be/zWP7QDGWDnI

ラヴェルのピアノトリオ https://youtu.be/i-DySVHqJzc

フェリックス・トリオの皆さんより、1世代程上の身近な演奏家達ですが、このような一体感のある、とても息の長い素晴らしい演奏をお聴きになり、(良い悪いと言う意味では無く)今の自分達とどのように異なるのか、聴き比べをされながら、トリオとして、また、一音楽家として、更に高いところを目指して行って頂きたいものです。

 

後半に入る前の荻原先生と奏者とのトークですが、少し退屈・長く感じました。もっともっと奏者の皆さんにしゃべってもらうような工夫を、お願いしたかったですかね。単に立ってのトークイベントですから、後半に向けての、指やからだのウォーミングアップも出来ませんし、冷えますし、これは少しかわいそうでした・・・。

 

STEINWAY & SONS社が誇る「SPIRIO」の実演会があると言うことで、参加して来ました。その公式サイトは、以下の通り。

http://www.steinway.co.jp/spirio

 

目の前の、本物のSTEINWAY & SONS社のモデルBやモデルMのピアノから、自動ロールでは無く、スタインウェイ・アーティストのリストの中から選りすぐられた実際の演奏を、ほぼ100%再現した形で、映像付きで「実演」をしてくれると言う、「世界最高レヴェルのハイレゾリューション自動演奏ピアノ Steinway & Sons SPIRIO」と言う、もの凄い装置です。聴いた印象も、タッチはもちろんペダリングも、実際のアーティストの演奏をほとんど正確に再現していました。私の目の前で、ホロヴィッツやラン・ランが弾いている、正にそういう装置です。

ピアノと付随するモニター・タブレット等の装置合計で、1,300万円から1,700万円程と言う途方もないお値段ですが、今日伺った神戸の拠点でも2セットの受注があったとのこと。うらやましいですね・・・。

ご興味のある方は、三ノ宮の駅から徒歩10分程の場所にある「スタインウェイ&サンズ 神戸」のショールームに行かれてみて下さい。尾崎さんとおっしゃる、実に見事なピアノを弾かれる営業担当の方が、親切にご対応して下さいます。

https://www.muse-west.jp/steinwaykobe/

どうしても、今伸び盛りの彼女のソロをお聴きしたく、

樫本 大進さんの方のこちらをソデにして、伺いました。

 

彼女のピアノですが、とてもロジスティックで聡明な演奏をされ、素晴らしいピアニスト・法貴 彩子さんに通じるものを感じる一方で、まだまだ音楽的なゆとりやうるおいが不足しがちで、そう言った意味では、今のところは現代曲がよりお得意だとも言えるのではないでしょうか。それでも、ここ最近は各地のコンクールで上位に入賞されたりしておられますし、大変良いものを持っていると言うことも明らかでしょう。

この日の演奏も、三善 晃の作品で聴かせた独特な音感の良さ、冴えたタッチは抜群に素晴らしいものでしたし、ドビュッシーやラヴェルでも同様に、幾分硬い表情(撓りが足りない)だったり、音色的に見ても物足りない印象でしたが、曲全体を俯瞰して初めて出て来る音楽的な整合性や、音と音との間に於けるバランスの良さに拠る「曲」そのものとしての聴き応えは、なかなか他のピアニストでは聴くことの出来ないもので、彼女の個性が良く発揮されていたように感じました。

更に個性的なピアニストとして、今後彼女なりの地位を築いて行って頂きたい、そんな逸材です。期待しています。

 

楽譜にサインを頂きました。ありがとうございました。

 

ごしょう

ご招待券を頂き、聴きに伺いました。

 

アンコールは、ドビュッシーの「喜びの島」。

多岐に渡る選曲で、そのプログラムからは、なぜこれらの曲が取り上げられたのか、選曲の意図が私には良くわかりませんでした。

弾かれる音楽からは、唄心はあまり感じられず、技巧的にも余裕に欠け気味で、時に聴かれた力任せの打鍵など、私の好みからは遠いところにおられる方でした。

出演者にお誘い頂き、聴きに伺いました。

 

北端 祥人さんのピアノは、常に冷静で決然としていて、曖昧さが無く、一方で、唄心が充満した、実のびっしりと詰まったとても充実した音楽を聴かせて下さいます。澄んだ音色と併せ、大変格式の高い「品格」を感じる演奏です。さすが、国際コンクール本選出場の常連だけありますよね。

彼は、今月末からドイツで行われる「リスト国際ピアノコンクール」に出場が決まっており、良い成績を上げられるよう期待していますし、この日の演奏は、その期待に十分に応えて頂けるような、上々の出来映えだと感じました。

2曲の協奏曲のお相手をされた守重 結加さんは、北端さんと同じベルリン芸術大学の「ご学友」。難曲のオケパートを、北端さんと同等の実力を十分に発揮され、見事に合わせ切っておられました。お二人が向い合せで、この難曲を楽しみながら演奏されている姿は、お互いが曲を吟味し尽したと言う、余裕さえ感じました。

 

譜めくりは、お二人の美女が務められました。そのうちのおひとりは、以前、下のベートーヴェンの譜面にもサインを頂いていた、お久しぶりの大好きなピアニストさんでした。

 

素晴らしい演奏を、ありがとうございました。金曜日の東京での公演のご成功を、心より願っております。

お二人には、今日演奏された曲などの譜面に、サインを頂きました。